私たちの取り組む課題
まなびあれんじは、現在、特定非営利活動法人として設立に向けて準備を行っています。
私たちが目指すのは、教員が教育現場で持続可能な形でその才能を最大限に発揮し、子どもたちの人格形成や教育活動に専念できる環境の整備です。教員が新たな教育コンテンツや革新的な授業方法を開発し、それを子どもたちに還元できるような理想的な教育現場を構築することを目指します。さらに、教員が精神的にも安定し、協力的な環境の中で教育活動を行うことで、持続可能な職場環境が保持され、職としての教員活動の継続性が飛躍的に向上すると考えています。
これまでも教育現場の支援を行う法人はいくつかありましたが、教員や学校など教育を提供する側への裨益を主目的とする法人はほとんどありませんでした。まなびあれんじは、生徒に対して質の高い教育を提供することは大前提としつつ、それを支える教育環境の整備という視点から、教員の自己実現やウェルビーイング向上に寄与する学校改革・メンタリングをはじめとする伴走支援等を行い、我が国の教育現場の持続的発展に貢献することを目指します。
なぜこの課題に取り組むか
(1)取り組む社会課題とその状況
現在、学校現場では教員が使命感を持って教育に取り組んでいますが、近年の社会変化や教育改革により、業務負担が著しく増加しています。ICTの導入や新たなスキルの習得も求められ、結果として教員の肉体的・精神的負担が増大し、孤立感やストレスを感じる教員も少なくありません。そのため、授業準備やコンテンツ開発に十分な時間を割けず、教員の創意工夫の意欲が十分に発揮できる環境になっていません。
このような状況の中で、教員が本来の職務である「子どもたちの人格形成」に十分に専念できていないことは深刻な問題です。教員は教育の専門家であり、子どもたちの学びを深めるための多様なアプローチや教材の開発に優れた能力を持っています。しかし、過重な業務やストレスにより、その創造性やポテンシャルを十分に発揮できていない現実があります。この問題により、教育現場全体の質の向上が阻まれ、近い将来、子どもたちの学びや成長にも悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)社会課題の原因と、現在までに解決に至っていない理由
教育現場の質の向上が阻まれている要因として、直接的には、教員の肉体的・精神的負担が年々増大していくことに起因して、満足のいく教員活動が行えていない状況ですが、主な課題は大きく分けて二つあると考えています。
一つ目は、「教員の相談相手の不足」です。教員はその多忙ゆえに、自身の業務で手一杯になり、同僚のサポートを行うことが困難です。そのため、ひとたび故障してしまうと、復帰に甚大な時間がかかってしまいます。それを解決するには、教員の日々の業務に対してその手法や解決策についてサポートする体制が必要ですが、学校単位でその人員を個々に設けることは現状の人材不足の観点から困難な状況です。
二つ目は、「教員がやりがいを追求出来る環境の不足」です。教員は教育のプロであり、日常の発見を日々の授業に取り入れようとしています。しかし、日常の発見を授業に取り入れるためのコンテンツ開発や教材開発に割く時間が無く、アイデアの種が生まれてもそれを生かし切れていません。日々の業務をこなしながらカリキュラム上に個々にアイデアを取り入れることは必ずしも容易ではありません。
以上のように、教員が直面する課題を挙げましたが、生徒に対して質の高い教育を提供することは言うまでもありませんが、教員の抱えるボトルネックに対して直接支援し、教育現場そのものの質の向上を図るという切り口はこれまでにあまりとられてこなかったアプローチです。
寄付金の使い道
特定非営利活動法人を2025年初旬に立ち上がる予定のため、そのスタートダッシュとしての活動に使用する予定です。具体的には、法人の主な業務のうち一つの事業において、PoCを実施し、そのニーズや直近5年程度のふさわしい事業規模、遂行に必要とされる事務局人員等の正確な把握を行うとともに、後年度に係る事業の定常化に向けた取組を実施します。
まなばれんじの立ち上げ当初の事業は<外部人材を活用した教育コンテンツ開発事業>、<教員のメンタリングを通じた伴走支援事業>、<若年層への人材の育成事業>の三つありますが、このうち<外部人材を活用した教育コンテンツ開発事業>(以下「本事業」という)のうちの初年度、2年度目について必要な経費を確保すべく寄付を募ります。
本事業の主なステークホルダーは、受益者である「教員等教育関係者」であり、そこに教育コンテンツやその基礎となるものを教員に提供する「コンテンツ提供等を行う非教育関係者」を交え、教員の自己実現を達成させます。その間にまなびあれんじが加わり事業を遂行します。主なフェーズごとの取組、及び現時点で想定している支援メニュー、並びに目標とするアウトプット(2年間の合計)は以下のとおりです。
<フェーズ1:学校の実態把握、実証プログラムの策定>
・PoCを行うための初等中等教育校と具体的に実証を行うプログラムを計画
・PoCを行うための関連企業と具体にどのようなコンテンツがあるかを調査し、リスト化
・具体のプログラムを策定し、教員自身の授業にどのように取り入れるかを計画
<フェーズ2:実証プログラムの実施>
・授業における実証プログラム実施に当たり、コンテンツの精査や授業に合わせて編成
・授業の単元に合わせ、数時間数の授業を実施
<フェーズ3:成果事例の横展開>
・成果をレポートにまとめ、事例集を作成
・関連地域において、事業を体験した教員や企業の交流会を実施
上記の本事業にかかる「人件費」、「職員旅費」、「講師謝金」、「委員等旅費」及びそれに係る「事務的経費」に必要な経費を寄付で募ります。