
事業の目的
2016年より日本財団の3カ年の助成を受けてスタートした、NPO 法人アーツイニシアティヴトウキョウ [ AIT/ エイト ] による、すべての子どもが夢や希望を持てる社会づくりを目指す、アートや表現を通じた自由な学びと、未知のものに出合う場づくりを行うプロジェクト。 児童入所施設や里親家庭、不登校児ほか、さまざまな環境下にある子どもと若者、大人の伴走者に向けた、鑑賞ワークショップや国内外のアーティストによるワークショップを実施するほか、子どもを取り巻くさまざまな社会課題や制度、より良い社会をつくるためのヒントについて共に学ぶレクチャーやシンポジウム、イベントを企画。現代アートの多様な表現や対話を通じて、子どもと福祉とアートの新しい可能性について考えていきます。
これまでの活動



▲アートの「生」の表現に触れる、おでかけプログラム
さまざまな環境下にある子どもや若者が、伴走する大人と一緒に、美術館や博物館、劇場や映画館などにお出かけします。アート作品や表現を目の前で鑑賞し、その体験によって感じたことを言葉にしたり意見を交換することで、想像する力や考えを人に伝える力を育てます。じっくりと作品や表現に向き合うことを通して、多様な価値観に触れ、新しい自分や今まで知らなかった世界に出合うきっかけをつくります。
▲国内外のアーティストや表現者による子ども向けの創作活動
国内外のアーティストや教育の専門家によるワークショップを行います。手や頭、身体を動かしたり、さまざまな創造活動の中で「体験すること」「思考すること」「表現すること」を通して子どもたちの創造力を刺激し、ひとりひとりが表現活動を楽しむ場をつくります。同時に、アーティストにとっても子どもとの関わりから新しい考えや視点が生まれるなど、相互に刺激し合う関係を大切にしています。
▲毎日の生活にアートを取り入れる
子どもたちの表現を取り入れた遊び心溢れるデザインや、子どもたちの身近な環境での作品展示など、日常にアートを取り入れるアイディアを展開します。アーティストの作品や、ワークショップで生まれた表現を施設や公共空間に設置したり、子どもとアーティストやデザイナーが恊働したグッズを制作するなど、目に見えるかたちで子どもたちの表現や発想を広げていきます。また、グッズや作品を購入することで、子どもたちをさまざまな形でサポートする新しい応援のカタチを作っていきます。
▲子どもたちのより良い未来について共に考え、共に学ぶ場
アーティストや教育の専門家、福祉施設職員やボランティアスタッフなど、立場や分野を超えた人たちが集い意見を交換しながら、共に学び合える場をつくります。例えば、社会的養護を経験した方々や、若者の自立支援のために活動する人たちと協働して、より良い社会づくりについて語り合うラウンドテーブルやシンポジウムを開催するなど、当事者の声を世の中に広く届けるための方法や、多分野の人同士の学びの場づくりとその可能性について探ります。また、AITのレジデンス(海外アーティスト・研究者招聘プログラム)や2001年より開講している現代アートの学校MADと連携し、海外のアーティストや研究者と一緒にプログラムを実施します。
これまでの事業成果
・森美術館「宇宙と芸術展:かぐや姫、ダ・ヴィンチ、チームラボ」展(2016)、森美術館「六本木クロッシング2019-つないでみる-」展(2019)など
・ イギリスのアーティストによるワークショップ「Translating Cities―街の翻訳」(2017)、Kosuge1-16による児童養護施設・星美ホームでのワークショップ「どんどこ! 巨大紙相撲」(2018)など
・ MADとの連携プログラム:フィフス・シーズン(オランダ)と和田昌宏による「ヘンゼルとグレーテルとおおきなサル」(2018)
事業の必要経費
100万円の寄付が集まると、こんなプログラムが実現できます!
dear Meでは、子どもたちとアーティスト、そして児童養護や福祉の専門家と築いてきたプログラムを継続するために、みなさまからの支援を募っています。
これから達成したいプログラム
1)子どもたちとの美術館鑑賞プログラムの実施
国内の美術館のエデュケーターの協力の下、さまざまな環境下にある子どもたちに向けた美術館鑑賞を実施します。鑑賞に伴奏する大人のファシリテーターの育成も行いながら、子どもも大人もお互いが見える「世界」の違いの面白さや多様さを発見できます。
2)現代アーティストによる、児童養護施設でのワークショップとレクチャーの実施
国内で活動する現代アーティストをゲストに招き、社会的養護下にいる子どもたちを対象にしたワークショップを開催します。楽しく創作するのみではなく、アーティストが社会を眺める視点を学び、「いま、ここから」世界を広げ、表現や発言することを通して、さまざまな考えや生き方に触れます。
3)海外から福祉とアートの専門家を招き、子ども・大人に向けた教育プログラムを実施
福祉とアートを結ぶ先鋭的なプログラムを実施する海外の団体や美術館からアーティストやキュレーターを招き、子どもたちを対象にワークショップを実施できます。また並行して、そうした活動の理念やその背景にある社会的状況を大人たちが学ぶ講座を開催し、多世代への「学び」を実施します。
4)教育プログラムMAD(Making Art Different)が受講できる社会的養護出身の若者の奨学生制度
AITが2001年から開講する現代アートの学校MADでは、福祉やアートの専門家を招く「フクシとアート」の講座をはじめ、現代アートの歴史や表現に関わるさまざまなレクチャーを実施しています。皆様からの支援の一部がアートを学びたい若者の奨学金に当てられることで、アートの専門的な知識に触れ、アートの仕事に携わる可能性を生み出します。