私たちの取り組む課題
ピアミーティングでは、近親姦虐待の被害からの回復に取り組むために、当事者が自発的につながり、各自が自らの問題に対して主体的に向き合い、それを語り、傾聴し、学び合い、これからの自分の生き方を見極める力をつけることを目的としています。
ワークショップでは、学びや創造的な作業に集中して達成感を味わうことや、エクササイズの効果を体感しながら、参加した当事者たちと安全な時間と場を共有し、少しずつ「被害や自分に向き合う時間と、そうでない日常の時間」とのバランス感覚を養うことを目的にしています。
SIAb.のミーティングに参加している有志の当事者たちが、近親姦虐待の問題や、回復に取り組むための情報を発信することで、当事者の孤立を減らすことを目的に活動しています。
主に、ホームページからの情報発信や、出張ミーティングなどのイベント活動をしています。
さらに、その理解を関係諸機関や社会全体に広げ、問題の予防方法や治療方法が、より深く検討されていくような社会をつくるための一助となることも目的としています。
主に、支援員やこの問題に関心のある一般の方に向けた勉強会などです。
なぜこの課題に取り組むか
多くの当事者が、幼少期から長期間に渡って受けた近親者からの虐待を、家族や地域社会などのコミュニティが崩壊してしまうことや、引き離されてしまうことへの不安や恐怖感、無力感などから、誰にも相談できず、『なかったこと』として生き辛さを抱えたまま成長し、生き抜いてきました。
ですが、成人に至っても、近親姦被害の外傷体験の後遺症による心身の障害を抱えたまま、社会的生活が困難な状態に追い込まれる当事者が数多く存在しています。
潜在化している当事者の中には、児童期から青年期にかけて、当事者が家族分離措置として家族から離れたり、自ら家を出て生活を始め、孤独感を抱えたまま成長し、就労や貧困の問題を抱えている者も数多く存在すると思われます。
孤独感や被害による心身の苦痛を回避するため、性的逸脱行為を繰り返したり、飲酒や薬物などの物質依存やギャンブルなどの嗜癖行動を繰り返したりする可能性が高いのです。
また、そのための資金を得るために、犯罪や性的逸脱行為を繰り返し、事件に巻き込まれ、中毒症や感染症等の危険に曝される可能性も高いのです。
さらに、異性と親密な関係を築くことが困難であったり、性行為への不安や嫌悪感、自身やパートナーが自分たちの子供に性虐待をしてしまうという恐怖感などから、妊娠や出産、子育てに不安を抱き断念する場合もあります。
当事者たちが、困難な生活から抜け出そうと、相談や支援、治療に繋がろうとしても、この問題に取り組む専門的な支援体制や治療体制が確立されておらず、情報量も少ないのです。
さらに、社会の理解度の低さや、地域の環境や地域性、子育てや家事、仕事などに追われる中で、それらに繋がることが困難な場合も多く、当事者は問題を抱えたまま、ますます孤立してしまう場合が多いというのが現状であります。
性暴力問題を扱う相談機関や支援団体も増えつつありますが、近親姦虐待の問題に特化したものはごくわずかです。
そこで、私たち当事者が主体となり、SIAb.を発足する運びとなりました。
寄付金の使い道
セルフヘルプ・グループ事業
近親姦虐待の被害当事者のためのセルフヘルプ・グループ(自助グループ)の開催費用
SIAb.プロジェクト
ホームページの管理維持費用
イベントなどの開催費用
SIAb.事務局
これらの活動を維持し、継続していくための管理事務費用など