Issues we are working on



困りごとのある子育て家庭へ、非営利でヘルパーの派遣をしたいと考えています。
自殺を選ばない世代をつくる。
そのためには、幼少期から高校卒業までの時期に、家族や周囲の大人とどんな関わりを持ってきたかがとても大切だと感じてきました。
不登校、ひきこもり、虐待、いじめ、最近ではヤングケアラーの問題も。
私たちが運営している児童家庭支援センターには年間2500件を超える相談が寄せられています。
支援が必要な家庭と言っても、内情は様々です。
しかし、ほとんどの場合、行政的な支援策があることも知らず、頼る身寄りもなく、自分たちで頑張らないといけないと考えている家庭が多いです。
確かに、中には、行政の支援を受けながらも、なかなかお金の管理ができなかったり、生活を整えることができなかったり、なぜその判断をしてしまったの?という家庭もありますが、その親御さんをはじめ、そこで育つ子どもたちをどう社会で支えるかも考えていかなければならないと思っています。
家庭に入っていくための手立てをどうするか、挑戦していきたいと考えています。
理事長メッセージ〜寄付、ご支援のお願い〜
白浜レスキューネットワークは、三段壁いのちの電話として1979年から活動してきました。これまで1700人を超える自殺志願者を保護し、一緒に生活しながら社会復帰へと支援してきました。この経験から、幼少期から高校を卒業する頃までの経験がその後の人生に大きな影響を与えることを知りました。私たちは目の前にいる子どもたちに関わりたい。いや全国の子どもを相手にはできないけれど、目の前にいる子どもには日頃から関わることができると考えました。全国的にニュースになっている虐待、いじめ、不登校、ひきこもりは、私たちの暮らす白浜、和歌山県の南部、熊野地方にもあります。また、ちょっとした悩みを抱えることは身近なところで起こっています。私たちは今年、児童家庭支援センターをスタートさせ、子どもから親御さんまでを対象にした相談ソーシャルワーク活動を展開しています。ここに、相談事業だけではなく、掃除したり、洗濯したり、一緒に宿題をしたりと具体的に関わる支援を加えて、各家庭に入り込んでいく支援活動を展開していくことができたら、どんなに支援の幅が広がるかと期待しています。
NPO白浜レスキューネットワーク 理事長 藤藪 庸一
Why we are tackling this issue



命を絶つという選択肢の前に
わたしたち白浜レスキューネットワークが活動する白浜には「三段壁(さんだんべき)」という景勝地があります。
見下ろす大海原は清々しい気持ちにさせてくれる絶景である一方で、切り立つ断崖絶壁は多くの人が最後の場所として辿り着く場所でもあります。
命を絶とうとした人を救済するのは年間100件ほど。「三段壁いのちの電話」に電話がかかってくるとすぐに向かいます。
そしてその人が動こうとするまでずっとそばにいます。
迎えにくる人がいない人、帰る場所がない人には「うちにこないか?」と伝え、一緒に帰ります。
そうして共同生活をはじめます。
子どもから大人まで、プライベートはきちんと確保しながらも大きな家族として暮らします。
そして自立していくために就労はもちろん、NPOが運営しているお弁当屋さんや農業で働く力をつけていきます。
お弁当屋さんの「まちなかキッチン」は月に3〜4,000食を販売できるようになりました。
農業では小松菜などを出荷しています。
働けない人も掃除をしたり、食事をつくったりして、協力し合いながら生活しています。
新しい生活をはじめる人もいれば、最後を看取る人もいます。
ひとりひとりに合わせながら一緒に生活をしています。
安全基地をつくる
わたしたちのところに来る人たちに共通しているのは、幼い頃の「安全基地」がなかったということ。
心の底から安全だと感じられる場所がなかった人たちは、社会との距離感がわからず、うまく生きていくことができなくなります。
生き抜くことができる力をつけさせたい。そう考えて安全基地をつくり、生きるための力を身につける体験のための活動をしてきました。
フリースクールや子どもの放課後や夏休みの居場所、通信制の高校などの活動をしています。
白浜レスキューネットワークホームページ
https://www.srnw.or.jp/
制度の枠組みから溢れでないシームレスな仕組みと、老若男女いろんな人がいる小さな社会の中で育つ仕組み
清潔で安全な場所というのはもちろんのこと、制度の枠組みからこぼれ落ちることがない仕組みと、いろんな人がいる小さな社会の中で育つ仕組みをつくります。
行政の制度ではどうしても重篤な人を優先せざるをえません。
本人は支援を受けられても家族が支援を受けられないケースもあります。
また、客観的には重篤な状態でも本人が助けを拒むこともあります。
例えば、発達障害を持っているお子さんのケースです。
障害認定は受けられず、支援が届かない。
子どもが暴れ、手がつけられない。
親御さんは疲弊します。それでも支援が受けられない。
そういうケースは少なくありません。
わたしたちは一度親御さんと離れて暮らす、という選択肢を提示しました。
子どもに力がつくと、子育ての負担が減り、家庭生活を取り戻すことにつながります。
もう一つの例は、母親が病気のケース。病気のせいで子どもたちの生活に必要な家事をすることができない方がいました。
行政の制度では母親の支援は行えますが、一緒に生活する子どもたちはその制度を使えません。
洗濯機を回すことひとつとっても、子どもたちの洗濯物を洗うことすらできない、という制度の難しさがあります。
その親子に「子どものお弁当を無料で届ける」という手助けを提示しました。
母親からその支援を受けるという連絡が来たのは2ヶ月後です。
わたしたちは毎日のように連絡をして、何ヶ月も本人からのSOSを待つことができます。
そこから子どもたちは平日、わたしたちと一緒に生活することになりました。
そこに、今回、その家庭の中にヘルパーを派遣して、家の中から変えていくことができたら、
家事育児のお手伝いをすることができたらと考えているのです。
わたしたちは、行政や福祉・医療機関などと連携してこぼれ出る人がいないような支援を行う必要があると考えています。
もちろん家族で育てることができなかった子どもを制度の中で職員だけが背負うことは難しいこと。
わたしたちは白浜レスキューネットワークという小さな社会の中で様々な大人と見守り、接することができます。
だからこそ、生き抜く力を持った子どもたちを育てていくことができ、大人も自分の役割を得ることができます。
多様だからこそ実現できる、小さな社会の中で育つ仕組みをつくりたいと考えています。
How support is used



寄付金は、
・ヘルパー派遣事業にかかる人件費や経費
・自殺防止、生活自立支援、自殺予防にかかわる事業費
に使わせていただきます。
自殺防止と生活自立支援にかかる主な年間経費(2024年度実績)
食費・・・約380万円
医療費・・・約80万円
高熱水費・・・約300万円
地代家賃・・・約360万円
旅費交通費・・・約40万円
通信費・・・約170万円

