私たちの取り組む課題
子育てを取り巻く社会の不安
近年、 親子の公園離れが加速しています。
本来、子どもの遊びの拠点となるのは公園ですが、現代の子どもたちは禁止事項に縛られて思うように遊ぶことができません。乳幼児の子どもをもつ親からは、『小学生が多く遊んでいる中で、幼いわが子を遊ばせるのは不安だ』という声も多く聞かれています。
また、子育てが「孤育て」と変換されるように、少子高齢化や核家族化などを背景に、子育て当事者同士の関係が希薄化しています。特にコロナ禍も重なり、赤ちゃんを出産しても頼れる地域の大人が周囲に存在せず、子育ての不安を解決するにはインターネットの偏った情報のみになってしまいます。
親子の濃密な関係がゆえに、家の中でずっと子どもと相対しながら関わり続けることは、親のストレスも原因となります。
「地域のみんなで子育てしよう!」を合言葉に
私たちは、2002年より、東京都世田谷区野沢にある「のざわテットーひろば」を運営しています。ここでは、来園年齢に制限を設けず、赤ちゃんからおじいちゃん・おばあちゃんまで誰でも来られる場としています。
乳幼児を中心とした異年齢の子どもが「遊び」を通して関わりあい、豊かな経験を重ねながら活き活きと育ちゆく姿を、親だけでない多世代の大人が見守っています。
よりよい子どもの成長や子育て環境のためには、子育て当事者だけでなく、それらをあたたかく見守る地域のつながりが欠かせません。
「地域のみんなで子育てしよう!」を合言葉に、多世代間の交流や顔の見える関係を築いていくことで、子育て当事者同士が支えあうネットワークを生み出していく、そんな豊かなまちづくりを目指しています。
なぜこの課題に取り組むか
はじまりは、とある地域住民の思いから
1990年代の終わり、のざわテットーひろばがある場所は、造園会社の資材置き場として利用された空地でした。
2000年、4階建てワンルームマンションの建設計画が持ち上がり、周辺住民が反対運動を起こしたことを受け、隣に住む山縣恒子さん(のざわテットーひろばの大家さん)が土地を買い取ったことに端を発します。買い取った土地を地域のために活用できる方法を模索する中で、プレーパークの取り組みに出会い、地域で活動する子育て支援グループとともに、低年齢の子どもを対象にした遊び場の立ち上げに取り組むことになりました。
山縣さんは、当時をこう振り返ります。
『その頃から家にこもっている子ども達が多く気になっていました。私の子どもの頃のように、今の子ども達も外で自由に遊んでほしいという想いで始めた遊び場です。子どもがずっと親と顔を突き合わせるのではなく、年代の違う子ども達や親ではない大人と付き合うこと、そして外遊びは最も重要なことと考えます。』
「外遊び」と「子育て」の二本柱から
私たちの活動は、「外遊び」と「子育て」の二本柱からなり、地域とともに歩む場づくりをしていきます。
子どもの成長にとって、遊ぶこと、自然の中で過ごすことはとても大切です。子どもは生まれた瞬間から風の流れ、木々のざわめき、草木のにおい、水や土の感触などさまざまな刺激を受けながら成長していきます。
乳幼児期から外で遊ぶことで五感を駆使して季節の変化を感じ、仲間とつながり、協働しながら遊びを生み出していきます。禁止事項を設けないことで子どもはさまざまな遊びに自由に挑戦でき、それが出来たときには達成感とともに自己肯定感も高まっていくと考えます。
子どものあふれ出る活発なエネルギーを受けとめるためにも、オープンスペースである屋外での子育てが、親子ともにストレスの少ない子育てにつながると考えています。
寄付金の使い道
みなさまからいただいたご寄付は、のざわテットーひろばの運営資金に充当させていただきます。
行政の補助金をもとに運営していますが、子どもたちの遊びに関わる必要経費や施設の維持管理など、補助金では賄えない部分をご寄付や会費収入に頼っている現状があります。
また2022年は、のざわテットーひろば開園20周年を迎えるにあたり、記念事業や記念誌の発行などを予定しております。
私たちの理念や取り組みにご賛同いただける方は、ぜひご協力をお願いいたします。
●主な使い道(例)
・ひろばの運営費:水道光熱費や夏季のウォータースライダーなど子どもたちの水遊びの水道料金、イベントの企画経費などに充てさせていただきます。
・ひろばの維持費:遊具の修繕や塗料の塗りなおしにかかる資材購入費、施設の大規模修繕費の積立てなどに充てさせていただきます。
・20周年記念事業費:開園20周年の記念事業を行うための費用に充てさせていただきます。