私たちの取り組む課題
そのため、ひとりでも多くの人々が、自然の豊かさ、希少さ、不思議さを理解し、自然に支えられたわたしたちの暮らしを実感することが、とても大切になってきました。わたしたち日本自然保護協会は、1978年から全国で自然観察会を行う人材や、自然に親しむ場を増やす活動を推進しています。
「自然観察指導員」は、全国で自然観察会を開いて「自然の見方」を伝え、地域の宝である自然を見守り、その価値を伝え、子どもから高齢者まで自然の中で新たな発見をしていただく体験を広めています。
日本自然保護協会は、各地での自然観察指導員講習会の開催や、地域の方々が楽しみながら自然の様子を調べる市民調査、専門家や行政と連携し、保護地域や法制度などを提案するなどの活動を通じて、自然保護による社会課題の解決を目指しています。
なぜこの課題に取り組むか
これから、さまざまな自然条件の変化も考えていかねばならない時代、豊かで心安らぐ暮らしを未来にわたり続けていくためにも、安定した社会・経済の基盤としても、自然を理解し、その価値を損なわぬよう守っていく力が必要です。自然のしくみや人と自然のつながりを理解するには、自然と親しむ体験や教育がとても大切になってきています。
老若男女、だれもが楽しく自然のしくみを知り、人と自然のつながりや生きもの同志のつながりを実感することで、自然との付き合い方が身につき、守り手となる力が生まれます。将来、課題となる自然環境の問題を解決し、安定した暮らしの基盤として自然を維持していくために、自然と親しみ、理解を広められる自然の守り手を増やしていくことが急務なのです。
寄付金の使い道
2020年からの5年間、私たちは以下の活動に取り組みます。
(1) 全国規模の自然保護問題の解決と支援
地域の団体だけでは解決できない全国規模の自然破壊、各地に共通する自然保護課題にナショナルNGOとして取り組みます。 さらに、これまでの各地の保護活動のネットワーク、地域の人材と連携した直接活動のほか、今後5年間は地域NGOや守り手の減少を考慮して、法制度やしくみづくりによる全国レベルの支援を強化します。
(2)自然保護を通じた社会課題の解決
わが国では、気候変動の影響、自然災害の増加、人口減少と少子高齢化、人と自然の繋がりの希薄化、グローバル化など、各地で様々な脅威や変化にさらされています。これら地域を取り巻く様々な脅威や変化に対し、Nature-based Solutions(自然を基盤とした解決策)を打ち出し、自然保護の視点から課題を統合的に改善する地域事例をつくります。
(3)自然とのふれあいの場と機会、その導き手を増やす
子育て世代での自然体験の急減や人と自然のつながりを実感する機会の減少に歯止めをかけるため、自然の価値と恵みを伝える自然観察指導員をはじめとする自然の守り手・自然とのふれあいの導き手を増やしていきます。さらに企業、地元団体、自治体と連携して、自然とふれあい大切さを実感できる場・機会を大幅に増やします。