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「つながる海の未来と鯨の命、つづける支援。」ストランディングネットワーク北海道・継続寄付キャンペーン

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ヘイゴロウ観察日記

2025/6/21 13:19

ヘイゴロウ観察日記 Main Visual

なにかと死亡個体の調査をしているイメージのある我々ですが,実は生きている個体を調査対象にすることもあるんです!今回は我々が保護したとあるネズミイルカのお話をお届けします。


函館市南茅部地域では,定置網漁業によるネズミイルカの混獲(=漁獲対象ではない種が誤って漁獲されてしまうこと)が発生します。我々は毎年4-5月になると定置網漁船に同乗させていただき,混獲個体を保護する調査をしています。生存した個体は実験所の仮設水槽で一週間ほど飼育したのち放流し,亡くなってしまった個体については解剖によって個体が遺してくれた様々な情報を収集します。


2024年4月8日,ちょうど当年の調査初日のことでした。乗船中の調査員からネズミイルカ3頭の混獲が報告され,他メンバーに緊張が走ります。介護の結果,うち2頭は死亡してしまい,生存したのは1頭のみ。ぴったり壁に沿うようにして泳ぐ様子が特徴的なその個体は,後輩の提案で「ヘイゴロウ」と命名されました。ちなみに,これは某超次元サッカーアニメの登場キャラクター「壁〇塀吾郎」にあやかった名前なのだとか。良いディフェンスを見せてくれそうな予感がします。


一週間,ヘイゴロウとの共同生活が始まります。お世話係の最重要ミッションは「給餌」。ネズミイルカの大好物は「イカナゴ」という小さな魚です。イカナゴは漁獲されても売り物にならないことが多く,お世話になっている漁師の皆さんがイルカ用に分けてくださいます。

通常はイルカの遊泳ルートを予測して,ちょうど良いタイミングでイルカの進行方向にイカナゴを投げ込んで給餌を試みます。…が,一度イカナゴが底に沈んでしまうと,なかなか食べてくれません。そこで,水面でイカナゴをチラつかせ,近寄ってきたイルカが口を開いた瞬間に手放して給餌することにします。この方法だと警戒心から中々近寄ってくれない個体も多いのですが,ヘイゴロウは初日からあっさり近寄ってきてくれました。たぶん食いしん坊です。


こちらは保護から間もない頃の給餌の様子。

ジリジリ……

アーン

ア"ーーーーーーーー!!!!!

下手です(私が)。うっかり嚙まれないようにイルカがイカナゴに接触する前にリリースするのですが,リリースが早すぎるとこんな風にタイミングが合わず,お互いの間に20秒くらい気まずい時間が流れます。


続いて放流前日の給餌の様子。

お互いにタイミングがわかってきて,スムーズに給餌できるようになりました。ヘイゴロウの食欲は凄まじく,漁師さんから頂いたイカナゴが尽きて(私のお昼ご飯になる予定だった)ホッケやニシンがヘイゴロウの胃袋に吸い込まれていく日も少なくありませんでした。

メンテナンスのため水槽に近寄ると,すぐに近寄ってくるヘイゴロウ。人間の手に魚が握られていないことを確認すると,一瞥をくれて去っていくのでした。一時的に飼育しているとはいえ野生動物ですから,特段絆が生まれることもなく,人間のことは「やや不規則な動きをする給餌マシン」か何かだと思っている様子(それでいいのです)。


写真は放流時の様子,中央に小さな背ビレが見えます。元気よく泳いで海へ帰っていったヘイゴロウ。食い意地のあまり再び網にかかってしまうのではないかと,放流から1年以上経つ今でもちょっぴり気がかりです。これからは網の外でごはん探すんだよ…!


(S)


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Representative:松石隆

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