私たちの取り組む課題
わたしたちの法人の「定款」には、以下の「目的」を掲げ、地域に残る多様な「歴史」の掘り起こしや共有、そしてそれらを活用した世代間交流を中心に、活動を行っています。
(1) 古写真を中心とした歴史資料の整理分析ならびに研究
(2) 地域史に関するコミュニティデジタルアーカイブの開発と公開
(3) 歴史資料を活用した世代間交流イベントの企画ならびに実施
(4) 地域の生活史(食文化等)の復活・掘り起こしに関連した事業の企画運営
(5) 前各号に掲げる事業に付帯関連する一切の事業
とくに、(5)については、わたしたちの団体の附属施設として鹿児島市宇宿3丁目(鹿児島市電脇田電停・JR指宿枕崎線宇宿駅から歩いて1分)に「時の旅喫茶室」を開設(2023年11月)し、常設の世代間交流スペースの運営をはじめました。
(3)の交流イベントでは、「回想法」を活用したお年寄りによる「むかしがたり」の機会をもち、その話をきく子どもたちとともに、高齢者の方々の認知症予防・認知症進行予防を推進していきます。
地域のあらゆることについての知識、「地域知」(local knowledge)の蓄積の継続と共有とをとおして、わたしたちは地域の「愛着」を、地域みんなで、持続可能な形へとしていきます、
なぜこの課題に取り組むか
いま、わが国は少子高齢化および人口減少社会へと突入しています。
このことは、単に生産力の減少を引き起こすのみならず、地域が固有にもつ文化的な持続可能性をも危機に直面させる、極めて憂慮すべき状況です。
たとえば、これまで地域にあった慣習や過去の歴史的な記録や記憶が、継承すべき次世代と出会うことなく消滅したり、本来持っている価値を正当に評価されないまま廃棄されてしまったり、コミュニティが維持してきた「地域知(local knowledge)」の存在があまり意識されることなく、静かに、しかし確実に、「なかったもの」になっていく状況が、あらゆる場所で起こり得るのです。
また、人口減少社会は、とくに各地の中心商業地区の縮小を加速させる要因になっています。商店自体の高齢化も重なり、長い歴史のなかで形成されてきた各地のコミュニケーションエリアである「まち」が、いわゆる「シャッター街」となり、存続の危機を迎えているところも少なくありません。
こうした状況を可能な限り防ぎ、それぞれの地域、さらには個人の積み上げてきた多様な歴史を「資源」とし、それらを掘り起こし、記録し、次世代に伝えること、そして、そのこと自体を生涯学習社会における学習材として、それぞれの幸福(well-being)な人生の形成に資する共有の地域知としていくことを目指し、わたしたちは「一般社団法人時間旅行社ネットワーク」を設立いたします。
到来しつつあるAIやロボティクスと共生するSociety5.0の時代にも柔軟に参画しつつ、歴史を通じた過去・現在・未来の橋渡しを、あらゆる機会を通じて、かつ、それぞれの地域の実情や文化に適合させながら、歴史資料の保存・整理分析ならびに活用、世代間交流による地域社会の活性化、地域史に関するコミュニティデジタルアーカイブの開発と公開、食文化や祭り等の地域の生活史の復活・掘り起こしに関連した事業の企画運営を積極的に行います。
さらに、これらを多様な言語を用いて国内外に広く発信し続け、多様な日本の地域の姿を、世界中の人々と享受し続け、ネットワーキングし続ける文化の創造に挑戦します。
(「一般社団法人時間旅行社ネットワーク 設立趣意書」より)
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ご寄付は、当法人の上記活動の運営費に充てさせていただきます。