私たちの取り組む課題



「吐き出し喫茶」とは?
札幌を主な拠点として、1day喫茶「吐き出し喫茶」の開催を、2023年から継続的に行っています。
喫茶店の形を借りて、夢や愚痴を吐き出すあそびです。様々な分野のアーティストたちがゲストや店員として参加し、音楽・美術・演劇・身体表現等々、様々な表現を使ったワークショップメニューを、ドリンクと共に提供しています。
また、表現だけではなく、藤原整体院による身体的なケア、何かあったときに頼れる支援の専門家など、多層的なアプローチを重ねることで、従来の枠にとらわれない手法を実験的に展開しています。
https://hakidashi.piyopiyoarts.com/
なぜ、アートと「吐き出し」なのか?
現代社会において、精神科やカウンセリングへのニーズは高まる一方、
・高額化
・社会的偏見によるアクセスの困難さ
といった壁が存在します。 かつて、青森のイタコや沖縄のユタのように、無償で人々の心に寄り添う文化が存在しました。「生活に根ざしたケア」という在り方は、現代の「社会的処方」として、改めて必要とされています。しかし、治療や支援を前提とする場は心理的ハードルが高く、特に精神疾患やそのグレーゾーンに ある人々、制度の狭間にいる人々が支援からこぼれ落ちやすいのが現実です。
私たちは、参加者との対話とアートワークショップを媒介とし、言葉にしづらい思いや日常の違和感を気軽に「吐き出せる」空間をつくります。
店員は、時に真面目に、時に愉快に、真摯に向き合います。アーティスト自身が社会的マイノリティであることも多く、喫茶店の姿を借りたピアサポートとして、支援者でありながら当事者でもあるというフラットな立場で参加者に寄り添います。
メニューの例
ボディランゲージテイラー
ダンス未満、ジェスチャー以上。身近な題材を使って、不思議な動きをオーダーメイドで作る。
バーチャル奉納体験
思い出の品々を3Dスキャンし、それにまつわる記憶が書かれたテキストとともに、仮想空間上の「バーチャル供養堂」に奉納する。
おまじないづくり
気持ちを整理するための習慣を振り返り、オリジナルのおまじないを作る。
演劇ワークショップ
拍手回しやジェスチャーゲームなど、誰かや何かを演じてみるゲーム的なワークショップ。
整体ワークショップ
整体師にセルフ整体を教わる。
この他にも、ゲストによって多種多様なメニューを提供しております!
なぜこの課題に取り組むか



表現することの力
数多の芸術療法があるように、アートには回復を促す力があります。言葉にならない感情も、他の表現方法で吐き出すことができます。あるいは、一見ネガティブな状況でさえも、創作の材料として肯定的に見ることもできるかもしれません。
芸術に関わる私たちにとっては当たり前となっていることが、社会に役立つことがあると、私たちもまた気づかされています。
例えば、、、
一般的な福祉の対人支援では避けられる「身体的な接触」が、ダンスの中で偶然起こり、「愛を感じた」と、ケアに繋がった場面がありました。
育児の疲れも、演劇にして皆で観てみるとほぐれることがあります。
音楽は幸せな記憶を想い出させてくれます。
このようなアートの力は、クリエイティブヘルスや文化的処方として近年注目されつつありますが、札幌のような地方都市でこそ、領域横断的に、開かれた形で展開していきたいと考えています。
表現活動は、全ての人々が関わることのできるものです。「吐き出し喫茶」は、店員もスタッフも、お客んも、全員で共に創る空間であるように思います。あらゆる人にとってより生きやすい社会をデザインすること、それはもしかしたら理想論かもしれない。それでも私たちは、良い社会になることを信じる方を選びたいと思います。
https://hakidashi.piyopiyoarts.com/concept/
運営メンバー
櫻井幸絵/Yukie SAKURAI
劇作家・演出家・俳優/劇団千年王國代表/accie〜ちいさな人のためのオペラ〜 共同主催。演劇、オペラ、ミュジーカル、コンテンポラリーダンスを行き来するマルチな演出家。表現とケアの架け橋を探り続けるよく喋るおばちゃん。虹の母。
戸島由浦/Yura TOJIMA
アートマネージャー・プロデューサー。主な活動体はHAUS、ひよこアーツ、苗穂基地、凸凹観光協会など。東京藝術大学にてアートプロジェクトを学んだ後、まちの中で行われる分野横断的な公演やワークショップを中心に活動中。
藤原英大/Hidehiro FUJIWARA
整体師・アートマネジメント。味噌作り歴8年。2児の父。料理が得意。庭でハーブを育ててます。派手な格好と自転車が好き。陽気で明るい奴です。ベース弾きます。
山際愛/Ai YAMAGIWA
SCARTSアートコミュニケーター(のちに「ひらく」)1期生。札幌アートコミュニケーターズ設立。札幌国際芸術祭2024「手話でみる未来劇場ツアー」や本郷新記念札幌彫刻美術館「手話によるアート鑑賞会」などを企画・運営。
これまでの協力団体
就労移行支援事業所エールアライブ、ソウアライブ、一般社団法人 WHO CARES、ひよこアーツ、HAUS(Hokkaido Artists Union studies)
支援金の使い道



<1回あたりの運営費>合計11万5,000円/回×12回=138万円/年
場所代 1万円
ゲスト謝金 2万円
プログラム調整費 2万円
会場代 1万円
運営人権費 2万円
スタッフ人件費 1万円
記録費 1万5,000円
交通費 5,000円
メニュー準備代 5,000円
<恒常的な資金>(年単位)33万3,000円/年
保険 8,000円
広報デザイン 10万円
WEB運用 1万5,000円
記録冊子 15万円
<Podcastも続けたいです>6万円×4回/年=24万円
ラヂオゲスト謝金 2万円
ラヂオ運営費 4万円
https://hakidashi.piyopiyoarts.com/radio/
これまで、東京藝大「 I LOVE YOU」プロジェクト、令和7年度札幌市文化芸術創造活動支援事業、さわやか福祉財団地域助け合い基金などの助成金やクラウドファンディングを活用して活動してきました。しかしこれらは一時的な資金に過ぎません。
今後の継続を考えると、皆様の寄付による土台作りが不可欠です。何卒ご協力をよろしくお願いいたします。

