もし浜辺に座礁しているイルカ・クジラを見つけたら
2025/6/10 09:30

イルカやクジラの座礁・漂着・混獲・河川港湾への迷入など、通常の生息状態ではない状態にあることを寄鯨(ストランディング)と言います。生きたまま座礁・迷入した場合は,うまく扱えば命を救うことが出来ることもあります。
寄鯨を見つけたら,以下の様に対処してください。
1. 生存しているかどうか確認してください。
2. 写真を撮ってください。全身,頭部,口,腹,背びれ,尾びれ,状況など。全身写真は,メジャーやペットボトルを写真に入れて大きさがわかる様に工夫してください。
3. 体長をなるべく正確に測ってください。
体長はメジャーで測れると一番良いですが,メジャーがない場合は,ペットボトルの高さ (500ml=約20cm,2L=約30cm) を利用して測ることもできます。体長の測定は,その後の対処の準備に重要です。なるべく正確に測定してください。
4. 北海道内の場合,ストランディングネットワーク北海道SNHの通報窓口 北海道いるかくじら110番へご連絡下さい。通報専用電話 090-1380-2336 公式LINEアカウントもあります。役場等への連絡はSNHから行います。(道外の連絡先はこの記事の下に書いてあります。)
特に座礁した個体が生きている場合は,注意が必要です。
- イルカ・クジラが呼吸ができている限り,数時間水に浸かっていなくても生命に関わることはありません。「一刻も早く‥」などと考えず,まずはおちついて行動してください。
- イルカ・クジラが落ち着くまで近づいたり触ったりしてはいけません。むやみに近づいたり触ったりするとパニックで溺水することがあり,生命に関わります。
- 呼気から救助者が感染することも想定されます。むやみに近づいてはいけません。
- 背中の穴(噴気孔)から呼吸しています。噴気孔に水を入れると窒息してしまいます。水を掛けるときは十分注意してください。
- イルカ・クジラが落ち着いた後,できればマスクをするなどして感染症対策をしてゆっくり静かに近づき,体に濡らしたタオルを掛けてあげると,不必要な乾燥を防ぐことができます。その時に噴気孔を覆わないようにしてください。多少乾燥しても,命に関わることはありません。
- 日差しが強い場合は,パラソルなどで影を作ってあげるのが理想です。
時々,浜辺に打ち上がったイルカを沖に押し返している場面をメディアで見ることがありますが,打ち上がって間もないイルカ・クジラに大勢で近づき,触っったりするとパニックをおこして溺水することがあります。一刻も早く海に帰そうとするとかえって生命に関わります。行動に移す前に専門家の指示を仰いでください。
上のイラストをA3判に印刷したポスターを用意しています。道内の方でご希望の方はSNHにご連絡ください。特に,海水浴場,サーフィンショップや釣具店などに掲示いただけますと幸いです。
※北海道以外の場合は,以下へ連絡してください。
鯨類漂着一般:国立科学博物館 Tel: 029-853-8901 (担当:田島木綿子先生)
ヒゲクジラの混獲・漂着:日本鯨類研究所 Tel: 03-3536-6521
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