私たちの取り組む課題
10代の価値観や歩みたい道と、今置かれている環境のミスマッチが、生きづらさを生んでいるのではないか。
学校や親との価値観のズレ、相談したいと思える相手の不在、周囲との意識格差など、一人ひとりの置かれる環境と本人のミスマッチによる多様な事情が重なり合う事で、多くの10代が様々な生きづらさを抱えているのではないかと考えています。
問題は「つながりが狭く、自分で選びにくい」こと
そもそも、たとえ同じ環境で過ごし育っても、一人ひとり価値観も幸せも異なります。ズレが起こるのは必然で、必ずしも保護者や先生が悪いとは考えていません。 自分が望む未来や将来の方向があったとしても、限られたつながりの中で、一度自分の進みたい道を否定されてしまえば、それ以外に繋がれる場所も少なく、頼れる先もなく自己肯定感を下げたり、未来への希望も描きにくくなり、生きづらさを抱えるようになるのではないかと我々は考えています。一方で、『令和4年版 子供・若者白書』(内閣府、2022)、居場所の数は「今の充実感」『自己肯定感』「将来への希望」などと相関があることがわかっています。
また『思春期の実態調査』(マクロミル/カタリバ、2018)では、自己肯定感や将来に向けての意識は、学外活動があったり、学外の年上の人との交流が深いほど高くなることがわかっています。
社会で問題とされない10代にも、手を差し伸べたい。
冒頭のケースで紹介したような10代は、特別なにか問題を抱えているとは認識されません。
それゆえに、その行動や選択は自己責任とされ、様々な生きづらさを抱える10代は環境によっては頼る先がおらず、
「自分より苦しい人なんてたくさんいるし、人に頼るなんて」とただただ耐え抜くしかない状況に置かれています。
そして、その時点では問題がないとされていた10代が、
不登校や精神疾患、孤立・貧困、非行などの問題へと状況が悪化することもあります。
willdoorは、顕在化した問題の有無に限らず一人ひとりと徹底的に向き合うことで様々な問題につながることを予防すると共に、
そこで得た気づきや知見から生きづらさが生まれる問題の構造を分析し、
まだ認知されていない10代を取り巻く課題の発見・解決へと挑むことを目指しています。
なぜこの課題に取り組むか
社会も、それに伴い教育のあり方も、
今、劇的に変わろうとしています。
しかし、全体の枠組みが変化したとしても、
それぞれの現場がその変化に適応するためには様々な障壁があり、
そうした適応の可否が多くの今を生きる中高生にとって「差」を生み出すと感じています。
時代に合った、10代が育っていける環境を少しでも早く、
多くの地域、多くの10代に届けていけるように、一つづつ現場をサポートする取り組みと、
現場の適応をサポートする仕組みづくりは急務であると考えています。
社会を創るのは、人です。
今起きているどんな問題も、要員の一つに、
その世代の人が育った環境は必ず影響を与えていると考えています。
ひとが育つ環境は、未来を変えます。
少し先の未来を、より持続的で、より多くの一人ひとりが幸せに生きられる社会に出来るように、
「高校生・10代が育つ場」をより豊かに、より現代に合った形にアップデートできるように。
ボトムアップで、一つづつ現場と向き合いながら取り組んでいきます。
寄付金の使い道
基本的には事業の推進に活用させて頂きます。
ご寄付頂きますと、
・1人でも多くの高校生が社会との接点を持ち、在りたい姿を考える「きっかけ」を得られるよう、そうした機会を創る人が増える
・高校生が地域で挑戦する/そうした高校生を支援する人の活動資金 など