
事業の目的



誰もが自分らしくいられる、学校でも家でもない「第三の居場所」をつくる
現在、市原市でも不登校や行き渋り、さまざまな事情から学校に通うことが難しく、社会や地域から孤立してしまう子どもたちがいます。また、ワンオペ育児や経済的・精神的な困窮により、誰にも相談できずに悩みを抱え込む保護者の方も少なくありません。
学校に行けない・行かない選択をした子どもたちにとって、日中を安心して過ごせる場所、そして家族以外の人と温かくつながれる場所が決定的に不足しています。
独自の居場所「ウエルキャン」は、このような子どもたちと保護者の社会的孤立を防ぎ、誰もが「そのままの自分」で安心して過ごせる、学校でも家庭でもない『第三の居場所』をつくることを目的としています。
私たちが目指す3つのこと
1.子どもの笑顔と主体性を取り戻す
毎週水・金・土曜日に開所し、指示されたカリキュラムではなく、子どもたちが「自分で決めた過ごし方」を尊重します。ゲーム、読書、おしゃべり、何もしない時間も含め、安心できる環境の中で少しずつエネルギーを蓄え、自信と笑顔を取り戻すサポートをします。
2.「やってみたい!」を応援する豊かな体験を届ける
家庭の経済状況や環境に関わらず、すべての子どもたちに「修学旅行」や「体験学習」の機会を届けます。五感を刺激するリアルな体験を通じて、子どもたちの視野を広げ、未来を生きる力を育みます。
家族を孤立させない、保護者の伴走者になる
子どもだけでなく、悩みを抱える保護者がホッと一息つき、悩みを打ち明けられる場としても機能します。家庭全体を地域で包み込み、社会から孤立させないセーフティネットを構築します。
市原市ではフリースクール等への補助金制度も始まりましたが、一律の制度だけでは網羅できない、柔軟で温かい支援が現場にはまだ必要です。経済的な理由で利用を諦める人が出ないよう、誰もが等しく通える「無料または低価格での運営」を維持し、市原市における子どもたちの多様な育ちを支え、地域の未来を豊かに発展させていくことが、この事業の使命です。
⭐️事業の必要性と支援の役割
フリースクールや居場所があれば、子どもは「幸せ」になれるのでしょうか。
私たちは、そうは考えていません。
「居場所」という箱を作るだけでは、子どもたちの孤立や将来への不安が根本から消えるわけではありません。
場はどこまでも、子どもが自分自身の足で立ち、社会へ向けて歩み出すための「補助的な手段(ツール)」に過ぎないからです。
真に必要なのは、ただ「集まる場所」を維持することではなく、その場所を拠点として以下のような「自立への土台(社会的なセーフティネット)」を機能させ続けることです。
- 「孤立」を減らすセーフティネット
- 学校や家庭で行き詰まったとき、社会から完全に切断されないための「命綱」としての関わりを維持します。
- 自己決定を取り戻す「試行錯誤」の機会
- 大人から押し付けられる「正解」ではなく、自分の意志で選び、時に失敗しながら「できた」を積み重ねるための補助を行います。
- 社会や人との「ゆるやかな接続」
- 家族でも先生でもない「斜めの関係」の大人や仲間と出会い、社会に対する安心感と人間関係を築く練習をサポートします。
【皆さまからのご支援の使途と役割】
「ただ集まって過ごす空間」を守るためではなく、子どもたちが社会へ自立していくための補助機能を継続的に提供するために、毎月のご支援を活用させていただきます。
■ 月々 3,000円:【学び・体験ツールの補助】
- 使途: 子ども1人分の学習教材・創作ツール・ボードゲーム等の提供
- 役割: 不登校や孤立によって教育機会から遠ざかりがちな子どもへ、自分のペースで「好き」や興味・関心を深め、自走するための学びの道具を保障します。
■ 月々 5,000円:【専門ケア・寄付型利用の補助】
- 使途: 心理士等の専門職による個別サポート・家庭の孤立防止
- 役割: 寄付型利用(5,000円)で通う子どもたちへ、強い不安や複雑な生きづらさに寄り添う専門スタッフの関わりを維持し、家庭だけに負担を抱え込ませない専門的なセーフティネットを提供します。
■ 月々 10,000円:【月額コース「半額補助」給付型奨学金】
- 使途: 月額コース(20,000円/学習補助・心理士相談等)の利用料の半分を補填する奨学金
- 役割:
- 家庭の経済状況に関わらず、手厚い専門サポート(学習補助や心理士によるカウンセリング等)が必要な子どもがあきらめずに受けられるよう、利用料の半分(10,000円)を奨学金として直接補助します。
- すべてを無料で与えるのではなく、半分を社会の温かい手で支えることで、ご家庭の負担を軽減しつつ、子どもたちの自立への挑戦を強力に後押しします。
💡 この仕組みが持つ構造的な意味
- 圧倒的な透明性と具体性: ウエルキャンの月額コース(20,000円)に対し、毎月10,000円のご支援が「子ども1人分の専門サポート費用をちょうど半額にする奨学金」として直接機能します。
- 経済格差による体験・ケアの断絶を防ぐ: 家庭の事情によって専門的な心理ケアや学習支援から取り残される子どもを作らない、地域社会の安全網(セーフティネット)を皆さまと共に築きます。
これまでの活動



「学校に行けない」のは、子どものせいでも、保護者やご家庭のせいではありません。
ちょっと人一倍繊細だったり、集団の刺激が苦手だったりするだけで、学びや友だちと関わる機会、そして「ただそこにいて笑う」という当たり前の時間から、すっと遠ざけられてしまう子どもたちがいます。家と学校以外の選択肢が少ない地域の中で、家庭もまた「どうしていいかわからない」と孤立を深めてしまいがちです。
私たちが運営するウエルキャンは、子どもや保護者が「ありのままの自分でふらっと立ち寄れる」第三の居場所です。
1. 日常の居場所活動(毎週 月・水・金曜日)
子どもたちが自分のペースでエネルギーを蓄える、ウエルキャンの土台となる日常です。
エネルギーを失った子どもに必要なのは、評価やプレッシャーのない「安心できる時間」です。
- 「自分で選択する」体験による意欲の回復 無理に勉強や活動を強制せず、ボードゲーム、イラスト、読書、おしゃべりなど、自分の意志で過ごし方を決める体験を積み重ねます。この「決定権の回復」こそが、自己否定感から脱し、次のステップへ向かうエネルギーとなります。
- 食を通じた自然な心の交流 みんなでおやつを食べたり、突発的な調理イベント(ピザ作りなど)を行ったりと、食を通じて「指示・被指示の関係」ではない、フラットで温かい人間関係を築きます。
- 「やりたい」から始まる主体的な学び(ICT活用) 学習から長く離れてしまった子には、アニメやゲーム感覚で好奇心をくすぐる英語アプリ「マグナとふしぎの少女」などを導入。心がほぐれ、自発的な意欲が戻ってきた段階で、ICT教材「天神X」等を用いた教科書基準の遡り学習・先取り学習へと、本人のペースに合わせて滑らかにつなげていきます。
2. 子どもたちの世界を広げる「体験学習」
学校の枠を超え、五感を通して「新しい自分」や「興味」を発見する機会を作ります。
- [e-スポーツ体験]
市内の企業施設での『マインクラフト』やesports体験を通じ、対人緊張の強い子も自然と心がほぐれ、「できた!」という成功体験を積み重ねます。
- [表現・アート活動]
パステルアートや水彩画に加え、「ウエルキャンのロゴ制作ワークショップ」などを開催。自分のアイデアが形になる喜びと所属感を育みます。
- [自然体験・海釣り・デイキャンプ]
地元の海づり公園での海釣りや、デイキャンプ(BBQ・生きもの観察・食育講座)を実施。
五感を解放するとともに、多世代が関わりご家庭の中に温かい対話と新たな交流を生み出します。
3. 小さな成功体験と、かけがえのない思い出をつくる「季節の行事・校外学習・修学旅行へ」
「みんなと同じ体験ができた」という自信が、未来へ踏み出す力になります。
- [人と過ごす楽しさを取り戻す校外学習]
ボーリング大会や電車でのお出かけなど、身近なアクティビティを通して対人関係の緊張をほぐし、自立に向けた小さな練習を重ねます。
- [だれかを喜ばせる喜びを知る季節の行事]
クリスマス会やイベント「居場所フェスタ」では、子どもたちが準備側に回り、地域の方や保護者・来場する方々を温かく迎える体験を通して自己有用感を育みます。
- [いつか、みんなで「修学旅行」へ]
安心感と仲間との信頼関係が深まったその先で、子どもたちと一緒に修学旅行へ行くチャレンジをしたいと考えています。
一生ものの思い出から、誰一人取り残さないために一歩ずつ寄り添っていきます。
これまでの事業成果



1. 市内初・県内4例目の「子ども第三の居場所」としての定着
・少人数制・安心空間の確立:日本財団助成事業(市原市初)として開設し、毎週3日(月・水・金)の開所で1日平均20名程度が参加する「安心安全な地域の居場所」として定着しました。
- 多世代が交わる環境:毎月約2,000人が利用する市民活動拠点「ウエルコミ」内で実施することで、子ども・保護者・高齢者・市民活動団体など、多世代と自然に関われる環境を構築しました。
2. 子どもの「やってみたい」を形にする自己効力感の回復
- [主体的な挑戦の創出]
当事者の子ども自身が講師を務めるワークショップ(三色パステルアート等)や、子ども同士が秘密で練習して成果を披露するダンス発表会、マルシェへの出店(お店屋さん)など、「支援を受ける側」から「自分で発信・挑戦する側」への成長事例が複数生まれました。
- [Being(ただ居られること)からDoing(行動)へのステップ]
評価やメリットを求めずそのままの姿を尊重する場作り(ありのまま)から、いつの間にか安心でき(なんとかなる)、ワクワクから学びや挑戦につながる(やってみよう、ありがとう)心の循環(幸せの4因子)を実現しました。
3. 地域全体へ広がるネットワークと支援基盤の構築
- [地域ネットワークの立ち上げ]
2023年春に「子どもの学び・居場所ネットワークいちはら」を設立し、市内のフリースクールや居場所団体、行政と連携して情報交換や働きかけを行うハブ機能を果たしました。
[当事者目線に立った専門的アプローチ]
不登校当事者家族としての経験(子どもの不登校経験)や専門的視点を持つ専任スタッフを配置し、OODAループ(観察・状況判断・意思決定・実行)を用いた質の高い見守りと保護者相談体制を確立しました。
事業の必要経費



ウエルキャンを「誰一人取り残さない居場所」として運営し、子どもたちに豊かな体験を届け続けるためには、年間で約 660 万円 の経費が必要です。
市原市の補助金制度なども活用していますが、それだけではカバーできない以下の「3つの柱」を維持・発展させるために、皆様からの寄付金を大切に使わせていただきます。
1. 体験学習・修学旅行の実施費用:年間60万円
子どもたちの視野を広げ、生きる力を育む「リアルな体験」にかかる費用です。
不登校や学校に馴染めない状況は、決して子どもの「自己責任」や単なる「選択」ではありません。
集団生活の環境や刺激への過敏さなど、既存の学校システムとのミスマッチによって、学びや体験の機会から図らずも遠ざけられているのが実情です。
さらに、学校行事という機会を失うだけでなく、家庭の孤立や経済的な事情によって、家族と旅行や外出すら叶わない子どもたちが多く存在します。
学校でも、家庭でも体験が得られない「二重の機会損失」は、子どもの自己肯定感や社会への信頼を根底から奪ってしまいます。
体験から取り残され、孤立する子どもをゼロにするために。
家庭の経済状況に関わらず、すべての子どもが当たり前に社会とつながり、豊かな体験を得られるよう、交通費や教材費等の自己負担を最小限に抑えます。
- 主な内訳: 遠足や修学旅行の交通費(バスチャーター代など)、施設入場料、体験講座の講師謝礼、教材・道具代
2. 安心を支えるスタッフの人件費:年間 537万円
不登校や行き渋りなど、繊細な状況にある子どもたちに伴走するには、専門知識や経験を持ったスタッフが不可欠です。
また家庭全体の孤立を防ぐには、子どもへのケアと同時に「保護者の不安を受け止め、支える伴走者」も不可欠です。
しかし、公的助成金では人件費への充当が難しく、現場の善意に頼らざるを得ない構造的課題があります。
子どもと保護者がともに孤立せず、安心して頼れる質の高い居場所を継続するため、スタッフの安定雇用と適切な処遇に充てさせていただきます。
- 主な内訳: 日常のスタッフ(見守り・相談員)への謝礼・人件費、専門講師への謝礼
3. 居場所の維持・管理費:年間 63 万円
毎週月・水・金曜日に、子どもたちがいつでも安心してフラッと立ち寄り、自分のペースで安全に過ごせる環境を維持するための固定費です。
- 主な内訳: 昼食代、おやつ・飲料代、消耗品費(文房具やゲームなど)
目標金額とメッセージ
行政の手が届きにくい「すき間」を、地域の温かい手で埋めるために。
今回のSyncableでの募金では、まずは特に負担の大きい 人件費分相当517万円の達成を目指しています。
「行政や学校が対応すべきではないか」「なぜ民間の寄付が必要なのか」というご意見をいただくこともあります。
しかし、既存の制度や学校という枠組みに馴染めず、家庭でも孤立を深めてしまう子どもたちが、今この瞬間も地域の中に存在しています。
時には、だれにも相談できず、命を落とす選択にまで追い詰められてしまうことすらあります。
制度のスキマにこぼれ落ち、危機に瀕している子どもや保護者に手を差し伸べられるのが、私たちのような民間の第三の居場所です。
行政手続きの時間を待つ猶予すらない現場で、即座に受け皿となるには、地域の皆さまからの柔軟なご支援が欠かせません。
皆さまからのご寄付が集まるほど、各ご家庭の利用負担を下げることができ、経済的な理由で居場所をあきらめる子どもや保護者をゼロに近づけることができます。
「市原の子どもたちを、地域みんなで育てる」——子どもたちが安心して根を張り、自分らしく咲くための土台作りに、ぜひ温かいお力添えをお願いいたします。

