
事業の目的



人とのつながりを育む教育
日本の伝統文化である「和装(着物)」を通じて、こどもから大人まで幅広い世代に“文化的教養”と“人とのつながり”を育むことを目的としています。
単に「着物を着る」体験にとどまらず、人間教育、文化継承、国際理解という広い視点を持ち、「和の心」を現代に生かす重要な学びの場を創出しています。
・伝統文化への理解と継承
着物や日本舞踊といった和の文化に触れる機会を提供し、伝統的な価値観や美意識を次世代に伝えます。
「美しい姿勢」「礼儀作法」「所作」など、内面と外面の両面から“和の美しさ”を体感する中で、日本人としてのアイデンティティを深めます。
・思いやりと感性を育てる教育的アプローチ
和装には「人を慈しみ、丁寧に接する」心が込められており、着物を身にまとうことで“思いやり”“節度”“敬意”といった感情が自然と育まれます。
体験型授業では、実際に着物を着て交流することで、子どもたちの感性・表現力・想像力が育ち、情緒の安定にもつながります。
・国際交流を通じた多文化理解と自己肯定感の醸成
着物という「世界から注目される日本文化」をツールに、海外との文化交流を展開しています。
外国人との交流を通して、日本文化に対する誇りや、自国の文化を紹介する力を育てるとともに、国際社会での自己肯定感や自信を持てるよう支援しています。
これまでの活動



2018年
東松島市を拠点に、未就学児から高校生までを対象とした和装教育活動を開始。
日本の伝統文化にふれる機会が少ないこどもたちに対し、着物の着付け体験を通じて、所作・礼儀・伝統美への関心と理解を深めるプログラムを展開。
2019年
より本格的な文化継承活動として、「日本文化継承」事業を本格始始動。
・親子を対象にした和装教室および日本舞踊教室を実施。世代間の交流を促進するとともに、「日本の伝統文化を親から子へ伝える機会」を創出。
・日本在住の外国人とその子どもを対象に、和装での観光プランを企画・実施。観光と文化体験を融合し、国際理解と相互尊重の促進につなげた。
2024年
コロナ禍による一時的な中断を経て、和装教育の再始動と拡充へ。
・東北大学グローバルラーニングセンターにて、海外からの留学生を対象とした着物体験授業を実施。日本文化に対する関心と親しみを育む国際交流プログラムとして好評を博した。
・こどもたちを対象に、着物の着方・茶道・礼儀作法・日本舞踊の総合的な体験プログラムを実施。学びの成果として、保護者の前で日本舞踊を披露する発表会も開催し、地域に根差した文化交流の場を創出した。
地域の子どもたちに「日本の心」を伝えると同時に、外国人との交流による多文化共生の礎を築く取り組みを継続してきました。
和装を切り口とする本事業は、単なる衣服体験を超え、国際理解・地域交流・情操教育・伝統継承を同時に達成できる貴重な地域資源として位置付けられます。
これまでの事業成果



こどもたちの情操教育と日本文化への理解の深化
- 着物の着付け体験や日本舞踊を通じて、こどもたちが「美しい所作」「礼儀」「表現力」「想像力」を自然に身につける機会となった。
- 学校教育だけでは得難い、伝統文化に根差した非認知能力(共感性・自己制御・協調性等)の向上につながった。
親子・世代間のつながりの強化
- 親子で参加する和装体験や日本舞踊教室により、家庭内のコミュニケーションが活性化。
- 祖父母世代の経験や知恵が活きる場面も多く、高齢世代と若年世代の世代間交流の機会が増加した。
地域住民との国際交流・多文化共生の実現
- 留学生への着物体験を通じて、地域の人々が「日本の文化を伝える側」となり、自信と誇りを得るきっかけとなった。
- 「和装」という視覚的にも親しみやすい文化を媒介とすることで、言葉の壁を越えた交流が生まれた。
地域文化の価値再発見と観光資源化への可能性
- 着物を「体験型の文化資源」として活用したことにより、文化と観光を結びつけた新たなまちづくりの視点が生まれた。
- 住民自身が地域文化の担い手として関わることで、地域アイデンティティの醸成と継承意識の向上が図られた。
子どもや参加者の自己肯定感・表現力の向上
- 自分で着物を着たり、日本舞踊を人前で披露する成功体験により、参加したこどもたちの自己肯定感や達成感が高まった。
- 発表会や交流イベントなどの場が、「人前で表現する力」「伝える力」を育む機会となった。
着物や道具の再活用による環境配慮と地域内循環
- 市民や全国から寄付された着物を活用しており、廃棄されがちな伝統衣装に新たな命を吹き込む取り組みとして、持続可能な社会づくりにも寄与。
和装教育事業は、「文化の継承」と「教育」「地域交流」「国際理解」を有機的に結びつけた、多面的な成果を生む社会教育活動です。
地域の人材や資源を活かしながら、次世代に確実に文化を手渡す仕組みづくりに貢献しています。
事業の必要経費



衣装・備品関連
- 着物・浴衣・帯・小物類(草履、かんざし等)の購入・補修費
- 着物や浴衣のクリーニング・メンテナンス費用
- 和装道具(着付け用の腰ひも、伊達締め、帯板など)の消耗品費
- 日本舞踊関連の衣装・扇子などの道具代
運搬・保管費
- 着物や舞踊用品などの運搬用の車両費またはレンタカー代
- 着物の保管に必要な収納ケース・衣装箱・防虫対策用品等
- 保管場所の賃料(倉庫や備品置き場として利用する場合)
講師・スタッフ人件費
- 和装講師、日本舞踊講師、着付け指導者の謝金
- 補助スタッフ(介助・誘導、子ども対応など)の人件費
- イベントや授業時のアシスタント費用
活動場所・会場費
- 学校や公民館など体験授業を行う場所の使用料
- 国際交流イベントやワークショップ会場のレンタル費用
広報・印刷・記録関連
- 事業案内パンフレットやチラシ等の印刷費
- 参加者募集のためのSNS・ウェブサイト運営費、広告費
- 活動の記録用の写真・動画撮影、編集費用
国際交流関連費
- 外国人参加者との交流イベントに伴う通訳・翻訳費
- 国際交流企画の運営費(例えばお茶・和菓子の用意など)
- 外国人向け資料の多言語印刷・配布費用
安全・衛生対策費
- 消毒用品、衛生備品、着付け時の安全用マット等の備品
- 体験参加者用の保険料(イベント保険・ボランティア保険等)