事業の目的
本事業は2020年9月で終了しております。
2020年度の新しいマンスリー サポートはこちらとなります。
https://syncable.biz/associate/SSJ/businesses/273#
甚大な被害をもたらし続けるシリア危機。SSJでは、これまで非常時に対応するため単発的な緊急人道支援を展開して参りました。
しかしながら、多くの人へ一定の支援を届ける緊急支援では、支援の後の彼らの日常生活やそれぞれが本当に必要としているニーズに応えることが難しいのが現実です。
SSJでは、このような事態を鑑みて、活動理念である「最も抑圧される市民一人ひとりに寄り添う」ために、シリア北部に居住する5つの家庭へ、継続的に毎月支援を届ける「マンスリー・サポートプロジェクト」(月次寄付)を開始します。
どの家庭も、シリア紛争による深刻な被害の中を懸命に生きておりますが、その生活は"人間としての尊厳"を保つことが出来ないほど厳しいものです。私たちは、それぞれのパーソナル・ストーリーに基づき、彼ら自身が必要とする支援を確実に届けます。
本プロジェクトは2種類に分類されます。
(1)定期的支援キット:長期的な支援を必要とする3つの家庭が対象 (1年間の継続支援)
(2)緊急支援キット:シリア国内の避難民キャンプで緊急的な状況に置かれる2つの家庭、または、個人が対象 (1-2ヶ月間毎)
SSJでは、現地で2名の現地スタッフが勤務しており、皆様からいただいたご支援を確実に各家庭に届けます。そして、常に変動する彼らのニーズ(気候、時期、子どもの成長etc)に柔軟かつ確実に対応するために、定期的に家庭を訪問しインタビューを行います。現地と深く関わるNPO法人だからこそ出来る安全かつニーズに見合った、押し付けではない継続的な支援です。
彼らが安全に暮らすためには、もちろん崩壊したシリアを再建することが欠かせません。しかし、依然として破壊と殺戮が終わらない現状の中、
まずは何よりも、彼らが明日を生き延びること。私たちと共に、シリア危機を懸命に生きる人びとへ寄り添っていただけないでしょうか?
遠く離れたこの日本から、彼らが最も必要とする支援を継続的に届けることは、やがて彼らの人間としての尊厳の回復にも繋がると信じています。
このプロジェクトは、単なる支援とは異なります。支援先の5つの家庭(個人)の詳細なストーリーを紹介するため、サポーターの皆様は、彼らが置かれる実際の厳しい現実、シリア危機に対するご理解も深めていただくことが出来ます。
また、サポーターの皆様にお送りするマンスリーレターには、現地スタッフによる報告や支援を届ける家族の"リアル"な様子が写真と共に収めらています。
今世紀最悪と言われる圧倒的なシリア危機ですが、そこには懸命に生きようとする人びとがおり、一人ひとりの物語があるのです。そうであるならば、私たちもまた、一人ひとりが出来る範囲で支援をする必要があるのではないでしょうか。
「シリア危機は複雑だけど...何か出来ることをしたい」という方から、「シリア支援をしたいが、緊急支援では本当に助けになっているのか分からない」という方まで、お勧めのプロジェクトとなっております。私たちとシリア人が"同じ人としての繋がり"を認識することが出来る、その様なプロジェクトです。
支援先家庭のご紹介
<シリア危機を生きる人びとのストーリ>
ストーリー1(1年間の継続支援)
リーム(14才)と彼女の家族はアレッポに住んでおり、彼女は学校にも通っていました。しかし、戦争が勃発し状況は一変。父親はハマにある彼らの家を目標とした砲撃で亡くなり、母親は3才の娘を産んだ後に行方不明となりました。
現在、リームとその2人の妹(12才と3才)はアレッポ西側のぼろぼろのテントで、叔父さんと叔母さんとともに少しの食料と夢を共有しながら生活しています。
彼らのテントは衣類で作られています。そのため、雨が浸透したり、強風では吹き飛ばされてしまいます。もちろんこのテントは、身を切るような寒さや湿気からも家族を守ることはありません。そして、家族は暖冷房器具を持っていません。さらに、シャワーを浴びる設備も整っていません。
"貧困に苦しむうえに、洋服でできたテントの中で寒さをしのがないといけないのは、最も辛いことです"。そうリームは言います。
彼らの叔父さんと叔母さんは、自身らも貧困に苦しみ、苦境に立たされているにも関わらず、彼らの面倒を見ています。彼らには安全な水も3才の妹にあげるミルクを買うお金もありません。
12才の妹は戦争で怪我を負い、その怪我が痛むそうです。それでも少しでもお金を稼ぐため、リームは12才の妹と一緒に叔父さんと小さな畑を耕す仕事をしています。一日の稼ぎは、パンを1パック買うのでやっとです。
戦争で教育の機会を失ったたくさんの他の子ども達と同じように彼女たちもまた、暖かい家に住み、彼女の友達のように学校へ行くことを夢見ています。
◎彼らが必要としているもののリスト
- 食料のためのお金(最低15,000円/1ヶ月)
- 安全な飲み水のためのお金(1000Lの貯水タンク23,000円、タンクへの給水1,250円/1ヶ月)
- 3才の妹のためのミルク(2,700円/1ヶ月)
- 住環境を整えるための費用(12,000円で新しいテントを購入できます)
→ 彼らは月6000円で家を借りることができ、テントでの生活から抜け出せます
- 新しいマットレスやブランケットなどの寝具(5,500円)
- 不足する清掃用具(2200円/2ヶ月)
- 姉妹が学校へ行くための資金(鞄、教科書、文具。1人3000円から就学準備がスタートできます)
- 姉妹の新しい衣服(8,000円)
ストーリー3(1年間の継続支援)
家族は、アレッポ県のマアラート・アルティーク村に暮らしています。
一家の父親は恒久的な身体障害に苦しんでおり、自力で歩行することが出来ないため、働くことが出来きません。母親は母親は学校で清掃員として働いて少しでも生活費を捻出しようとしています。
彼らには5人の子ども(男の子4人、女の子1人)がおり、その収入は全く十分ではありません。
一番上の男の子は15才で自動車整備士として働いています。2番目の子は12才、3番目の子は9才です。
一人娘を養う資金がこの家族には無いため、彼女はもうすぐ結婚します。彼女は、15才ですが、結婚をすれば両親が生活費を負担しなくて済むのです。
子供たちは誰も学校には通えていません。
◎彼らが必要としているもののリスト
- 新しい車椅子(現在の車椅子は古く、壊れる寸前です)
- 子どもたちが勉強を続けるための必要最低限の道具
- オムツ
- 赤ちゃん用のミルク
- 新しい衣類
ストーリー4(1-2ヶ月)
オマール一家はシリア西部の都市ホムスから避難ており、現在北部の国内避難民キャンプのテントで暮らしています。このキャンプの居住環境は非常に悪く、一家は避難をした後も様々な困難を乗り越えて来なければなりませんでした。
一家の父親(オマール、50歳)で緑内障と網膜症(目の中の網膜に生じる障害で視力が低下する病気)により視力低下に苦しんでおり、働くことが出来ないでいます。
母親はホムス市で2014年、アサド政権によって理由もないまま逮捕されて以来、行方が分からないでいます。長男のキナーンは15歳ですが、農業の仕事をしており、一家を支えようと懸命に働いています。次男のターレク(9歳)は、失禁症と神経の病気を患っています。
オマールは言います。「私たちは空爆で全てを失いました。何も持たず家から逃げたため、ターレクの神経症の詳細は全く分からないでいます。避難で所持金は底をつきました。お金がないため、薬を買うことも出来ないでいます。」
オマールは、暗闇では完全に視力を失ってしまうため、テント内を照らす照明灯とバッテリー*を必要としています。そして、オマールの薬、ターレクのオムツも不足しています。
さらに、お金があれば、「ターレクの神経症について医者による診断を受けたい」、とオマール一家は願っています。
*テントの中に電気が通っていないため、バッテリーが必要となります。バッテリーがあれば、キャンプにある発電機で常に電荷が可能となります。
◎彼らが必要としているもののリスト
- 照明とバッテリー(10,000円)
- オムツ(2,000円)
- 薬(8,000円)
-------
担当
・NPO法人 Stand with Syria Japan マーセム・アガー (プロジェクト・コーディネーター)
・NPO法人 Stand with Syria Japan 山田一竹 (CEO)
これまでの事業成果
◎マンスリーサポーターの皆様には、現地からの写真付きのマンスリーレターをお届けし、支援金の用途や各家庭の様子をお伝えします。
※マンスリーレターは1000円以上のご寄付をご選択いただいた方のみへの配送となりますので、ご理解・ご協力をお願いいたします。
ご寄付は、インターネット上から数分で申し込みが可能です。その後は、ご指定のクレジットカードより毎月自動引き落としとなりますので、毎月の振込や設定は不要でございます。
※JCB/AMEX/DINERSはご利用いただけませんので、別のカードをお手元にご用意ください。
事業の必要経費
皆様のご寄付で叶うこと(支援対象の5家庭)
- 月3,000円で赤ちゃんのミルクが買うことができ、お腹を空かせて苦しむことがなくなります
- 月3,000円で学校に通えない子供達たちが勉強を続けるためのサポートができます
- 月6,000円でボロボロのテントでの生活から抜け出しアパートを借り、暑さや寒さをしのぐことができます
- 月15,000円~27,000円で一家族が飢えをしのぎ、何とかお腹を満たすことができます
- 5,600円で歩行障害と筋萎縮に苦しむ女の子が病院に行き理学医療の治療を受けられます
- 11,300円で重度の関節炎で苦しむお母さんに半自動洗濯機を贈ることができます
- 23,000円で貯水タンクを購入し一家族が毎日安全な水を飲むことができます
- 27,000円で聴覚障害のある男の子が音を手に入れ、「友達と上手く話したい」という夢を叶えることができます
(上記のストーリより一部抜粋、2019年5月現在)
現時点では、支援の対象を5家族としていますが、皆さまからの毎月のご寄付の合計金額によりまして、その対象を5家族から10家族、20家族へ、さらに広げていくことも可能となります。
現在、必要とされているニーズを満たすには、毎月300,250円が必要となります。現在、圧倒的に寄付金が不足している状況です。
支援プロジェクト運営面
- 物資購入費(支援物資の購入時に発生する諸費用|運搬費|諸手続き費など)
- 人件費(現地スタッフの作業に必要な費用[交通費・通信・報酬])
- 広報費(ウェブページ・パンフレット費用|デザイン料|レポート作成費)
- 国際送金費(送金手数料|両替手数料)
- イベント費(現地報告や支援報告会など)