事業の目的
安全で安心して暮らせる社会の実現は、老若男女を問わずすべての消費者の願いです。一方、現実の日本社会は、少子高齢化の進展、格差と貧困の広がりなど、今の暮らしはもとより、次世代や将来への不安を拭い去れない状況です。特に、消費生活の分野では、高齢層・若年層を中心に、さまざまな形で消費者被害が発生し続けており、例年消費者被害は年間約90万件も発生し、その被害額の推計は年間5~6兆円にもなっています。
こうした消費者被害の防止や被害回復に対しては、自治体の消費生活センター等主に行政によって施策が講じられています。また、消費者団体においても、消費者相談を受け助言・あっせんを行ったり、裁判外紛争解決機関(ADR)を設けて解決をはかる取り組みが粘り強く行われています。さらに、消費者団体訴訟制度※によって、適格消費者団体が消費者被害の拡大防止を着実にすすめてきました。2016年10月には、長らく実現を望んでいた「消費者裁判手続特例法」が施行され、特定適格消費者団体による集団的消費者被害の回復も可能となっています。
※「消費者団体訴訟制度」とは、内閣総理大臣が認定した消費者団体が、消費者に代わって事業者に対して訴訟などをすることができる制度をいいます。
このような消費者団体が行う消費者被害防止や救済などの公益性の高い活動に対しては、本来公的支援があってしかるべきですが、現状では直ちにそれは望めません。そこで、こうした制度の周知も兼ねつつ、まずは消費者自らや賛同する事業者が消費者団体の活動を支援していくことが必要です。そのために、消費者スマイル基金を設立しました。
これまでの活動
助成回数7回、のべ35団体995万円を消費者団体に助成しました。
助成対象の内訳
・特定適格消費者団体の行う被害回復訴訟(共通義務確認訴訟) 4団体
・裁判外で被害回復を実現した特定適格消費者団体の被害回復関係業務 2団体
・適格消費者団体の差止請求関係業務 24団体
・適格消費者団体を目指す団体の行う、消費生活相談・情報提供業務 3団体
・適格消費者団体を目指す団体の行う、不当行為是正等の申し入れ業務 4団体