私たちの取り組む課題
わたしたちが取り組む課題はこのように考えています。
1. 自分自身とのつながりの喪失
競争とストレスにさらされる現代社にあって、会自分の体とこころが何を求めているのか、声を聴く機会がない、聴き方を知らない人が多い
2.暮らしをつくる力と知識、知恵の喪失
生存と幸福に必要なものごとのほとんどを「お金」に依存し、そのお金を得るための仕事に長時間を充てる暮らしの中で、(本来はだれしもが持っているはずの)生きる力・暮らしをつくる技術、知識、知恵が失われてしまった
3. 人との、そして自然との豊かな関係性のつくりかたの喪失
孤立した現代社会ではコミュニティそのものが希薄・不在であり、コミュニティの助け合い、地域で子どもを育てるありかたや、自然を最大限活かしながら暮らしをつくる考え方・技術が圧倒的に不足している
それらを解決するための活動として、以下のような活動を行っています。
課題を解決する活動
1. 自分自身とのつながりをつくる技術を学ぶ
NVC(非暴力コミュニケーション)やマインドフルネスなどを通じて、ありのままの自分とつながること。また、自然を観察して暮らしと社会のデザインに活かしていくこと、システム思考や、ギフティビズム(giftivism。ギフト主義+アクティビズムの造語)、ギフトエコロジーといった、世界を全体性(ホリスティック)の視点で観て、生きるための考え方を学び実践します。自分が自分らしくあり、相手が自分らしくいられ、愛と友情に基づいた関係性をつくる非暴力(共感的)コミュニケーションも学んでいます。
2.暮らしをつくる力と知識、知恵を学ぶ
ふたつめは、仲間とともに暮らしをリアルにつくり出す力をつけることです。エディブルフォレスト(食べられる森)を育て、食べ物を得る。調理して保存する技術、水を井戸や雨水から得る技術、自然資源を活かして夏は涼しく、冬は暖かく過ごす技術、家や小屋を仲間とともにつくる技術、モノを修理する技術、オフグリッドでエネルギーを得る技術、消費者としての活動を減らし、小さくシンプルにクリエイティブに暮らす技術、表現やアートの力を活かして暮らしを豊かにする技術などを学びたい。そしてそれらを有機的につなげて、最小限のデザインで最大限の収穫を得られるデザインを学んでいます。
3.人との、そして自然との豊かな関係性のつくりかたを学ぶ
3つめは、みなが幸せに生きられる社会をつくる技術を学んでいます。 ポットラック(持ち寄りご飯)、ピザ窯などの人が食を通じて集まるデザイン、地域通貨・マイクロクレジット・DIY保険などの助け合いネットワークのデザイン、ZINE(DIY雑誌)やマイクロメディア、地域メディアなどのメディアデザイン、ファシリテーション技術を通じて場をつくるデザイン社会運動をデザインするコミュニティオーガナイジング、ニーズがあるところにみんなで小さなビジネスを起こす小商い、組合やティール組織などを実践を通じて学んでいます。
上記を学ぶための具体的な仕組み
研修制度
1年間にわたり数人が道場に住み込み、暮らしを実践しながら上記1~3について、学んでいく研修を行っています。
リトリート
現代社会で疲れ切った体とこころを癒すことを目的に、不定期で宿泊を伴うリトリートを行っています。(現在は世界的な新型コロナ感染症蔓延の状況を考慮し、休止中)
マインドフルネスの実践会
毎週木曜日にマインドフルネスを学び実践する瞑想会を、地域の人々に開かれた形で実施しています。
パーマカルチャーデザインコース
年に1回、数日間の合宿形式で「活かしあう関係性のデザイン」であるパーマカルチャーを学び、自分も周りの人々も、自然も活かしあう暮らしをデザインできる人材を育てています。
NVCを学び実践する合宿
年に1回、数日間の合宿形式で暴力によらない関係性をつくる考え方「非暴力コミュニケーション」を学び、自分も周りの人々も、自然も活かしあう暮らしをデザインできる人材を育てています。
地域の持続可能性向上のための研究や提案
オーガニックや環境問題の解決を掲げるいすみ市に対して、さらに地域の持続可能性が向上するようなアイデアや提言、研究活動を行っています。
移住促進
道場で学んだ人の多くが、いすみ市に移住定住していて、コミュニティになりつつあります。より多くの若者世代が少子高齢化に悩むいすみ市に定住することをサポートしています。
国内外の第一人者を招聘しての学びの場の提供
いすみ市のみならず国内外のパーマカルチャー、NVC、コミュニティづくりの専門家、暮らしのエキスパートを招聘して、学びの場と機会を提供しています。
パーマカルチャーやエコビレッジ、平和活動の国際的なハブ機能
国際的なムーブメントであるパーマカルチャーやエコビレッジ、平和活動の分野において、国外の多くの団体・アクティビストとのつながりをもち、日本に招聘したり日本の現状を紹介するといったハブ機能を提供しています。
なぜこの課題に取り組むか
私たち一人ひとりは日々、自分だけでなく家族や未来世代の幸福を願い、よりよく生きようと努力しています。しかし残念ながら結果として、お金と時間に追われ、大切な人、地域、伝統や文化、そして自然とのつながりを失うライフスタイルになっている人が多いのではないでしょうか。そしてさらに悲しい現実として、(一人ひとりが幸福を願っているにもかかわらず)社会全体の経済活動を通じて大量の廃棄物を排出し、動植物の大量絶滅、地球温暖化と気候変動、災害の激甚化を招いてしまっています。
私たちはそのような社会をつくっている一員として、人も地球も癒され、再生していくRegenerative(再生的)な暮らしをもう一度取り組む必要があると思っています。
寄付金の使い道
寄付金は、以下の使途で使わせていただくことを考えています
- 研修生に提供する研修の実施にかかるさまざまな費用
- ロケットマスヒーター、ソーラー電力システムや小屋などのパーマカルチャープロジェクトの材料費
- 道場の維持や活動に必要な道具のメンテナンス費用と追加で必要な道具の購入費用