味の箱船食材の紹介②「天龍村の柚餅子」
2023/7/13 13:52
本日も「味の箱船」に登録されている食材について紹介します!
今日は「天龍村の柚餅子(ゆべし)」です。
皆さんは、「柚餅子」と聞いて思い浮かべる物は何ですか?
知らない!という方も多いと思いますし、知っているという方は「クルミの入った、ゆず風味の四角い餅菓子」をイメージする方も多いのではないでしょうか。
一方、今回紹介する味の箱船に登録されている「柚餅子」は、起源が戦国時代にある、保存食の一つとして親しまれてきた物です。
ゆずの中身をくり抜き、皮の器の中に、砂糖やクルミ、ごま等を混ぜ合わせた「練り味噌」を詰め込み、2時間ほど蒸した後、自然乾燥で約2〜3ヶ月かけて一つ一つを丹念に仕上げるもので、独特の風味と香りがある珍味として今でも製法が受け継がれています。
この保存食としての柚餅子を作る地域は天龍村の他にも日本国内に複数あります。
天龍村にも、代々柚餅子を作り続けている歴史があり、今から500年ほど前の戦国時代には、武士の携帯食として重宝され、武士以外にも山での仕事の時に食べるなど、おかずとして庶民にも愛されていました。
柚餅子に使うゆずは、村内の天竜川沿いの標高600m以下の畑で穫れるゆずの実を11月頃に収穫してつくることから、今では年間約300個と、生産数も限られています。
かつては「天龍村柚餅子生産者組合」という、昭和50年に地区の生活改善グループを母体として結成された組合を中心に継承活動が行われていました。過疎化が進む中、主婦の視点から地域の活性化を模索し、かつて地区に伝わりながら消えようとしていた武士の携帯食を後世に残そうと挑戦したのが始まりです。
それでも過疎化・高齢化の波には抗えず、組合員が減少し、2018年3月に天龍村柚餅子生産者組合は解散してしまいましたが、現在は、天龍村の地域おこし協力隊OB・OGでつくるNPO法人「ツメモガキ」が継承に取り組んでいます。
実はこの柚餅子を味の箱船に推薦したのは長野県松本市にあるフレンチレストラン「ヒカリヤ ニシ」の田邉シェフ。
こうしたプロの料理人にも注目されている、とてもユニークな食材なんです。
もっと、柚餅子のおいしさや魅力を伝えていく活動していきたいと思っています☘️
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