私たちの取り組む課題
生き抜く力を身につけるための子どもたちの生活環境「エジソンハウス」をつくる
自殺を選ばない世代をつくる。
助けが必要な親御さんや子どもたちが現れた時に受け入れることができる場所をつくります。
わたしたちは「エジソンハウス(仮称)」と呼んでいます。
エジソンハウスの機能は、養護施設・学生寮・共同生活の場です。
エジソンハウスをNPO白浜レスキューネットワークの様々な活動とつなげ、生活の中で生き抜く力を身につける環境を作り出します。
理事長メッセージ〜寄付、ご支援のお願い〜
白浜レスキューネットワークは、三段壁いのちの電話として1979年から活動してきました。これまで1700人を超える自殺志願者を保護し、一緒に生活しながら社会復帰へと支援してきました。この経験から、幼少期から高校を卒業する頃までの経験がその後の人生に大きな影響を与えることを知りました。私たちは目の前にいる子どもたちに関わりたい。いや全国の子どもを相手にはできないけれど、目の前にいる子どもには日頃から関わることができると考えました。全国的にニュースになっている虐待、いじめ、不登校、ひきこもりは、私たちの暮らす白浜、和歌山県の南部、熊野地方にもあります。また、ちょっとした悩みを抱えることは身近なところで起こっています。私たちは今年、児童家庭支援センターをスタートさせ、子どもから親御さんまでを対象にした相談ソーシャルワーク活動を展開しています。ここに、子どもから大人までを預かれる施設を建設することで、相談や社会資源につなげていく活動だけでなく、一緒に暮らしながら生活支援ができるようになります。今も古民家を使って子どもを預かって育てていますが、施設の老朽化のため、建て替えする必要が出てきました。ぜひ、施設建設のために皆様のご支援をいただけましたら幸いです。「自殺を選ばない世代を育てる」この活動に、皆様のご支援をよろしくお願いいたします。
NPO白浜レスキューネットワーク 理事長 藤藪 庸一
なぜこの課題に取り組むか
命を絶つという選択肢の前に
わたしたち白浜レスキューネットワークが活動する白浜には「三段壁(さんだんべき)」という景勝地があります。
見下ろす大海原は清々しい気持ちにさせてくれる絶景である一方で、切り立つ断崖絶壁は多くの人が最後の場所として辿り着く場所でもあります。
命を絶とうとした人を救済するのは年間100件ほど。「三段壁いのちの電話」に電話がかかってくるとすぐに向かいます。
そしてその人が動こうとするまでずっとそばにいます。
迎えにくる人がいない人、帰る場所がない人には「うちにこないか?」と伝え、一緒に帰ります。
そうして共同生活をはじめます。
子どもから大人まで、プライベートはきちんと確保しながらも大きな家族として暮らします。
そして自立していくために就労はもちろん、NPOが運営しているお弁当屋さんや農業で働く力をつけていきます。
お弁当屋さんの「まちなかキッチン」は月に3〜4,000食を販売できるようになりました。
農業では小松菜などを出荷しています。
働けない人も掃除をしたり、食事をつくったりして、協力し合いながら生活しています。
新しい生活をはじめる人もいれば、最後を看取る人もいます。
ひとりひとりに合わせながら一緒に生活をしています。
https://m.youtube.com/watch?v=qeWGpM98Z8s
あなたを諦めない 自殺救済の現場から 藤藪 庸一 (著)
安全基地をつくる
わたしたちのところに来る人たちに共通しているのは、幼い頃の「安全基地」がなかったということ。
心の底から安全だと感じられる場所がなかった人たちは、社会との距離感がわからず、うまく生きていくことができなくなります。
生き抜くことができる力をつけさせたい。そう考えて安全基地をつくり、生きるための力を身につける体験のための活動をしてきました。
フリースクールや子どもの放課後や夏休みの居場所、通信制の高校などの活動をしています。
SRN EDUCATION サイト
https://www.srneducation.info/
そこで不足してきているのが「子どもたちが生活する場所」。
今子どもたちが暮らしている場所も老朽化してきています。
これまでは一軒家を賃貸したり買い取ったりして生活の場をつくってきましたが、さらに子どもたちにとってより良い環境を作りたいと考えています。
制度の枠組みから溢れでないシームレスな仕組みと、老若男女いろんな人がいる小さな社会の中で育つ仕組み
清潔で安全な場所というのはもちろんのこと、制度の枠組みからこぼれ落ちることがない仕組みと、いろんな人がいる小さな社会の中で育つ仕組みをつくります。
行政の制度ではどうしても重篤な人を優先せざるをえません。
本人は支援を受けられても家族が支援を受けられないケースもあります。
また、客観的には重篤な状態でも本人が助けを拒むこともあります。
例えば、発達障害を持っているお子さんのケースです。
障害認定は受けられず、支援が届かない。
子どもが暴れ、手がつけられない。
親御さんは疲弊します。それでも支援が受けられない。
そういうケースは少なくありません。
わたしたちは一度親御さんと離れて暮らす、という選択肢を提示しました。
子どもに力がつくと、子育ての負担が減り、家庭生活を取り戻すことにつながります。
もう一つの例は、母親が病気のケース。病気のせいで子どもたちの生活に必要な家事をすることができない方がいました。
行政の制度では母親の支援は行えますが、一緒に生活する子どもたちはその制度を使えません。
洗濯機を回すことひとつとっても、子どもたちの洗濯物を洗うことすらできない、という制度の難しさがあります。
その親子に「子どものお弁当を無料で届ける」という手助けを提示しました。
母親からその支援を受けるという連絡が来たのは2ヶ月後です。
わたしたちは毎日のように連絡をして、何ヶ月も本人からのSOSを待つことができます。
そこから子どもたちは平日、わたしたちと一緒に生活することになりました。
わたしたちは、行政や福祉・医療機関などと連携してこぼれ出る人がいないような支援を行う必要があると考えています。
もちろん家族で育てることができなかった子どもを制度の中で職員だけが背負うことは難しいこと。
わたしたちは白浜レスキューネットワークという小さな社会の中で様々な大人と見守り、接することができます。
だからこそ、生き抜く力を持った子どもたちを育てていくことができ、大人も自分の役割を得ることができます。
多様だからこそ実現できる、小さな社会の中で育つ仕組みをつくりたいと考えています。
寄付金の使い道
2005年から子どもたちの救済・生活の支援・自立支援の活動を行っています。
子どもたちや親子を受け入れる場所が不足・老朽化しており、
すぐに生活の場が必要な人たちに提供することができません。
現在、共同生活の場、学生寮として使っている施設はどれも築50年を超え、雨漏れ、ヒビ割れ、傾きなどなど、建物自体の老朽化がすすんでいます。
その都度修繕を重ねてきましたが、追いつかず、配管が古くて水圧に耐えられず破損するなどの修理の費用が嵩むようになり、修繕して騙し騙し使ってきましたが、もう建て替えた方がいいのではないかとところまできました。
大人の救済・自立支援については、弁当屋「まちなかキッチン」や農業などで費用を賄うことができますが、
子どもたちの支援を収益化することが不可能で、どうしても寄付に頼らざるを得ません。
寄付金は、
・土地の取得費用
・建物の建築費用
・児童家庭支援センターの運営費用
・養護施設のスタッフの人件費
に使わせていただきます。