事業の目的
東日本大震災後、再建された閖上小中学校で、海辺の自然を回復する取組みが、2022年秋から始まりました。
2014年に北海道の石狩中学校で苗づくりを始め、翌年閖上で地元中学生らと海辺に苗植栽してから続けてきた活動ですが、コロナ禍で一旦中断し、また新たに閖上小中学校が開校してから初の活動となります。
2022年11月、閖上小中学校での海辺の3年生が、閖上浜で採取した海浜植物のタネを播いて苗づくりを始めました。皆で苗を育てて、被災した閖上浜に苗を植え、ふるさとの自然を回復するためです。
2023年5月、校章にデザインされてもいるハマボウフウ、それからハマヒルガオやハマエンドウなどが一斉に咲く閖上浜に、4年生になった子どもたちが観察に行きます。
閖上浜は地域の宝でしたが、大津波によって街が壊され、多くの命も失われ、またその後長い間、防災インフラや復興関係の工事が続いていて近づき難かったのですが、ようやく漁港の工事も完了してアクセスしやすくなりました。
今後、6月末には、昨秋タネ播きして育っている苗をPotに植え替えて育て、10月には閖上浜の防潮堤に植栽する予定で、海と陸を分断しているコンクリートの防潮堤を花と緑で覆い、花咲く防潮堤として育てていこうとしています。
その際に海浜植物のタネも集め、11月にはまた育苗箱に播いて育てていきます。
(閖上小中学校)
2011年3月の東日本大震災の大津波によって大きな被害を受けた宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地区。閖上小学校も閖上中学校も被災して、名取市の内陸部にプレハブの仮設校舎を建てて存続、2018年4月に嵩上げした街づくりをした閖上に「閖上小中学校」という小中一貫校として再建されました。
これまでの活動
2014年5月 北海道の石狩中学校らで、閖上浜で採取した海浜植物のタネを播いて、育苗をスタート
2015年7月 石狩中学校の代表4名が、育てた苗を持って閖上を訪問して交流
名取第一中学校の代表4名、NPO名取ハマボウフウの会のメンバーらと閖上浜に植栽、タネ拾い
2016年~19年 石狩中学校の代表4~5名が、育てた苗を持って閖上を訪問して交流
閖上中学校の代表4名、NPO名取ハマボウフウの会のメンバーらと閖上浜に植栽、タネ拾い
2020年~22年 北海道の有志数名が、育てた苗を持って閖上を訪問(コロナ禍)
NPO名取ハマボウフウの会のメンバーや地域住民らと閖上浜に植栽、タネ拾い
2022年11月 閖上小中学校で、3年生が初めて海浜植物のタネ播きを行う
その他、仙台市立岡田小学校では2016年から、気仙沼市立大谷小学校では2017年から、海浜植物の育成と海辺への植栽等の活動を継続しています。
これまでの事業成果
海浜植物2,000株程度を、震災後新につくられた防潮堤の隙間に植栽し、花を咲かせています。
それら株から落ちたタネが、またコンクリートの隙間などに入り、植生が徐々に増え、防潮堤を少しずつ覆い始めています。
事業の必要経費
嵩上げして再建した閖上地区、小中学校は以前より少し内陸側に作られました。海岸までは4年生の足では少し遠すぎます。バスを使うことにしましたが、予算が足りません。わずかな金額ではありますが、皆さんの応援を届けたいと思います。1口1,000円です。
貸切バス料金 27,000円
諸経費 3,000円
合計 30,000円