私たちの取り組む課題
電話を通して子どもの声を受けとめ、子どもの自律を支える
・電話で子どもたちの声を受けとめる。
よこはまチャイルドラインは、可能なかぎり、電話をかけてくれた子どものこころに寄り添います。発せられる言葉ももちろん大切にしますが、話し方や雰囲気などにも気を配り、言葉の奥にある「子どものこころ」も感じとるよう努めています。
そして、子どもたちがどんな生き方をしようと、子どもの内なる力を信じ、子どもたちが自ら自分の人生を選択していくことを応援しています。
・受けとめた子どもの声を社会に発信する。
受けとめた子どもたちの声を社会に発信していくことも重要な役目です。子どもの声を聴きっぱなしにしていたのでは、子どもを取り巻く状況を変えることはできないからです。
子どもたちの信頼を損ねることのないよう、「秘密は守る」という子どもたちとの約束に留意しながら、子どもたちの状況を、情報誌やニュース、ホームページ、講演などで広く社会に訴えていきます。
子どもの声を受けとめることは、おとなの内なる成長を促す
・子どもとの出会いは一期一会の真剣な学びの場、人間的成長の場。
チャイルドラインでさまざまな電話に向き合うとき、私たちおとなは厳しく自分自身を問われます。知識の豊富さ、視野の広さ、判断力の的確さ、なによりも思考が柔軟であるか、そして子どもの哀しみやつらさに共感できるか、と。短い電話のなかでも、子どもたちはそんなおとなの姿勢をするどく見透かしてしまいます。
受け手は子どもたちの話を聴きながら、自己をみつめ直し、自分の未熟さを反省し、新たな学びを得ていきます。
・充実した研修とサポートで、受け手の質を高める。
子どもたちの話を聴くためには、さまざまな知識も技術も必要です。チャイルドラインでは受け手になる前にも、なった後も、子どもや福祉に関わる専門家による講習や、ピアスタッフによる研修などを継続しておこない、子どもの声をきちんと受けとめることのできる受け手の質の向上を常にめざしています。
なぜこの課題に取り組むか
「おとな」も「子ども」も同じ1人の人間、すなわち「すべての人は等しい重さで1人ひとりが存在する」
日本ではまだ「子どもは親の付属品」とか「半人前」という考え方が根強く、欧米では考えられない「心中事件」が起こってしまうし、おとなが子どもに教育したり説教したりしたくなります。しかし、よこはまチャイルドラインは「おとな」も「子ども」もおなじひとりの人間、すなわち「すべての人は等しい重さで一人ひとりが存在する」という考え方をとても大切にします。
どこにも属していない自由な立場の人が同じ人間として子どもの話を聴くのです。そう、聴いてあげるのでもなく、聴かせていただくのでもない、「聴く」のです。
ひとは一生、成長し続ける
ひとは何のために生きるのでしょうか。「人生の目的は?」と問われると、ひとそれぞれいろいろあるでしょうけれど、そのひとつにまぎれもなく「人間的な成長」があるのではないでしょうか。
きのうより今日の自分、今日より明日の自分がより成長できることは、多くのひとにとって大きな人生の喜び、それも上質の喜びとなります。成長するためにいろんな場所や手段を通して、ひとは首を垂れ、自ら学び、何かを得ようとします。
そして、子どもの声に真摯に耳を傾けること、じつはそこからも大きな学びが得られるのです。ですから、チャイルドラインを続けていると、内なる人間的美しさがそのひとの表情やしぐさに表れてくるようになります。
寄付金の使い道
いただいた寄付金や金券等は、子どもたちの電話代に充てられます。
電話開設当初、「電話代がかかっては、安心して電話がかけられない」と子どもに言われたのです。
長電話をしても、携帯電話からでも、子どもたちが安心して電話で話せるようにしています。
これまでの活動の中では、電話回線の増設や、開設日も増やしてきました。
今後はオンライン相談のための設備も充実させていきたいと考えています。