私たちの取り組む課題



増え続ける『不登校』の子どもたち。
令和5年度、全国で34万人を超える小中学生が『不登校』の状態にありました。
そん中、『不登校』の状態にある子どもたちへの理解や支援は少しずつ増えてきていますが、
まだまだ「学校に行くことがしんどい」と感じている子どもたちが学校以外に行ける場が十分になく、孤立している子どもたちがたくさんいます。
誰にでも居場所が必要で、居場所は多ければ多いほど良いです。
『不登校』は個々の子どもたちの問題ではなく、社会全体の課題であり、『子どもたちの育ちや学びを保証していくこと』は、私たち大人の役割だと私たちは考えています。
日野里山フリースクールは学校以外の場を必要としている子どもたちの、学びの場・育ちの場・居場所です!
日野里山フリースクール概要
【活動日時】
平日毎日9:30~15:30
【活動内容】
基礎学習、子どもたち同士の話し合い、自然体験、料理、子どもたちによる行事の企画運営、マルシェへの出店、海外からのゲストとの交流、地域の方を講師とした様々な体験活動、外遊び、お菓子作り、アート、裁縫など
【活動場所】
田んぼ、森、川に囲まれた古民家を改装し、活動拠点としています。目の前には地域のグラウンドもあります。
【目指すもの】
・子どもたちが安心して過ごせる場であること
・子どもたちが様々な人と出会い、コミュニケーションをとることで、人として成長できる場であること
・子どもたちが挑戦意欲や自己肯定感を育める場であること
・子どもたちが生きていく上で必要な様々なスキルや学びを身に着けたり、『生きる力』を育める場であること
なぜこの課題に取り組むか



きっかけは自身の子どもの不登校。
2021年に、私たちがフリースクールを立ち上げることになったきっかけは、当時、小学校1年生になった代表山下江津子(以下えっちゃん)の息子Sが「学校に行きたくない。」と言いだすようになっていたことでした。
えっちゃんも初めは、Sを学校まで送り届けたり、先生に相談したり、授業に付き添ったりして、何とかSが学校に行けるよう頑張っていました。しかし、それでもSを学校に連れていくためには、泣き叫ぶSを引っ張って無理やり車に乗せる以外に方法はなく、ついに学校に向かう車から飛び降りようとしたSの姿を見て、「この子は命をかけてでも学校に行きたくないんだ。」とSの本気を感じたそうです。
そして、Sの『学校に行かない』という選択を受け入れることにしました。しかし、当時日野町内には、小学校低学年の子どもが平日の昼間に通うことができる場所が学校以外になく、夫婦共に仕事をしていたえっちゃんは「仕事をやめないといけないのか。」と、困り果てていました。そして同時に、社会の中に不登校の当事者が利用できる支援があまりにも少なく、『家で親子だけで過ごす』以外の選択肢がほとんどないことに気が付きました。実際に、ほかの不登校当事者のご家族とも出会う機会があり、行き場がなく孤立している当事者が町内だけでもたくさんいることを知りました。
えっちゃん自身も子どもが不登校になったことで様々な困難や不安にぶつかりました。
具体的には、
・子どもの体を動かす機会や人と出会う機会など様々な機会が減り、学習も遅れていき、生活リズムも崩れてしまう傾向がある。
・保護者が働き方を変えざるをえず、家庭の経済的な負担が増える。
・親子ともに自己肯定感がさがる。
・親子ともに相談できるところがあまりなく孤立してしまう。
・地域の人からの理解がなく、外出すること自体が難しくなっていく。
などがありました。
『不登校』は家族だけで抱えていくには大きすぎる課題です。どんな人にも居場所が必要で、ほかの当事者と出会い「悩んでいたのは自分だけじゃなかったんだ。」ということを知ることができただけで気持ちが軽くなりました。
家で1人で、あるいは親子だけで過ごしているよりも、せめてみんなで一緒にご飯を食べられる場所があるだけで大きな一歩じゃないかと、数人の仲間で、「居場所がないなら作ろう!」という想いでフリースクールの活動を始めることになりました。
支援金の使い道



必要としている子どもたちが誰でも通えるフリースクールにするために。
現在、人件費や経費を可能な限り抑えた状態でも、経営は非常に難しい現状があります。
そのため、保護者の方々に参加費のご負担をしていただかざるを得ません。
しかし、教育は本来無償で提供されるべきものであり、不登校になったからといってたくさんのお金がかかってしまうのはおかしいと考えています。また、「自分が学校に行けないせいで家族に経済的な迷惑をかけてしまっている。」と子どもが感じてしまうことも決して良くないことです。
家庭環境にかかわらず、必要としている子どもたちが誰でも通えるフリースクールにするためには、保護者さんへの参加費の負担を少しでも下げることが必要不可欠です。
いただいた寄付金は、具体的には、
・水道光熱費
・通信費
・教材費
・人件費
・活動費
など、フリースクールを運営していくためにかかってくる基礎的な経費に当てさせていただきます。
その結果、保護者さんの負担額を下げ、少しでも多くの子どもたちが通うことのできる場にしていきます。