私たちの取り組む課題
日本にも、経済的な貧困やジェンダー・人種格差によりサッカーやスポーツをしたくても諦めている子どもたちがいます。
当会に支援を希望する子ども人数は、この2年間で3倍に増加し、2023年度に300人を超えました(募集期間は1ヶ月間)。
当会調査で受益世帯の53%が「相談をしたくても相手がいない」状況や、35%が子どもがサッカーをするために借入をしていたなど深刻な状況が確認され、社会に頼る場所を必要としています。
一方で、子どものスポーツ格差問題は、その課題が明らかに存在するにも関わらず、これまでの子ども支援およびスポーツ支援活動から取り残されてきました。スポーツ支援は、教育や食糧など生活インフラの支援に比べて優先度が低いため、予算化されにくい、活動や担い手が生まれにくい状況が続いています。また、スポーツは世の中で娯楽や贅沢として見られる傾向もあり、当事者は困っていても声を上げることが難しく、結果的に子ども自身が諦めるという声が届くことも少なくありません。
規模の拡大とこうした内情を改善するため、今まさに対応が必要とされています。
なぜこの課題に取り組むか
背景1: 経済的な貧困
日本では、最大9万人の子どもが相対的貧困下でサッカーをしている可能性があると推測されています。また、2023年に実施した調査では、受益世帯の35%が子どもがサッカーをするために「借入」をしていたなど深刻な状況が明らかになりました。
背景2:規模の拡大
当会に支援を希望する子ども人数は、この2年間で3倍に増加し2023年度は300人を超えました。今後規模がさらに拡大することが見込まれています。
背景3:社会との希薄なつながり
日本では子どもの自己肯定感が低く、孤独を感じる可能性が高いという精神的な課題があります。この課題に対しては、奨励金給付や物資支援だけでは不十分で、自分のことを見て認めてくれる居場所や、自分の目標や夢を応援してくれる仲間との繋がりを感じられる環境をつくる活動が求められています。
背景4:課題の認知と理解が低い
「サッカーをしたくてもできない子ども」の課題は、適切に可視化できていないため、必要とされる支援・規模が分からず予算化されにくい状態が続いています。また、それゆえに関心を持つ人は少なく、課題を改善する行動が生まれにくい状況にもあります。そこで、活動と合わせて調査を実施し、「課題の見える化」と社会啓発を実施しています。
背景5: 希望
潜在的な対象者が9万人に対し、日本のサッカー人口は450万人もいます。サッカーが好きな人が1%でも行動し力を合わせれば、こうした子どもたちの環境を変えられるという希望があります。
寄付金の使い道
<日本の活動>
「子どもサッカー新学期応援事業」
日本全国の経済的貧困や社会的な理由でサッカーをしたくても諦めている、続けたいけど困っている7歳以上〜20歳未満の子ども(性別・国籍問わない)を対象に、様々な支援を実施。
1)機会提供
・奨励金給付:サッカーに関わる費用として5万円
・ 用具寄贈:ウェア、シューズ、ボール、バッグなど
2) 精神的なサポート
・毎月伴走型のプロサッカー選手とオンライン交流
・プロサッカーとリアルでのサッカー交流
3) 格差のない居場所づくり
・子どもたちが誰でも遊べる格差のないスポーツグラウンドの共創
4) 調査
・受益者へのアンケート調査を通じた課題・ニーズの可視化
5) 社会啓発
・スポーツ界と共に課題の発信・社会啓発
6) 新規連携
・ニーズのある新規活動の構築(例:日本サッカー協会と連携した試合招待プログラムなど)
▷実績
2021年〜2023年の3年間で40都道府県の子ども1,000人以上を支援。給付した奨励金額は1000万円を超える。神奈川県にグラウンドを1ヶ所建設。
▷2022年の活動報告はこちら
https://www.lovefutbol-japan.org/posts/40108875
<海外での活動>
「コミュニティ型のサッカーグラウンドづくり」
子どもが安全に遊ぶ場所のない地域で、地域住民とスポーツグラウンド共創を通じたスポーツの機会格差解消と、グラウンドを拠点に教育・治安・ジェンダー格差など子どもたちが直面する課題解決に取り組む。現地で活動するNPOおよび地域住民を「主役」とするコミュニティ型の手法を通じて、①子どもたちが安全にスポーツを楽しめる場所の新設、②地域のオーナーシップ育成、③地域課題の改善を目指している。
▷実績
2018年ブラジル(レシフェ)、2019年インド(ムンバイ)