私たちの取り組む課題

「そだてる、あじわう、つなぐ」体験を通して、身近なものと自分自身との関係を育んでいく。
分業化された暮らしの中では、ものごとや資源の循環、つながりを見聞きしたり、「実感」したりする機会は多くありません。だからといってスローガンのような暗誦しやすい言葉だけが子どもたちの行動目標にならないように、と思っています。
種まきから収穫までの農産物の成長。調理して体に摂り入れ、排泄するまでの体の働き。
日々の食事に目を向けると、多くの関係性の中で私たちもまた生かされていることに気づきます。
身近なものごとと自分自身との関係を育てていくことが、食農教育のはじめの一歩。
わたしたちは食農教育を通じて、
身近なものごとを見る視点や気づきを大切に、
学び続ける姿勢や、それらを育む土壌をそだてていきたいと考えています。
実生活とつながる学びが、子どもたちの人生を自分らしく照らしていく。
食農教育がその手がかりの一つになることを願い、
今いる場所をより良く、そして元気にしていくような食のあり方を探究していきます。
なぜこの課題に取り組むか


生きることを支える「食」の営みが、ずっと続いていくように。
地域で育つ子どもたちが、食べ物や人、土地との関係性をはぐくんでいける、その機会や場があり続けること。
そのような環境づくりをしていくことが、わたしたちの役割です。
自分の食べるものを、知っていること。
それらの作り方を知っていること。自分でつくれること。その機会があること。
関心のある人だけでなく、みんなが知っていることが大切だと思うから、
地域の学校教育のなかで、すべての子どもが体験できるプログラムを続けていきます。
プログラムの推進役として「スクールフードコーディネーター」を配置し、
地域の特色を生かし、体験から学校給食までのひと続きのプログラムがスムーズに実施できるよう、コーディネートしています。
「食べものづくり」を経験した子どもたちが育つ社会は、一次産業への理解が広がる未来につながっていくと信じています。
支援金の使い道



一般の方向けのプログラムも充実させていくためのフィールド整備を進めていきます。
また、各地域で活躍する「スクールフードコーディネーター」のための、実践的なプログラムをつくっていきます。
フィールド:食べ物がそだつ場所
・田:生き物が育ち、手仕事ができる場所
・畑:土の中にいる生き物を感じながら、野菜や穀物が収穫できる場所
・果樹園:鳥や小さな生き物と実りを分かち合う場所
キッチン:食べ物をつくり、食べる場所
・収穫した野菜や穀物を調理し、味わう時間
・みんなでごはんを作り、団らんできる空間
リビング:食べ物を真ん中に、学びを深める場所
・調理残渣や排泄物が循環し土にかえっていく場
・理論と実践が行き交うコミュニケーションの場
・食農、環境、文化、デザインなど、活動をより良くする情報にアクセスできる機会

