私たちの取り組む課題



119番通報・公的救急車だけに頼る仕組みから一歩進め、行政・医療機関・民間企業・地域住民が力を合わせられる体制をつくっています。
軸になるのは、緊急性の高くない転院搬送を「民間救急」(消防以外の事業者が行う、緊急性の低い患者の搬送サービス)が担えるようにすることです。
公的な救急車の負担を減らし、本当に必要な人のもとへ早く駆けつけられるようにします。
2025年4月には沖縄県名護市と協定を結び、消防と民間事業者の役割分担や、どの搬送をどちらが担うかの判断基準づくりを進めてきました。
現在は転院搬送を民間救急が担うモデル事業の開始を目前に控えた準備段階です。
あわせて、この仕組みを全国に広げるための土台として、市民の意識・実態調査や、転院搬送の実態を明らかにする共同研究も行っています。
なぜ寄付が必要なのか
OPHISは、救急車を走らせる事業者ではありません。
搬送を担うのは地域の消防と民間事業者であり、私たちの仕事は、その両者が連携できる制度そのものをつくることです。
この仕事には、支払う人がいません。実態を調べ、自治体と協議し、政策を提言する。それぞれに時間と費用がかかりますが、誰か一人の利益になる活動ではないため、どこかの企業や自治体が費用を負担する構造になっていないのです。
寄付は、どの立場にも偏らずに地域全体にとって望ましい仕組みを設計するための、独立した資金です。
代表理事について
代表理事・匂坂量(さぎさか りょう)は、2013年に救急救命士国家資格を取得後、三次・二次医療機関での現場経験を積みながら、2018年に博士(救急救命学)を取得しました。疫学・心理学・行動科学・教育学・VRなど多分野の知見を組み合わせた研究アプローチで、救急医療の発展に取り組んできました。
2021年に救急医療教育の会社を設立した経験から、救急搬送の構造的な課題を解決する必要性を痛感し、2024年1月に当団体を設立。同年、Forbes JAPAN「NEXT100」に選出されています。
現在は国士舘大学防災・救急救助総合研究所 講師を務めながら、当団体の代表理事を兼任しています。現場・研究・事業のすべてを経験してきたからこそ見えている課題に、実践的に向き合っています。
なぜこの課題に取り組むか



日本では高齢化により、救急車の出動件数が過去最多の更新を続けています。需要が増える一方で、支える側は追いついていません。
- 救急隊の現場到着時間は、この約25年で6.0分から10.0分へと、約1.7倍に延びています(総務省消防庁「令和7年版 救急・救助の現況」)
- 消防職員の普通退職者数は、この10年で約2倍に増えています(総務省「地方公務員の退職状況等調査」平成24年度〜令和3年度の比較)
一方で、救急出動の7〜8%は、入院中の患者を別の病院へ運ぶ「転院搬送」が占めています。
この中には一刻を争うものもありますが、緊急性が高くないものも少なくありません。それでも今の仕組みでは、その多くを公的な救急車が担っています。
119番通報についても、搬送された方の約47%は、医師の判断で軽症とされています(総務省消防庁「令和7年版 救急・救助の現況」)。
ただし、これは病院で診察した結果であって、呼んだ時点で緊急性がなかったという意味ではありません。
重い病気を疑って呼び、結果として軽症だった。それは適切な判断です。
問題は、呼ぶこと自体でも、呼ぶ側に見分ける手立てがないことでもありません。救急車以外に選べるものがない、という一点です。
そして、そのうちどれくらいが公的な救急車でなくても対応できたのかは、まだ誰も明らかにしていません。
私たちが調査を続けているのは、そのためです。
このまま何もしなければ、本当に緊急を要する人のもとに、救急車が間に合わない。
あなたやご家族が救急車を呼んだときに、そんな事態に直面するかもしれません。
支援金の使い道
いただいた寄付は、継続的な活動のための資金となります。
- 活動に従事するメンバーの人件費
- 行政・自治体や民間事業者との連携体制づくりのための活動資金
- 政策提言を行うための活動資金
- 現地での交通費や宿泊費
- 活動報告の制作費、広報・発信に必要な通信費 など
たとえば毎月10,000円のご寄付を5名の方に1年間続けていただけると、合計60万円となり、これまで実施してきた規模の調査を1回行うことができます。
月々のご支援(マンスリーサポーター)も受け付けています。継続的な後押しが、長期的な取り組みを支える力になります。
※当団体は一般社団法人のため、ご寄付は寄付金控除の対象にはなりません。
仕組みを変える
正直に言うと、私たちの活動は成果が見えるまでに時間がかかります。目に見える結果が出ないまま支援を続けることには、迷いもあると思います。
だからこそ、その間に何が進んだかがわかる広報物等をお届けします。
そして、最初は広めていただくだけでも十分です。身近な方やSNSを通して、「OPHISという団体が、救急搬送の仕組みを変える活動をしている」。そのことが伝わるだけで、私たちにとって大きな励みになります。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。

