
事業の目的



地域で生きる力・共に生きる力を育てる次世代育成プログラム
こどもたちが「体験」「挑戦」「表現」「協働」「社会参画」の機会を重ねながら、自分の役割や可能性を自覚し、未来の地域づくりの担い手として育っていくことをめざしています。
こども実行委員での活動で身につくこと
① 子ども主体のまちづくりの推進
未就学児から高校生までのこどもたちが自らの意思で地域づくりに関わることで、こども自身が地域社会の一員であるという自覚と責任感を育てる。
こどもの声を起点にした企画・運営を通じて、地域課題への当事者意識を醸成する。
② 自己肯定感・自己有用感の育成
作品展や模擬経済活動、集団生活などの体験を通じて、「自分の存在が役に立っている」「社会に参加している」という感覚を得る機会を提供する。
これにより、こどもたちの自己肯定感や自己効力感を高める。
③ 社会性・協働性・実践力の向上
宿泊研修や共同プロジェクトを通じて、他者と協働する力、役割を果たす責任感、ルールを守る態度を自然と身につける。
話し合いと実践を繰り返すことで、考える力・伝える力・やり抜く力を育む。
④ 表現力と創造力の育成
作品展では感性を活かした表現活動、職業になりきる体験を通して、創造的思考力や独自の発想を自由に伸ばす環境を整える。
こども一人ひとりの「好き」「得意」に光を当てる場として機能している。
⑤ 社会理解と経済リテラシーの向上
お金の流れ、仕事の価値、商品とサービスの関係性などを体験的に学ぶ機会を提供。
地域の大人との関わりを通じて、実社会の仕組みに対する理解や関心を高める。
⑥ 年齢・背景を超えた多様な交流の促進
未就学児から高校生までが同じ組織に所属することで、年齢や背景の異なる仲間との関わりを深め、多様性を受け入れ合う姿勢と人間関係の柔軟性を育てる。
こども同士の学び合いや支え合いが自然と生まれる構造になっている。
東松島市こども作品展
児童・生徒が日常生活や自然・社会との関わりの中で抱いた思いや発見を表現する場を提供し、感性豊かな創造力と自己表現力の育成を図る。
また、優秀作品を表彰することを通じて、努力や創意工夫が正当に評価される喜びや達成感を実感させ、自己肯定感や自己有用感の向上につなげる。
さらに、学習指導要領に沿った教育活動として、学校と地域が連携して子どもたちの成長を支える仕組みの一環としても位置づけている。
志合宿
未就学児から高校生までのこども実行委員が、宿泊型の共同生活・集団行動を通して他者との関わり方を学び、協働性や責任感を育てる。
仲間と「志(こころざし)」を共有する中で、自己理解と他者理解を深め、自分の役割に自信と誇りを持つことを目的とする。
また、企画・体験・振り返りを繰り返すプログラムにより、実践的な行動力、問題解決力、コミュニケーション力の向上を図る。
こどものまち「キミいろタウン」
こどもたち自身が職業体験や模擬経済活動に参加し、「働くこと」「お金の流れ」「社会の仕組み」を体験的に学ぶことを目的とする。
専用通貨「イ~ナコイン」を用いた仮想経済の中で、商品・サービスを提供し合うことを通じて、労働の価値、消費者の視点、流通の役割など、実社会の構造への理解を深める。
さらに、自由な発想と主体的な運営を促すことで、創造性・企画力・行動力を育て、こどもたちの多様な可能性を伸ばす地域教育の実践の場として機能している。
これまでの活動



【2023年度】「こども実行委員」設立と初年度の挑戦
令和5年度に、東松島市内の未就学児から高校生までで構成される「こども実行委員」が設立されました。
地域のまちづくりに子どもたちの視点を活かすことを目的に、月1回程度の定例会を重ねながら、以下の事業を自ら企画・実施しました。
・志合宿(松島自然の家)
防災ワークショップやスポーツ交流、炊き出し体験、防災食の実食などを通じ、役割認識と集団生活の基礎を学ぶ2日間の宿泊研修を実施。
・第1回 東松島市こども作品展
市内の小・中学生から書写・絵画など235作品の応募があり、審査を経て23作品を表彰。子どもたちの自己表現力を育む機会として、市内教育機関からも高い評価を得ました。
・創作おばけ屋敷
企画立案から演出・運営まで、こども実行委員が一貫して実施。地域の子どもたちや来場者との交流を深めました。
・こどものまち「キミいろタウン」
八百屋・パン屋・交番・病院など17の職業を子どもたち自身が考案し、模擬通貨「イ〜ナコイン」を用いた経済活動を体験。
来場者へ商品やサービスを提供する実践的なプログラムとして成功を収めました。
【2024年度】事業拡大と行政連携の深化
令和6年度は、こども実行委員の活動が市内に定着し、事業ごとに質的向上が図られました。
また、市や地元企業との連携も強化され、地域ぐるみの取り組みへと発展しています。
・創作おばけ屋敷(奥松島クラブハウス/盆栽まつり内)
地域イベントと連携し、こども実行委員による企画演出を展開。
来場者約500名を迎える盛況ぶりとなりました。
・志合宿(企業視察・表敬訪問)
木村土建、石巻青果市場など地域企業の現場を見学。
さらに、東松島市長への表敬訪問や道の駅「東松島」の視察も実施し、社会構造の理解と地域への当事者意識を高めました。
・第2回 東松島市こども作品展(東松島市共催)
前年度を上回る254作品の応募があり、45作品を表彰。
市との共催体制が整備され、表彰式も盛大に開催されました。
・こどものまち「キミいろタウン」
放送局・花屋・カフェ店員など16の職業を子どもたちが自ら設計し、再び大規模な模擬都市を運営。
保護者や地域住民を巻き込み、こどもの創造性と実行力を社会に伝える成果をあげました。
これまでの事業成果



子どもたちの自己肯定感・自己有用感の向上
- 自らがイベントを企画・運営する中で、「自分のアイディアが社会を動かした」「仲間と協力して形にできた」という達成感を経験。
- 「東松島市こども作品展」では、創作活動を通じて自分の表現が認められる場を得て、自信を育むことができた。
社会性・主体性の育成
- 志合宿やこどものまちの運営などを通じて、他者との協力、役割分担、責任感などを体験的に学習。
- おばけ屋敷やキミいろタウンでは、自ら考えた企画を実現する力(企画力・実行力)を育成。
地域との連携強化・多世代交流の創出
- 地域企業や市長、市職員との交流を通じて、子どもがまちづくりの一員として扱われる環境が整いつつある。
- 地域イベントとの連動により、保護者や高齢者を含む多世代の交流が生まれた。
継続的な仕組みの構築
- 年度をまたいだ継続的な活動により、「一過性のイベント」ではなく、「育成型の地域教育モデル」として機能。
- 年間12回の定例会を通じて、PDCA(計画・実行・評価・改善)を子ども自身が自然に身につけている。
行政との連携の深化と制度化への期待
- 第2回「こども作品展」では、東松島市と共催することで行政との協働体制が前進。
- 今後、こども実行委員の意見がまちづくり政策に活かされる可能性も広がっている。
事業の必要経費



■会議・活動運営費
こども実行委員が定期的に集まり、意見を出し合いながら企画を進めるための費用。
・会場使用料:公共施設や市民センター等の部屋代
・印刷費・文具代:資料印刷、付箋、模造紙、マーカー、筆記用具等
・軽食・飲料費:長時間の活動時の子ども向けのおやつや飲料の提供
・活動記録用品:写真撮影用のアルバム、記録ノート、ファイル等
■ 東松島市こども作品展関連費用
小中学生から作品を募集し、展示・表彰を行うための費用。
・募集チラシ・ポスター印刷費:学校配布用の案内文や広報用チラシ
・作品展示資材費:パネル、画鋲、イーゼル、掲示ボード等
・審査謝礼・交通費:審査員(書道や絵画の専門家など)への謝礼・交通費
・表彰状・副賞費:優秀作品への表彰状、記念品、図書カード等
・設営・撤去備品費:展示会場の装飾や養生テープ、工具など
■ 志合宿関連費用
こども実行委員向けの宿泊型学び・体験合宿のための費用。
・宿泊・食事代:会場施設費、1泊2日程度の食事代
・交通費:貸切バス、公共交通機関利用時の実費など
・活動保険料:万が一に備えた団体保険(レクリエーション保険等)
・講師謝礼・教材費:研修・体験プログラムの外部講師謝金、工作・体験教材
・雑費:名札、名簿、日程表、保護者向け案内書の印刷など
■ こどものまち「キミいろタウン」関連費用
模擬通貨を使ったこどもたちのまちづくり体験イベントの実施に必要な費用。
・模擬通貨制作費:オリジナル通貨(イ~ナコイン)や市民証、パスポート等
・ブース設営・装飾費:職業体験ブースのパネル、机、椅子、装飾用品等
・職業体験資材費:使い捨てエプロン、帽子、文房具、飲食物の材料など
・広報費:参加者募集用のチラシ、SNS広告、ポスター掲示など
・運営スタッフ備品費:スタッフ用Tシャツ、腕章、名札、タイムスケジュール表など
・会場利用料・備品レンタル費:体育館やホール等の使用料、音響・照明機材レンタル等
■ その他共通経費
事業全体にかかわる共通的な運営経費
・消耗品費:テープ、用紙、ゴミ袋、清掃道具など日常的な消耗品
・安全対策費:熱中症対策グッズ(ミストスプレー、冷却シート)、衛生用品(消毒液、マスク)等
・記録・報告用経費:活動報告書作成費、写真現像、動画編集、PR用小冊子など