
事業の目的
すべての建物は、そのまちの姿の一つとして、それぞれの営みが行われてきました。
その建物たちは、時間の経過とともに、姿かたちを変えていきます。
しかし、今でもそのまちの“におい”や“いろ”を表現し続ける建物があります。
その建物が消えることは、そのまちの“におい”や“いろ”が消えてしまうことを意味します。
一方、そのまちは時間の経過とともに、新しい“におい”や“いろ”を持ち始めます。
ただ単に、その建物が持つ昔の姿や機能を再現するのではなく、今のまちにあった新しい息吹をゆるやかに吹き込むことが大切と考えます。
浅田家は、志木市の歴史を物語る貴重な民家です。
志木市のまちの賑わい、商業の繁栄を今の時代に伝えています。
しかし、現在の浅田家の周辺は閑静な住宅地となり、質の高い住環境を創り出しています。
浅田家は、当時の賑わいや繁栄のシンボル性を、今のまちの姿に寄り添い、暮らしやコミュニティのシンボルとして緩やかに目覚めさせたいのです。
これまでの活動
〇地域の力による清掃・残置物の片づけ
古民家には想像を上回る残置物があります。これらを専門業者に依頼すると数百万円の費用が掛かることがあります。
これらの活動をこれまでタガヤススタッフや連携団体に加えて、地域の皆さまとともに行ってきました。
しかし、残置物の処理には費用がかかり、一定の限界があることも事実です。。。
〇障子の張り替え、油が抜けた古家具・調度品磨きDIYワークショップ
見事な細工が施された障子に新しい障子紙を張り替えました。
また、油が抜けきって白くなった壁板や古具に、くるみ油を塗りこみ蘇らせました。
これらの作業を地域参加型のDIYワークショップとして実施しています。
古民家のある志木市は引又宿の奥深い歴史があり、古民家はその歴史を代表するものです。
志木市役所教育委員会から志木市と古民家の歴史の講義をいただいた後、参加者皆さまが持ち寄った志木市の歴史のお宝の披露を行い、
参加者全員で歴史を語り合い、これからのまちづくりを考えるワークショップを開催しました。
古民家インスペクション
タガヤスのパートナーであり、古民家再生の第一人者の建築家である才本氏を丹波篠山からお招きし、古民家インスペクションを親族の方々と共に実施しました。
この結果を踏まえ、改修プランを作成していきます。
インスペクションでは、これまで親族の方々もわからなかった古民家の歴史も発見され、あらためて志木市の歴史とともに歩んだ歴史の大切さを実感しました。
これまでの事業成果
再生の難しい古民家については、地域コミュニティの力による再生が必要不可欠です。
私たちタガヤスは、志木市にとってはヨソモノであり、種をまき、まちづくりの実を得る取組みは地域の皆さまとともに行う必要があります。
タガヤスだけで古民家の利用方法などを決めることなく、地域の皆さまとともに再生のプロセスを共有することにより、
地元志木市の歴史に対する愛着、地域アイデンティティの醸成につなげることができたことがこれまでの一番の成果です。
事業の必要経費
〇残置物の処理費用
〇地域コミュニティを剥ぐぐむワークショップ実施費用
〇駄菓子屋設置費用(地域のコミュニティの拠点として土間に駄菓子屋を設けます)
〇老朽化した屋根や床の改修、畳の張り替え、建具の調整、その他リノベーション費用

