私たちの取り組む課題
菊名和(なご)み塾(ハイブリッド型不登校児童生徒無料学習支援)
<開塾の主旨>
当法人代表理事の齋藤は、37年間横浜市立中学校に勤務し、うち4年間は横浜市教育委員会事務局指導主事を、さらに4年間横浜市立中学校長を務めた。様々な教育課題があるうち、喫緊の課題として認識しているのは、「不登校児童生徒の急激な増加」である。特に昨今は、小学生の不登校の数が激増している。
令和2年から令和3年の増加率は16%。(中学校は13%)100人あたり1.4人を数える。中学校入学後の不登校増加率は横ばいであるため、小学校での不登校児童へ取組が重点化されれば、不登校児童生徒の増加率は抑えられるのではないかと考えた。
現在、学校に出席しなくても学校外教育施設(公的な教育支援施設やフリースクールを含む)における学習状況によって校長判断により、指導要録上出席扱いとなっている。
現在、横浜市内の中学校でも、特別支援教室(教室ではない別室)で学習している生徒や、さらに在宅と学校外教育施設で学習している生徒がいた。それらの生徒のほとんどは出席扱いとなるため、長期欠席とならない生徒も多数いたのである。さらに、引きこもり気味の生徒や、コロナ禍で欠席がちな生徒、自宅で療養している生徒などへは、授業をリアルタイムで配信することによって学びの継続に取り組んだ。
このように、学校という空間に来られない生徒でも多種多様な学びの場があり、子どもの実態によって学習方法を選択できる条件整備を行えば、不登校児童生徒は減少すると確信している。そこで、校長を退職した現在、横浜市の教育に微力ながら寄与するために、地域の児童生徒を対象とした無料塾を開くことにした。
<主な機能と重点>
1「子どもの第三の居場所」としての機能
家庭でも学校でもない、居心地の良い場づくり。
2「学びの継続の場所」としての機能
多様な選択肢により継続的な学びの場を形成。リアルな場、オンラインの場。
3「キャリア形成」としての機能
地域社会の多様な人材との交流により、将来のキャリア形成の一助とする。子どもの思いを傾聴し、壁打ち相手になってくれる大人の存在。
なぜこの課題に取り組むか
一般社団法人とえはたえ 設立趣意書
1 趣旨
現在、日本の教育においては、グローバル化、少子高齢化など、社会の急激な変化に伴い、高度化・複雑化する諸課題への対応が急務であり、教育において求められる取組や対応も多様化、重大化しています。学校教育のみならず、教育に携わる団体や地域、個々の大人たちにとって、未来社会を担う資質・能力を身に付けた青少年(児童生徒)の育成は急務であると考えます。
そのような中で、令和3年11月、教育に関心を持つメンバーが集い、オンラインにて「GIGAおしゃべり交流会」を毎週土曜日7時から開催し、時事テーマについての討論会や、ゲストを招いての研修を行ってきました。バラエティーに富んだ様々な立場のメンバーが集い、時に真剣に、時に楽しく話す時間は、短時間とはいえ、自己啓発に値する機会でありました。
現在、登録メンバーは110名を超え、定例の朝活は常時20人から30人が参加し、今も継続しています。朝活で得た情報や、享受された内容は、会員それぞれの意識を喚起し、相互理解のもと、共同活動や、ビジネスパートナーとしてのつながりもひろがってきました。今後は、「GIGAおしゃべり交流会」で築き上げたつながりを、それぞれのフィールドや地域社会へ広げたいと考えました。
今回、法人として申請するに至ったのは、メンバーがそれぞれのフィールドで実践してきた活動や事業を、さらに地域社会に広げ継続的に推進していくことと、行政や学校、関連団体との連携を深めていく必要があること等の観点から、社会的にも認められた公的な組織にしていくこともより良い方法であると考えたからです。また、当団体の活動が営利目的ではなく、多くの方々に参画していただくことが不可欠であるという点から、非営利で活動する一般社団法人格を取得するのが最適であると考えました。
法人名「とえはたえ」は、「十重二十重」の平仮名読みです。「幾重にも重なる」という意の熟語です。今後、法人化することによって、多様な人材が重層的につながり、組織を発展、確立することにより、教育分野に寄与するとともに、青少年(児童生徒)の健全育成や、教育に携わる様々な人々のコミュニティとして、地域社会に広く貢献 できると考えます。
2 申請に至るまでの経過
令和3年11 月 「GIGAおしゃべり交流会」開始(毎週土曜日7時から)
令和4年11月 「GIGAおしゃべり交流会」開催50回を達成
令和4年12月 法人化に向けて始動
令和5年3月 一般社団法人設立登記予定
寄付金の使い道
1 不登校児童生徒学習支援
地元港北区菊名にて、少人数でスタートします。ボランティア報酬。環境整備に使用します。
<実施計画 案>
1 対象
菊名、大倉山地区の、小4~高3まで。
不登校児童生徒もしくは欠席がちな生徒。
2 一般社団法人とえはたえの拠点
横浜市港北区大豆戸町
3 何を どのように どうする
A ICT学習ドリルを活用した学習支援。
B オンライン(Zoom)による学習支援
C 多様な大人たちとの対話によるキャリア学習
D 児童生徒、保護者対象の教育相談の実施 ※リアル、オンラインを併用
4 事業の実施体制
・令和5年6月スタート予定。
・週1回午前、週1回午後を予定。スタート当初は小規模発進。参加者5~8人程度。
・端末を使い、ICT学習ドリル(城南進学研究社デキタス)を活用し自学自習。
・在宅の対象者はオンラインによる学習支援を行う。
・キャリア教育の取組は多様な大人との対話により、対象者の気づきや学習意欲の喚起につ なげる。
・地域小中学校と連携し、児童生徒の募集および受け入れを連携。公立小中学校の特別支援 教室生徒との合同ミーティングを構想。
・ボランティアスタッフは教員OB、学生を想定。本事業への協力者は、学校教員、NPO法人職 員、企業経営者、教育分野の有識者など多彩な人材が名乗りを挙げている。
2 教員研修
講師招聘し、謝金として活用します。
3 福島県被災地研修
8月上旬、中高生と一泊二日で実施します。そのバス代で使います。