私たちの取り組む課題
モザンビーク共和国の人間開発指数は、191カ国中185位(2022年人間開発報告書/UNDP)。
モザンビークのいのちをつなぐ会の活動地は、最南端の首都から最も離れた北部カーボデルガド州であり、最貧困国モザンビークの中でも、貧困率が高い上、支援の手が伸びることがなく、長い間、「忘れられた岬(カーボ・エスケシード)」と呼ばれています。
モザンビークのいのちをつなぐ会は、州都ペンバのスラム地区ナティティのど真ん中に事務所兼住所を構え、スラム地区に住む青年有志95名とともに、2013年から直接活動を途切れることなく行っています。
現地で、草の根活動を継続的に行っているNGOは、モザンビークのいのちをつなぐ会のみです。
★当会活動地には日本人が入っていることはほとんどありません。イスラム過激派の攻撃が起きる前、2016年に日本のテレビ局から取材を受けた番組です★
https://www.dailymotion.com/video/x7yydrg
2019年から激化しているイスラム過激派のテロ紛争により、従来の教育、公衆衛生、環境保全等の活動に、テロ紛争被災者支援活動が加わり、活動の幅が広がる一方で、資金調達が困難を極めています。モザンビークは知名度が低い上、当会活動地は影響力醸成の要である首都から離れているため、寄付が集まりにくく、活動のほとんどを民間の助成金に依存しています。
しかし、その民間助成金自体が減少しており、加えて、テロ紛争の地であるモザンビーク北部では安全上の問題から申請すらできないものもあります。
支援の光の当たらないエリアへ、皆様のご支援を!
《モザンビーク共和国カーボデルガド州の課題》
・2017年に勃発したイスラム過激派のテロ・紛争が2019年に激化。4000名以上が亡くなり、100万人が国内避難民になっており、食糧難も115万人と深刻化。
・450年と長期に渡るポルトガルの支配と愚民化政策により、教育レベルが低く、特に北部は教育、医療、水等の社会インフラが整備されぬまま放置されている。
・5歳未満の乳幼児死亡率18%から改善しているもののスラム地区では乳幼児や若者の死亡が多く、基本的な公衆衛生・保健教育が必要となっている。
《モザンビークのいのちをつなぐ会の課題》
・活動の説明責任を明確にするために助成金を申請し資金調達を行ってきているが、アフリカが対象の助成金が少なく、また現地での支援内容が増えているため資金不足になっており、欠食児童への配食活動等、スタッフが手出して活動を続けていっている。このため、寄付金での資金調達が急務になっている。
・モザンビークの知名度の低さ、当会の知名度の低さ、現地での実活動に注力しており広報活動への人力が割けてないため、寄付金を集めるハードルが高い。
・現在、約15名の方に、定期的な寄付をいただいているが、この支援の輪を広げていく必要がある。
【教育活動】
スラム地区の子どもたちの知的好奇心を育て、なりたい未来を掴むサポート
スラムの学び舎・寺子屋(ペンバ寺子屋、ナンプラ寺子屋)2ヶ所の運営、モザンビーク事務局と寺子屋にて子どもを中心とした毎日の教育活動、奨学金サポート。
【公衆衛生・水環境活動】
危機的な水不足の解消とコレラ等細菌感染症の低減
子ども公衆衛生活動、ペンバ環境美化活動、井戸とトイレの建築、水道の敷設。
【食育・農業活動】
栄養失調率の低減
食べられる緑化活動、欠食児童への配食活動、有機農業(米・野菜)実践活動
【防災活動】
気候変動の影響による自然災害のリスク低減
防災連絡網と防災マニュアルの整備、避難場所及び食糧備蓄倉庫の整備
【テロ紛争緊急支援活動】
かけがえない命を守る
テロ攻撃被災地域への食糧・衣料・浄水器支援、子どもたちの疎開場所整備、避難民の家(Casa de Paz)の建築運営。
【国際相互理解推進活動】
国際問題や文化への興味喚起と理解推進
日本と欧州における国際相互理解推進のための音楽と文化イベントの実施
なぜこの課題に取り組むか
【教育活動】スラム地区の子どもたちの知的好奇心を育て、なりたい未来を掴むサポート
首都と真反対に位置するカーボデルガド州は教育レベルが非常に低い上、学校に行けない子どもや育児放棄されている子どもも多数存在する。
両親が揃っている子どものほうが圧倒的に少なく、多くは母親もしくは、祖母、親戚と居住しており、家庭での躾や道徳教育が欠落している。
当会では、道徳教育を基本とした各種学習教育を毎日実施している。
また、イスラム過激派と見られるテロ攻撃が続発しているため、平和教育も始動。
【公衆衛生・水環境活動】危機的な水不足の解消とコレラ等細菌感染症の低減
乳幼児死亡率18%、危機的かつ慢性的な水不足が最大の課題であり、かつ衛生習慣が欠如しているため、コレラを初めとした細菌・ウイルス感染症が多い。そのため、キレイに暮らす習慣づけや美化習慣、水環境・トイレ環境の整備を実施している。
【食育・農業活動】栄養失調率の低減
スラムでは栄養失調率が6割を超えており、またカーボデルガド州は物流コストが加算され物価が都市圏より1.5倍ほど高く、日々の食事がままならない家庭が多い。家庭できちんと食べられる人が食べられない人に食事を分ける習慣や、当会事務局での配食、作物の栽培を実施。
【防災活動】気候変動の影響による自然災害のリスク低減
2019年にカーボデルガド州で初めて、かつモザンビーク観測史上最大級の巨大サイクロンが上陸し、甚大な被害が受けた。
気候変動の影響により雨季の時期も変化し、未曾有のサイクロンや暴風雨に襲われる事態が発生しているため、地域で初となる防災活動を開始。
【テロ紛争緊急支援活動】かけがえない命を守る
カーボデルガド州の農村地域で多発するイスラム過激派のテロ攻撃により、数千軒の家屋が燃やされている。家を失った人に対する緊急支援活動として避難民の家(Casa de Paz平和の家)を建築・運営。
【国際相互理解推進活動】国際問題や文化への興味喚起と理解推進
カーボデルガド州は日本を始め、外資企業が参入する巨大ガス田開発が行われている。近い将来、モザンビークのガスが日本で使用されることもあるにも関わらず、モザンビークの知名度が非常に低い。一方、カーボデルガド州は文化芸術度の高い民族も居住しているため、彼らと共に、モザンビーク国外、主に日本と欧州にて、モザンビークを知ってもらい、また国際問題や文化への興味喚起を促すイベントを実施。
寄付金の使い道
1■ペンバ寺子屋の子どもたちの毎日の食費、奨学費用として活用■
スラムの子どもたちの15%が1日1食以下で生き延びているため、モザンビークのいのちをつなぐ会では、ペンバ寺子屋と、ナティティ平和の家(避難民の家)で、朝と晩に配食活動を行っています。また、寺子屋の教材や、寺子屋の年長組や卒業生が、専門学校や大学への進学を希望しているため奨学金として活用します。
2■テロ紛争被災者が住める平和の家Casa de Pazを建築します■
カーボデルガド州では、日本企業も含めた外資企業による巨大天然ガス開発が行われ、不公平な開発行為や貧困の深刻化を起因とし、イスラム過激派のテロ紛争が勃発、拡大。
当会の農村協働組合のある村も2020年1月末に焼かれ、事務所も焼失しました。
これまで4000人以上が殺され、テロ攻撃に遭った村から逃げている難民の数は、100万人にのぼります。
当会では、ナティティ地区に避難民の家Casa de Pazを建築運営していますが、避難民がさらに流入し、寺子屋に相談に来る人たちが増加の一途のため、他地区(エスパンサオン地区を計画)にもうひとつ、避難民の家を建築する計画をしています。
2023年度に建築を行う予定でしたが、資金不足により保留しています。