私たちの取り組む課題
2017年4月の団体設立から2年の活動を経て、2019年5月、特定非営利活動法人(NPO法人)として承認されました。
Stand with Syria Japan (SSJ)は、シリア危機を専門とする日本で唯一のNPO法人です。
現在、3つのプロジェクトを中心的に展開しています。
1.シリア国内での人道支援(マンスリーサポート)
シリア国内の緊急的な人道危機に対応するための緊急支援、
さらに継続的にシリア国内に暮らす困窮するシリア人家庭を支援する、2つのプロジェクトを展開。
2.シリア危機に対する関心の向上と意識変革
日本におけるシリア危機の関心向上・意識変革のため、
講演会、映画上映会、学術シンポジウム、展覧会、芸術・文化交流など「シリア・イベント」の開催・運営。
※イベントには必ず当事者であるシリア人をゲスト講師として迎えています。
→ 2018年度実績の一例:「シリア、戦場のピアニスト初来日プロジェクト」
https://standwithsyriajp.com/2018/05/29/aeham_ahmad_japan_official_report/
3.シリアの人権問題のアドボカシー
シリア危機を公平に理解するため、特にシリアで発生する人権問題に焦点を当て、情報発信・提言を行う。
また、適切な対シリア政策を求め、日本政府・民間企業に対しても、政策提言・協力要請をする。
なぜこの課題に取り組むか
SSJは、現在進行形で進むシリアにおける殺戮と破壊に、この日本から何とか応答したいと願う学生が中心となり設立されました。シリア危機を懸命に生きる人びとに「私たちはあなた方と共にある」という「連帯」が団体名、そして活動に込められています。
シリア危機は9年目を迎えています。これまで40万人以上の尊い命が奪われ、1100万人以上の人びとが家を追われ国内外で避難生活を強いられています。
現在もシリア北西部のイドリブ県南部とハマ県北部では、アサド政権側勢力による激しい空爆が行われており、市民の生存が脅かされています。
今世紀最悪の人道危機と称されるシリア危機は依然終わりを迎えていません。
危機の中心地から遠く離れた日本に暮らす私たちは、この圧倒的な破壊と殺傷の現実を、「遠い国の話」として、あるいは、単なる「犠牲者数」の問題としてのみ捉えがちです。
彼ら一人ひとりに名前があり、愛する人がいて、夢がありました。私たちと何ら変わりのない人間が空爆、飢餓、処刑により亡くなっているのです。
残念ながら日本に暮らす私たちには、このような事実に向き合い、そして考える機会はほとんどありません。
SSJが活動を開始する以前、日本におけるシリア危機を巡る報道は「戦況」に偏り、シリア人の「生の声」を知る機会もほとんどありませんでした。
SSJでは、このような状況の打開すべく、関心向上・意識変革を目指す活動、そして単なる物資支援ではなく、日本からの「連帯」を込めた「市民に寄り添う」支援活動を展開して来ました。
この2年、状況は改善されて来ていますが、依然としてシリアは「遠い国の話」として理解され、そして、シリア危機は一向に終わりを迎えません。
日本に暮らす人びとが、シリア危機を懸命に生きる人びとの苦しみを、同じ人間の問題として捉えられることが出来るように。
そして多くの方が、彼らに寄り添う支援にお力を貸してくださるように。
私たちは挑戦を続けなければならないのです。
寄付金の使い道
皆様よりいただいたご寄付はマンスリーサポート事業に充当させていただきます。
必要とされる"ニーズ"の一例
・補聴器(3万円)
・治療のための通院(1回6,000円)
・1ヶ月食費[3人家族](17,000円)
・安全な飲料水を飲むための貯水タンク(23,000円)
・タンクに給水するお金(1回250円x月5回=1,250円)
・半自動洗濯機(11,300円)
2019年5月現在.
これらのニーズは、月ごとに大きく変化します(天候、子どもの成長、戦闘状況)。
SSJでは、2名のシリア現地スタッフが、定期的に家庭を訪問しインタビューを行うことで、彼らが最も必要とする支援に寄付金を使用します。
現地と深く関わるNPO法人だからこそ出来る安全かつニーズに見合った柔軟で、支援側の押し付けではない継続的なサポートとなります。