私たちの取り組む課題
全ての中高生に越境体験を
留学や課外活動などを通して、自分の慣れ親しんだ環境から飛び出し、多様な価値観に触れる「越境体験」こそが、中高生にとって自分とは何者なのかというアイデンティティを確立し、自分の人生を歩む上で重要だ。
しかし、地理的・経済的背景などの本人の責任ではない理由により、越境体験の格差が生まれている。
都市部や一定の経済水準の家庭では当たり前に享受できる体験が、地方や経済状況によっては贅沢なもの、手が届かない夢物語となっている。
そこで、当団体では主に以下の活動に取り組んでいる。
①「海外を憧れから現実的な選択肢にする」
・海外を憧れから現実的な選択肢にするワークショップ
全国の中学校、高等学校、通信制サポート校、フリースクールなどに、実際に海外体験をした10代20代のゲストスピーカーと出前授業へ。体験談や座談会を通して身近なロールモデルを提示するとともに、留学プランを考えるワークショップを通して、各生徒の状況に合わせて現実的に海外を目指せる選択肢を伝える
【直近の活動状況】
2023年度10都道府県30校実施
2024年度15都道府県60校実施予定
・海外へチャレンジしたい中高生対象のオンラインコミュニティと伴走型サポート
毎月オンラインで留学体験者の10代20代と交流したり、グローバルに活躍する社会人から話を聞けるオンラインコミュニティを提供。また、希望者向けに日本人海外大学生が毎月面談を通した伴走型サポートプログラムも提供
【直近の活動状況】
しこくGlobalネットワーク1期生16名(うち3名海外進学)※2023年9月~2024年8月
②「課外活動のきっかけづくり」
・地域の中で気になることに取り組むサマープログラム
総合型選抜が主流になり、探究学習も盛んに行われる一方で、いまだに課外活動という言葉すらピンとこない中高生も少なくない。地域コミュニティと協働しながら、中高生が気になっていることに取り組めるサマープログラムを通して、より主体的自走的な課外活動へと取り組む入り口を提供
【直近の活動状況】
2023年度 東京都杉並区でサマープログラム開催
2024年度 東京都杉並区・香川県高松市・香川県三豊市でサマープログラム開催
なぜこの課題に取り組むか
当団体の設立メンバー、四国など地方で生まれ育ったメンバーが多く、大学進学で上京した際に、首都圏で生まれ育った同世代との体験格差や情報格差に大きな衝撃を受けた。
例えば留学。コロナ前の2019年の高校生の留学率は三大都市圏平均約2%(1位京都府約3%)に対して四国地方平均約1%(最下位高知県約0.8%)とダブルスコアをつけられている。
また、課外活動などの体験格差も顕著になっている。公益財団法人チャンス・フォー・チルドレンの調査によると体験活動に対する支出額は地方に比べて都市部は1.5倍となっている。背景には、体験活動の選択肢の幅や、体験活動に参加することに意義の浸透度合いなど様々な要因があると考えられる。
また、地域間格差だけでなく、東京も含めたあらゆる地域においても、家庭の経済状況によっても体験格差が顕著に表れることが、同団体の調査によって明らかにされている。
だが、留学や課外活動などは余裕がある家庭の贅沢だ、という意見も少なくない。しかし、大学受験の過半数が、このような体験活動を評価する総合型選抜となり、大学2年生から動き始める就職活動の早期化もあいまって、中高生時代に得た経験や身につけた価値観がその後の進路を大きく左右する事態となっている。
このような中高生自身に責任ではない理由で生まれている課題によって、その後の人生の進路が大きく左右されている現状を放っておいてはならないとの思いからこの活動が始まった。
寄付金の使い道
2024年度計画している事業は下記の通り
・「海外を憧れから現実的な選択肢にするワークショップ」
1校平均10万円×60校=約600万円
※うち、今年度は約400万円分の企業寄附・補助金等が集まっているので、残り約200万円
※スタッフ1名とゲストスピーカー2名の計3名で出張授業に伺う。四国・東北などの地方開催がほとんどである一方で、留学経験者は首都圏中心に在住しているため、旅費交通費が高額となる。なお、平均10万円という数字は、スタッフが夜行バスでの移動や自家用車での車中泊などを行った上での金額
・「海外へチャレンジしたい中高生対象のオンラインコミュニティと伴走型サポート」
当事業に必要な約40万円は、企業寄附で集まっている
・「地域の中で気になることに取り組むサマープログラム」
1プログラム平均30万円×3回=約90万円
※うち、今年度は約40万円分の企業寄附・助成金等が集まっているので、残り約50万円
※プログラムの会場代、消耗品代、参加するゲストやスタッフの旅費交通費等
以上の通り、年間約730万円程度の費用が必要だが、現状約250万円不足しており、集まった寄附金はこちらの不足分に利用させていただきたい
必要費用が集まらない場合、ワークショップは実施を断念せざるを得ない。また、サマープログラムについては代表が個人的に借り入れを行い支出予定