私たちの取り組む課題
誰もが治療を受けられる未来を―海外そして国内で医療から疎外された人に寄り添う団体、それがNGO世界の医療団です。
生まれる場所がほんの少し違うだけなのに、私たちの「当たり前」が「当たり前」じゃなくなる世界のことを、ご存知ですか?
紛争や災害、貧困や差別の対象となった弱い立場の人々に医療を届け、無償で治療をほどこし、再び笑顔で過ごせる日までサポートする、 私たちはそんな活動を世界各地で続けています。
なぜこの課題に取り組むか
日本支部の活動は95年の阪神淡路大震災の時から。
世界の医療団は、海外だけでなくここ日本でも、 それぞれの土地に合わせ柔軟な支援活動を展開しています。
ただ治療するだけじゃなく、 コミュニティーが自立できるその日まで、 支援を続けること。
紛争や災害で奪われるのは人の命や健康だけではありません。 それまであった生活や、 人との関り、 コミュニティー全体が傷つきます。
私たちは、 支援が終わったその先も見据え、 現地の人たちに時間をかけて寄り添いながら、 すべての人が平等に医療を受けられる状態が回復するまで、 丁寧にケアします。
■例えば海外のこんなところで・・・
海外旅行で訪れる人も多い東南アジアの国々には、 手術すれば簡単に治すことができる疾患が放置されています。
例えば400人~600人に1人の割合で起こると言われている口唇裂。 赤ちゃんの口元が割れてしまう生まれつきの疾患です。 言葉をしゃべり、ご飯を食べ、笑顔を作る大切な口元に問題を抱えた子どもたち。そんな彼らに笑顔を届けるため、整形外科手術の上手な日本のお医者さんが、たくさん派遣されています。
バングラデシュ、カンボジア、ラオス、モンゴル、ベトナム、ネパール、エチオピア、ニジェール、ルワンダ、マダガスカルなどの多くの国々で活動する世界の医療団。
日本のチームはこれまで1500件以上の外科手術を成功させています。
■日本の片隅で支援を待つ人のところへ・・・
東日本大震災から8年。 東北の街は少しずつ活気ある姿を取り戻しつつあります。 そんななか、街並みは戻っても戻らないものがあります。
世界の医療団では震災直後から現在まで、東北・福島で被災した地域への支援を今も続けています。
心の傷は時間が経ってから思わぬ形で発現するものです。
震災をきっかけにひとり親世帯になってしまったご家庭も多く、地域の子どもたちは成長とともに新たな悩みを抱えるケースも。
まだ復興は、終わっていません。 今、世界の医療団が派遣する心のケアの専門家が、必要とされています。
■医療だけじゃないこんな活動も・・・
困っている人の声を世界に届ける、 証言活動。
医療にアクセスできず支援を必要とする人たちの声を代弁し、 何が起きているのか、 何が必要なのかを伝えることも、私たちの大切な活動です。
支援の先には必ず、 名前も顔もある一人の人間がいます。
そんな一人一人のストーリーを伝え、世界に向けて問題解決のための呼びかけることが必要です。
寄付金の使い道
世界の医療団の活動に参加する医師、看護師ら医療従事者はボランティア。
とはいえ、日々の医薬品から特殊な器具まで、医療行為を支える為の資金が必要です。
ボランティアで参加してくれる人たちの想いが、支援を必要とする人のところまで確実に届くように、活動全体を支えるのが世界の医療団という団体の責務。
金銭的に活動を支援してくださる方々の想いを一つたりとも無駄にしないよう、また、それをご自身でしっかり確認していただけるよう、世界の医療団では厳しい監査を受けた会計報告をホームページ上ですべて公開しています。
世界の医療団が得意とするコミュニティー回復をサポートするきめ細やかな支援には、命を救うお医者さんだけでなく、ケースワーカーや教育者、現地の人たちとのやり取りを可能とするコーディネーターなどたくさんの人が長期的に関わっています。
災害や紛争が起きた時だけ駆けつけて、医療行為をして帰って行くのではなく、現地の人たちからニーズを聞き、一緒に回復に向けて歩む以上、ミッションを途中で投げ出すことは出来ません。
現地の状態がもう大丈夫、と言えるまで見届ける持久戦。
物資や食料を届けるのと違い、わかりにくいと思う方もいるはず。
私たちは日本でも日々、活動を続けています。
東北や福島で、あるいは池袋の路上で、困っている人のそばに寄り添う団体です。
不思議に思ったこと、わからないことがあれば、ぜひ直接お尋ねください。