私たちの取り組む課題
八郎湖流域において、未来の八郎湖再生を担う人材を育成する
はちろうプロジェクト(はちプロ)では、上記目的の実現に向けて、主に下記の事業に取り組んでいます。
(1)環八郎湖環境学習プログラムの実施
2010年度の設立以来、秋田県と協働して八郎湖流域(環八郎湖)の環境学習プログラムの開発と実践に取り組んできました。
- 屋内で話を聞く講義型プログラム
- 八郎湖や流域河川などに出かける野外型プログラム
- プロジェクトWETを活用して身体を動かしながら学べる体験型プログラム
などを用意し、依頼をいただいた学校や団体に実施しています
当初は小学4・5年生を対象とした出前授業が中心でしたが、近年は中学・高校・大学・一般を対象としたプログラムも開発して徐々に実践回数を増やしています。
おかげさまで年々実績は増加し、2023年度は年間68回、受講延べ人数は1949人を数え、通算の受講延べ人数は15000人を超えました。
(2)八郎潟モグリウム
『八郎潟モグリウム』とは、八郎潟干拓前の地層から掘り出してきたモグ(水草)の種(埋土種子)を再生し、育てている水槽です。
モグが創り出す豊かな環境を観察して楽しみつつ、将来的にはこのモグを八郎湖に故郷帰りさせて環境再生につなげよう、と考えています。
環境学習プログラムでお世話になっている千葉県立中央博物館・林紀男氏からアドバイスをいただき、「八郎湖に水草を再生し、ミジンコを増やし、アオコ(植物プランクトン)を食べてもらって、生きもののにぎわい(生物多様性)を生んで、八郎湖の環境再生につなげよう」という取り組みです。
2019年度に井川義務教育学校で取り組み始めたのを皮切りに、八郎湖周辺の小学校・中学校・高校・大学・公園・企業など13ヵ所まで設置が進んでいます(2024年3月現在)。
(3)はちプロ学生部
『はちプロ学生部』とは、八郎潟・八郎湖に関心を持った大学生たちの活動と交流を目的としたグループです。
参加メンバーには、当法人の環境学習プログラムへの協力、八郎湖流域での生きもの調査などの体験活動、地域住民団体の活動への参加・協力、学生同士の交流などを通して、広く地域課題を捉え具体的に解決策を考える見方・考え方を養ってもらいたいと考えています。
2023年度は主に秋田県立大学・秋田公立美術大学・国際教養大学の学生約30名がメンバーとして参加し、年間37回の活動で参加延べ人数は123人でした。
小学生の頃に当法人の環境学習プログラムを受けた学生や、高校で『八郎潟モグリウム』を研究した学生も出てきており、今後彼らが未来の八郎湖再生を担う人材に育つことが期待されます。
なぜこの課題に取り組むか
秋田県・八郎湖が抱える課題
秋田県は少子高齢化の先進県です。
八郎湖流域もその例外ではありません。
そして、国内第2位の面積と豊かな漁場を誇った八郎潟は、戦後の食糧難という時代に国策により国内最大規模の干拓が行われ、現在の八郎湖の姿に変わりました。
そこでは、水質の悪化によるアオコの発生、ブラックバスなどの外来種、そして地域住民の関心低下という大きな課題を抱えています。
私たちはこれらの課題に対し、次世代の若者たちを育成することを通して貢献していきたいと考えています。
当法人の環境学習プログラムを受けた子どもたちや、『八郎潟モグリウム』で研究を通して学びを深めた若者と、『はちプロ学生部』で一緒に活動に取り組んでいくことで、八郎湖や環境教育といった分野で活躍する人材を送り出す仕組みを作ります。
それが、ひいては持続可能な地域づくりやSDGsへの貢献につながると考えています。
寄付金の使い道
未来の八郎湖再生を担う次世代を育成し、地域で活躍できる仕組みを作りたい
そのためには、これらの取り組みを継続・発展させていけるよう、はちろうプロジェクト自体の継続的な運営基盤整備が必要です。
しかし、現状では秋田県の委託事業や助成金・補助金事業に頼り、常勤職員1名を雇用するのがやっとという状態が長年続いています。
出前授業・講座の機会を多くいただけるようになったのは嬉しい反面、無償ボランティアでの実施回数も年間15回程度発生してしまっているのが現状です。
幸い徐々に次世代の芽は出てきており、はちプロの仕事に関心を示してくれる若者もいるのですが、現状では雇用することは叶わず、後進育成ができません。
そこで、この活動の賛同者から広く寄付金を募ることで、事業継続と後進育成のための自主財源を確保していきたいと考えています。
ぜひ皆さんのご協力をお願いいたします。