事業の目的
成長・発達段階にあるラオスの子どもたちが、食品の栄養&調理の際の衛生について知識を身につけ、学校菜園や養魚池で”食べること”に自分たちで取り組むプロジェクトを計画しています。
参加した子どもたちは、誰かに何かをしてもらう・・のではなく、実践を通して自分たちでやっていこう、と成長していきます。
<プロジェクト詳細>
ラオス南部サラワン県の少数民族の幼児・児童は発育が不十分*という課題があります。
身長・体重が同年齢のラオス全国平均と比べて低く、幼児期の不十分な発育は、以降の成長にも影響をもたらします。
*ACD(ラオスにおけるAEFAのパートナーNGO)調査に基づく
これは、家庭の厳しい経済状況に加え、少数民族特有の課題が原因として考えられます。
ー山岳部の為耕作地が十分でなく、多様な農作物を十分に採集することができない
ー経済的困窮でタンパク質等、発育に不可欠な栄養素を有する食品を摂取できない
また、ラオスの伝統的な食習慣は、主食のもち米が中心。栄養のバランス、という知識や考えが親世代にないことも原因です。
ー保護者が生計のための農作業や食料採集に多忙で、幼児の世話は10歳未満の児童が担うことが多い(いわゆるヤングケアラー)
ー栄養素や栄養価を効果的に摂取する調理法に関する知識もない
(野菜を長時間茹で、栄養素が出た茹で汁を捨ててしまったり、油で炒めるなど食材を組み合わせて栄養を効率的にとる方法を知らない)
これまでの活動
これまで、ラオス山岳少数民族の子どもたちの小学校で、高学年児童(お兄ちゃんお姉ちゃん先生)による
・幼児の識字教育
・保健衛生教育
(幼稚園がない村で、家族以外の人との交流が無く社会性のない幼児が、
”学校へ行くことは楽しいこと”と認識したり、ラオス語に慣れ親しんでおくことで、小学校入学後の問題(いわゆる、小1プロブレム)を減らし
退学せずに修了できる基盤を支援する「CRP - Child Rights Promotion- 子どものリーダーシップ育成プログラム」を継続してきました。
子どもはだれでも、学ぶ権利、自分の可能性や能力を最大限に伸ばしていく権利があります。
https://www.nippon-aefa.org/education/
これまでの事業成果
「CRP 子どものリーダーシップ育成プログラム」に参加した幼児はもちろんのこと、「お兄ちゃんお姉ちゃん先生」として活躍した児童は、課題解決の為考えたり意見を発表したり、周囲と協調して行動していくリーダーシップを身につけます。
子どもたちの活動を目の当たりにした保護者や地域住民の意識も変わり、”教育の大切さ”を理解します。
たとえば、パヌアン村では、幼児教育の重要性を理解した村人が行政へ陳情、実際に「幼稚園」が建設されました。
2020年度には、AEFAプロジェクトとして小学校の建替えプロジェクトも実現。
このように、地域に教育支援プロジェクトを通して、良いサイクルが生まれていきます。
事業の必要経費
US$ 23,000/1年間/3校
(@130円の場合 300万円)
1.“リトル&ジュニアシェフ”(プロジェクトに参加する児童・生徒)を選抜
2.栄養素について(はたらき・役割・食品例)学ぶ
3.「学校菜園」「養魚池」をつくり、農業技術を学ぶ
4.「移動キッチン」(簡易かまどなど)で調理実習
-知識の実践とともに、学校給食として食事がとれるので、学校へ来る理由にもなる
5.“手洗い”運動、清潔な水や食器を使うなど基本的な保健衛生を身に着ける
6.子どもたちの変化のモニタリングおよびプログラム評価、次年度以降の改善に反映
プロジェクト対象校は、ラオス南部サラワン県の小中学校3校
児童・生徒321名
および間接的な受益者1500名 / 教員50名
*地域の状況・課題および教育プログラムを推進できる教員等の体制から適切な学校を選定