私たちの取り組む課題


水資源の消失
2023年、2024年と2年連続で白馬大雪渓の登山道が閉鎖されました。2024年10月には雪渓が完全に消失。雪は「天然の白いダム」です。山に積もり、雪崩れて谷に溜まり、ゆっくり溶けて大地を潤す。この循環が失われれば、春から夏の灌漑期に水が届かなくなります。2025年夏には稲の枯死と野菜の不作が実際に発生しました。
予測できない雪崩
気候変動で雪質が変わり、過去の経験則が通用しなくなっています。2026年2月、斑尾高原スキー場で営業開始以来初の雪崩が発生し、5名が巻き込まれました。この事故を私たちは2023年6月のブログで予見していました。従来は春だけだった雪崩が、今は12月からいつでも起きうる状況です。
担い手の断絶
雪崩管理の専門技術は習得に最低5年を要します。しかし冬季限定の不安定な雇用条件と、雪不足によるシーズン短縮で後継者が育たない。体系化されていない暗黙知は、人が辞めれば消えます。今、この知恵を記録し次世代に渡す仕組みがなければ、二度と取り戻せません。
なぜこの課題に取り組むか


雪崩は人の命を奪うことがある。しかし同時に、自然の水循環を支える、なくてはならない現象でもあります。雪崩れることで雪は細かく砕かれ、谷に固く溜まり、夏も溶けずに水を蓄える。全層雪崩は山の腐葉土を削り、ミネラルを河川に運び、田畑を潤す。
この循環が壊れ始めていることに、現場で気づいたのが代表の森山建吾です。白馬で育ち、10年かけて白馬三山の厳冬期滑走を達成した滑り手として、雪の変化を身体で感じ取ってきました。雪崩の師・若林隆三先生から受け継いだ「自然の声を聞く」という教えを、個人の経験で終わらせず、組織として記録し、次の世代に渡すためにアルプス雪崩研究所を設立しました。
私たちの子どもが大きくなったとき、「なぜ知っていたのに行動しなかったのか」と問われたくない。それがこの活動の原動力です。
支援金の使い道



あなたの参加が、これを動かします。
- 月500円 — 気候変動でスキー場の雪崩リスクが高まる中、雪崩救助犬の需要が急速に増しています。救助犬の育成・訓練を支えます
- 月1,000円 — 全国の雪崩情報を記録・共有する雪崩データベースの運用を支えます。雪崩の記録を蓄積していくプラットフォームです
- 月3,000円 — 気象観測・雪崩調査・救助犬育成・教育活動を含む、AARIの活動全体を支えます
- 月10,000円 — 北アルプスの雪と水の循環を守る研究活動を大きく前進させます。現在、気象観測機2基。15基体制を目指しています
代表自らが現場に立ち続ける、小さな組織です。一人ひとりの参加が、この循環を守る力になります。
代表メッセージ(短縮版)
スキーを通じて山と向き合い続けて15年。雪崩の研究を始めて13年。
師匠の若林隆三先生はこう言いました。
「突き詰めていったら、自然の方から語りかけてくれるものなんだよ」
気候変動が雪の言葉を変えた今、古い経験則では命を守れません。2023年6月、私は「数年以内にスキー場コース内で雪崩事故が起きる」とブログに書きました。2026年2月、それは現実になりました。
予見された事故を防げなかった——この悔しさが、AARIの原動力です。
自然の声を聞ける者を、途絶えさせない。
そのために、あなたの参加を待っています。
一般社団法人アルプス雪崩研究所 代表理事 森山建吾

