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SSJマンスリーサポート「シリア国内避難民支援–愛するあなたが戻る、その日まで–」

事業の目的

"お父さんに抱きしめてもらいたい..."

アフマドくん(9才)は父親の帰りを毎日待っています。アフマドくんの父ムハンマド・アリさんは2013年、ダマスカスのアサド政権の検問所で拘束され、その後、秘密刑務所に投獄されたまま7年間行方と安否が分かりません。

シリアでは、少なくとも148,191人の市民が恣意的に拘束され、刑務所に拘禁されている、または、行方が分かっていません。SSJのスタッフに対してアフマドくんは「お願いだからお父さんを連れ帰ってきて!お父さんに抱きしめてもらいたいんだ...」そう訴えました。

2020年10月よりSSJでは、このように愛する家族を強制的に失踪させられた、"国内避難民"を対象に人道・精神的な継続支援を展開します。

現在、SSJに寄せられる継続支援の金額に基づいて4家庭をサポートしています。この他に10家庭がSSJからの支援を既に待っており、皆様からのご寄付金額に準じ、随時支援家庭を拡大して行きます。SSJの支援家庭全てが、breadwinner(大黒柱)をアサド政権ないしはIS(イスラム国)に不当に拘束されており、シリア北部の国内避難民キャンプで最低限以下の避難生活を続けています。


シリアにおける拘禁者148,191人、刑務所における拷問死14,451人

シリアでは、2011年3月から2020年8月までの間、少なくとも148,191人の市民が不当に拘束され、現在も拘禁されているか、失踪している状況です。このうち、130,758人がアサド政権により拘禁されているという事実は特筆に値します。

国際的な話題性を持つIS(イスラム国)の残虐性が注目されてきたシリアですが、失踪者問題におけるISによる被害は5.8%に留まっており、なんとおよそ90%がアサド政権の手により実行されています。シリアにおける失踪者問題は、紛争下の混乱で市民の行方が分からない単なる行方不明とは異なり、「強制失踪」と呼ばれる事例です。

強制失踪とは、国家や政治組織が恣意的・強制的に市民を失踪させることです。強制失踪は社会全体・特定のコミュニティに恐怖を拡大し、支配するための戦術として主に軍事独裁政権国家で用いられてきました。シリアでは、主に人道支援者・医療従事者、人権活動家、弁護士がターゲットにされてきました。注意すべきは、アサド政権のターゲットは決して武器を手にする兵士では無いという点です。

アサド政権に拘束された市民は、秘密刑務所や拘禁施設に連行された後、圧倒的な拷問や性暴力に晒されることが分かっています。シリアでは、確認できるだけで14,451件の拷問死が報告されていますが、そのうち98%がアサド政権管轄下の施設で実行されたものです。

References: The Syrian Network for Human Rights, Human Rights Watch, Amnesty International, 山田一竹(2019)『広義のジェノサイドの発現を巡る一考察−シリア革命における民衆に対する殲滅行為を事例に−』


なぜ拘禁者の家族を支援する必要があるのか

この地獄のような状況は国際社会でも度々問題となっていますが、いまだ有効な対策が取られておらず、強制失踪した市民たちの安否は闇の中です。失踪者の数だけ、愛する家族がいます。強制失踪者の家族は、愛する者の行方が分からない上に、「ひどい拷問を受けているかもしれない」という想像を絶する精神的苦痛に悩まされています。強制失踪の期間は数ヶ月から数年に及びます。シリアでは、9年間愛する家族が失踪したままというケースも全く珍しくはありません。

多くの強制失踪者の家族は、自身たち家族も拘束される恐れがあるため国外へ難民として避難しています。しかし、依然として国外に出ることが出来ない家族も多く存在するのです。この国内で避難する強制失踪者の家族こそ、最も脆弱な存在であると私たちは考えます。

それは、先に述べた計り知れない精神的苦痛に加えて、家計を支える大黒柱が失踪したことによる経済的ダメージに苦しんでいるためです。シリアにおける強制失踪の被害者のほとんどが男性です。彼らの多くが家族を養ってきた大黒柱でした。そんな、父親や息子がある日突然、強制的に拘束されてしまえば、家族の収入源は途絶えてしまいます。国外に逃れた難民とは異なり、多くの避難民を受け入れるシリア北部は深刻な職業不足であり、残された女性が仕事を見つけることは非常に難しいのです。このように、シリア国内で避難民となる強制失踪者の家族たちは精神的・経済的に何重もの苦悩の中で懸命に生きています。

こうした背景を踏まえ、SSJでは、シリア国内に避難する強制失踪者の家族を対象にして、人道支援を展開することとなりました。本プロジェクトの目的は、大きく分けて2つあります。


目的1: シリア国内で避難する強制失踪者の家族のサポート

圧倒的な貧困と精神的苦痛の中で生きる家族に対して、以下の支援を行います。

1. 日々の生活費や子供の教育費を支援します

→食料や飲料水、医薬品や衛生用品、勉強道具から学費までニーズに合わせて支援物資を届けます。また、大黒柱を奪われている家庭では、幼い子供たちが学校ではなく働いていることがあるため、子供たちに教育を取り戻すことも目指します。

2. 季節のニーズに応じた緊急的な支援を届けます

 →例えば、冬に備えたテントの建て替え・毛布の配布など。

3. 精神的なサポートを行います

→日本からの支援は、物質的以上に、「遠くに自身たちを思ってくれている人々がいる」という精神的な支えとなることが、これまでのSSJの支援で明らかになっています。また、SSJスタッフが頻繁に顔らのテントに通い、対話と交流を繰り返すことで更なる安心感を与えることを目指します。SSJの人道支援は、完全密着型であり、支援対象を「裨益者」ではなく「家族」として考え、接します。


目的2:強制失踪問題のアドボカシとアーカイブ

日本メディアに取り上げられることのないシリアにおける強制失踪問題を、その当事者である被害者家族の声として、日本に届けます。そして、SSJにおいてアーカイブとして、それぞれのストーリーを蓄積して行きます。膨大な被害者の数ですが、それぞれに愛する家族がいることに光を当て、被害者当人の苦しみとその家族の苦しみを支援の中で集め、記録していきます。こうした活動は、現在進行形で続く強制失踪の抑止に繋がることはもちろん、紛争終結後の"移行期正義"においても、平和を築き上げるために重要な証拠となります。


SSJが支援する家族(2020年10月現在)


タイシール 一家

ナディーラさん、ライラちゃん(16才)、ヌールちゃん(13才)、リームちゃん(11才)、ムハンマドくん(10才)、アリくん(5才)、ウマルくん(4才)

強制失踪者:タイシール・リファアイさん(2015年にアサド政権により拘束)

・ナディーラさんは、2015年よりアサド政権に拘禁されているタイシールさんの妻であり、6人の母親です。ナディーラさんは「どのようなニュースでも構わないから、とにかく夫のことが知りたい」と涙ぐみます。そして、子供たちは毎日「お父さんは明日帰ってくるかもしれないね」と言います。ナディーラさんは子供たちが勉強するように、励まし続けます。「お父さんが帰ってきたとき、みんながたくさん学んで、学校でいい成績を収めていたら、とっても喜ぶはずよ」。子供たちは、その言葉を真摯に受け止め、父親が帰ってくる日を信じて、学校に通います。

ナディーラさんは、3人の弟を革命の中で政権に殺されており、経済的に頼れる親族が全く居ない状況ですが、政権の包囲殲滅作戦にさらされたホムス県出身の人々が多いこのキャンプでは“ごく一般的”なことなのです。ナディーラさんがタイシールさんに掛けた最後の言葉は、「このままでは政権に拘束されてしまう。すぐに家に戻って、すぐにここから逃げて欲しい」でした。タイシールさんは「もし、僕たちが皆逃げてしまったら、誰にこの国を預けることが出来るって言うんだ」と返答しました。これが2人の最後の会話となりました。革命以前はタイシールさんは野菜を売る小さな店を営んでいました。長女ライラちゃんはこう言います「昔は、私たちが困っている人たちを助けている側だった。でも今、私たちは大黒柱を奪われ、そして、住むところも奪われてしまった」。一家は、簡素なテントに身を寄せて暮らしています。

ナディーラさんは言います。「冬をこのテントでどう越したらいいのか全く分かりません。そして、一番大切なのは、子供たちの教育です。なんとか教育を続けさせたいと思っています」。

・一家からのメッセージ

私たちは、最愛の夫であり父親である--が生きて帰って来て、再び私たちと暮らせることを何よりも願います。私たちはすべての拘禁者がそれぞれの愛する家族の元に、家に戻って欲しいのです。そして、この膨大な拘束と拷問と処刑の責任を負う、アサド政権を代表とする全ての犯罪者が法により裁かれることを求めます。

ムハンマド・アリー 一家

イブティサームさん、ムハンマドくん(16才)、アブドゥルカリームくん(13才)、アフマドくん(9才)、マルワちゃん(9才)、サファちゃん(9才)

強制失踪者:ムハンマド・アリー・アル=ムライさん(2013年にアサド政権により拘束)

・イブティサームさんは、2013年に夫のムハンマド・アリーさんがアサド政権にアル=クタイファ検問所(ダマスカス近郊:アサド政権が運営するダマスカスと他県を繋ぐ巨大な検問所)で拘束され、秘密刑務所に投獄されたその時から、ムハンマド・アリーさんが決して帰ってくることはないと」と感じていました。イブティサームさんは、息子たちが「お父さん」と口にする時、心が砕けると言います。

イブディサームさんは、他の親がそうであるように、子供たちに何とか教育を受けてもらいたいと心から願っていますが、大黒柱を失い、避難生活の中で、極度の貧困に苦しむ一家では、子供たちを学校へ通わすことはどうしても叶いません。何とか子供たちに知識をつけてもらおうと、イブディサムさんは、空いた時間に日常的な知識を教えています。しかし、現実は厳しく、一家のムハンマドくんとアブドゥルカリームくんは、家計を少しでも助けるために、それぞれ建設現場と車の修理工場に働きに出ています。学校ではなく、過酷な労働現場で働く幼い息子たちを見ることは、「何重にも苦しみが増します」、そうイブティサームさんは嘆きます。

イブティサームさんは、ムハンマド・アリーさんが秘密刑務所で殺されてしまい、もう帰ってくることはないという最悪の状況を覚悟しており、子供たちにもそれを理解してもらうために準備をしています。しかし、長男ムハンマドくんは、「僕のお父さんは死んでいない!必ず帰ってくる!」と言います。

一家へのヒアリング中、アフマドくん(9才)は「お願いだからお父さんを連れ帰ってきて!お父さんに抱きしめてもらいたいんだ...」とSSJスタッフに必死に訴えました。自身も父親であるSSJスタッフのスラージュはあまりの悲しみで会話を続けることが出来なかったと言います。スラージュは「幼い子供が親の温もりを追い続けるほど苦しいことは無い。家族で日々を過ごすと言うたったそれだけのことが叶わず、奪われた父親の面影を心に抱き続けるアフマドの姿を見るだけで涙が溢れてきた」と記しています。

 

・一家からのメッセージ

私たちは、拘束されている父親の行方を知りたいです。そして、一刻も早く会いたいです。私たちは、ムハンマド・アリーと、数十万の人々の拘束の責任を負うアサド政権が訴追され処罰されることを心から望みます。すべてのシリアの子供達に正義がもたらせられることを願っています。


アリー 一家(2世帯)

ナハラさん、タイマさん(17才)、ムハンマドくん(13才)、ドゥハちゃん(10才)、アスィールちゃん(2才:タイマさんの娘)

強制失踪者:アリー・ハサン・アンマールさん(2017年にイスラム国により拘束)

・ナハラさんは、2017年からISIS(イスラム国)に、夫であるアリさんが拘束・逮捕されており、また、義理の息子(タイマさんの夫)も革命の中で亡くなっています。一家は大黒柱を完全に失っているため、ナハラさんが2家族の稼ぎ手となり、日々僅かながらのお金を得るために必死に働いている現状です。ナハラさんは、父親を失っている中で、特に子供たちの教育が続けられるかを何よりも心配していると言います。娘のドゥハちゃんはいつも大好きな父親の行方を知りたいと願いっています。そして、ドゥハちゃんは、ナハラさんがアリーさんの話をする時間が「何より特別で大好き」だと言います。

一家は、「いかなる情報でも構わないからお父さんに関する情報を知りたい」と言い、そして何よりもアリーさんをはじめシリアの全ての拘束者たちが無事に帰ってくる日を心から待ち望んでいます。

イブラヒーム 一家(2019年度より支援)

イブラヒームさん(父)、ムナさん(母)、アドナーンくん(15才)、ムスタファくん(12才)、ムハンマドくん(11才)、ユーセフくん(4才)

強制失踪者:アフマド・ハムドゥーシュさん(2014年にアサド政権により拘束)

・イブラヒームさんの妻である、ムナさんの弟アフマドさんは、2014年にアサド政権に拘束されて以来、行方が全く分からないでいます。ムナさんは「私の夫イブラヒームはハンディキャップを抱えているため、仕事をすることが出来ません。弟はそんな私たち一家にとっての大黒柱でした。2014年に政権のチェックポイントで拘束されてから6年その行方がわからないことは、精神的に、そして経済的に私たち一家を追い詰めてきました。アフマドの最後の言葉は、『イード休暇に会いに来るよ』でしたが、そのイード休暇もその次のイード休暇もアフマドが来ることはありませんでした。イード休暇は私たち家族の祝福の時間でしたが、それ以来、私たちは決して幸せなイードを迎えることはありません。」と涙ぐみながら伝えました。ムナさんとイブラヒームさんの息子アドナーンくんは「アフマド叔父さんは殺されしまった」と呟きました。「避難民キャンプの友達の多くの家族が政権に拘束されていて、政権の刑務所に拘禁された者は酷く拷問されて殺されるか、処刑されんだって皆が言っている。叔父さんが捕まってもう7年だ。」と付け加えます。ムナさんは、それを聞き泣き崩れました。子供たちは言いました。「お母さんは、いつもアフマド叔父さんのことを話す時、泣いちゃうんだ」。

 

・一家からのメッセージ

涙は私たち拘禁者の家族の人生の一部となりました。悲しみは私たちの忠誠な友達です。どんな時も私たちから離れることはありません。どこに避難しても、どのテントで暮らしても。どうか、アフドが私たちの元に無事に帰ってきますように。そして全ての拘束者が解放されますように。

愛する家族を奪われ、今日を不安の中で懸命に生きる家族を支えるために、皆様どうか毎月のご寄付をご検討ください。


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コーディネーター:ムハンナド・ガッバーシュ (SSJ人権保護事業マネージャー・リサーチャー)

監修:山田一竹(SSJ理事長&東京大学大学院博士課程[シリア強制失踪・拷問問題研究])

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これまでの活動

・2019年度のマンスリー 支援はこちらから

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これまでの事業成果

◎マンスリーサポーターの皆様に、現地からの写真付きのマンスリーレターをお届けしております。このレターにおいて支援金の用途や各家庭の様子をお伝えしております。

※マンスリーレターは1000円以上のご寄付をご選択いただいた方のみへの配送となります。ご理解・ご協力をお願いいたします。

 


◎ご寄付は、インターネット上から数分で申し込みが可能です。その後は、ご指定のクレジットカードより毎月自動引き落としとなりますので、毎月の振込や設定は不要でございます。

※JCB/AMEX/DINERSはご利用いただけませんので、別のカードをお手元にご用意ください。

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https://standwithsyriajp.com/

代表:山田一竹

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