私たちの取り組む課題
「ぱぱとままになるまえに」というテーマを掲げた際、
まず浮かび上がってくる顕在的な社会課題は、主に2つに分かれるのではないでしょうか。
①思いがけない妊娠をしてしまうこと。
②-1 妊娠を望んでいるのに、なかなか妊娠できないこと。
②-2 または妊娠を望んだときに、すでに、妊娠が叶わない年齢や身体になっていること。
いわゆる、人工妊娠中絶数の問題や、不妊で思い悩む夫婦や、不妊治療の長期化などです。
しかし、私たちは、①と② とはまた別に、潜在的な社会課題があるのでは?と感じています。
③自分、またはパートナーが、妊娠すること・妊娠したいかどうかを、想定すらしたことがないこと。
④妊娠を望み、願いが叶ったものの、“その先”を描きにくいこと。
⑤-1 これから子どもを産み、育てるかもしれない若年層の人々の中に、“家族の事例”が少ないこと。
(“妊娠”に限らずとも、“親になる”ことができたり、“ふうふ”は、男女なの?同性愛者は???などなど。)
⑤-2 そして、事例の少なさから、選択肢も狭いこと。
私たち、「NPO法人ぱぱとままになるまえに」は、③〜⑤の課題解決に取り組んでいる団体です。
なぜこの課題に取り組むか
思いがけない妊娠の “当事者”
妊娠を望みはじめた “当事者”
妊娠を望んだのに、妊娠が叶わない “当事者”
“当事者” になるまえに、何かできることはないのでしょうか。
そこで、代表の西出が活動をはじめる際に目をつけたのは、
「妊婦さん」という存在でした。
(もともと西出は、妊婦さんという存在に心惹かれていました。)
「妊娠した」という点において、 “当事者” であるものの、
まだ子どもを目の前にしていない、という点では、
「親になる」ことに関しては、 “半分当事者” とも言える妊婦さん。
「わかっていること」もあれば、「わからないこと」も持っている妊婦さんが、
当事者 “以前”の「これから結婚・妊娠・出産・子育てをするかもしれない若年層・青年期の人々」と、
妊娠・出産・子育ての経験者の“あいだ”にいる、キーパーソンなのではないか、と考えたのです。
なので、活動の軸は
“当事者”と“非当事者”を(楽しみながら、なるべく面白くしようとしながら)つなげること。
そうすることで、社会課題“以前”の課題である
③の「自分、またはパートナーが、妊娠すること・妊娠したいかどうかを、想定したことすらない人々」を変えていこう
と考えました。
また、「社会課題の当事者」を増やさない、という予防的な意味あいの他にも、
課題に取り組む理由が二つあります。
一つは、自分、またはパートナーが(現段階で)妊娠「したいのか・したくないのか」ということを把握できていることは、
妊娠・出産に限らず、様々な場面での主体性につながると考えました。
妊娠・出産以前から主体的であることは、いつか親になったときにも、
十分な情報を手にすることができたり、十分な支援環境下にいられる可能性が増え、
納得感のある選択へとつながりやすくなると考えます。
それは、親としての自信や満足感にも関係してくるのではないでしょうか。
もう一つは、ライフステージごとに所属が異なることが多く、他者とのつながりに厚みのない現代社会の中では、
妊娠・出産・子育ての当事者になるまで、妊娠・出産・子育てが日常生活上無関係である人が多いのではないでしょうか。
将来、妊娠・出産・子育てを、する・しないに関わらず、
未経験のうちから、当事者との関わりを持つことで、当事者への理解が深まり、
当事者にとって過ごしやすい社会形成にもつながると考えています。
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ご依頼をいただいた現場での活動費や、団体運営に使用させていただきます。
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