
事業の目的



フリースクールを歯医者くらい増やしたい
理想としては、最低でも中学校区に1つ、阪急沿線の駅に1つは必要だと感じます。
色々な場所にフリースクールがあることでまだ出会えてない子どもに出会うことができ、子どもにとって通いやすい環境をつくることができると考えています。
また数ある中から自分に合ったフリースクールを選べるので楽しいと思える居場所を見つけられます。
NPO法人ここは、現在吹田市で2校、大阪市に1校のフリースクールを運営しています。
1つ目は、フリースクールここ吹田校【あまかり】。
活動時間は、9~15時(月~土曜日、木曜日除く)、小学1年生から20歳くらいまでの子どもを対象としています。
在籍生徒約20名の賑やかな雰囲気が特徴です。大勢の中でのディスカッションやアクティブラーニングがプログラムに取り入れてあり、自分の意見を仲間と話し合う時間があります。
他人の意見を受け入れることを意識しながら自分を表現する力を育んでいます。
2つ目は、フリースクールここ南吹田校【いどばた】。
活動時間は9~15時(月~金曜日)、在籍生徒約15名が一軒家で過ごす少人数制のフリースクールです。
家に近い空間なので落ち着いた雰囲気の中で過ごすことができます。
朝は畑へ行きトマトや大根など季節の野菜を自分たちで育て、食べ物の大切さや育てる楽しさを感じます。みんなで身体を動かす時間も多いので健康な身体づくりと生活リズムを整えていけるのが特徴です。
これら2校に加え、2021年度に新しくフリースクールここ淡路校【ういるも】、2023年にフリースクールここ阪急吹田校【おりまる】を開校しました。
全国に約400か所あると言われているフリースクールなどの学校外の民間機関ですが、不登校の子どもたちの約3%ほどしか利用していないという統計が出ています。
その原因として私たちが考えるのが、
①周りにフリースクールがない
全国に400か所あると言われてはいるものの、そのほとんどが都市部に集中しています。
中高生にもなると、自宅から少々距離があっても通学することができるかもしれませんが、小学生にはなかなかハードルが高く通いたくても通えないという現状があります。
②フリースクールがあってもその情報が届いていない
「不登校」は以前「登校拒否」、さらに昔は「学校恐怖症」と呼ばれていた時代がありました。
その頃から、社会は子どもが学校に行けない原因として「親の過保護」や「甘え」があると考え、保護者や教師たちは無理矢理学校に通わせることで子どもたちは学校に通うことができると信じられてきました。
しかし、それでも不登校の問題は解決することはなく(当たり前ですが)、そればかりか大人の一方的で暴力的な関わりにより命を落とす子どもたちもたくさんいました。
そこで日本では、不登校の子どもたちの命を守るためにも「反学校教育」としてフリースクールが誕生したと言われています。
その流れを汲み、今でも学校では不登校の子どもがいても学校だけで解決しようとする傾向にある所もあり、フリースクールがあるという情報は不登校の子どもの保護者には届けられないという現状もあります。
③そもそもフリースクールに行こうと(通わせようと)思わない
とはいえ、フリースクールが通える距離にありその情報が届いていたとしても、学校や大人への不信感があったり、傷ついた経験からまだ外に向かうエネルギーが溜まっていなかったりと、そもそもフリースクールに通える状態ではなかったり通いたい(通わせたい)と思わない状態の子どもや保護者もいます。
私たちは、一概にフリースクールだけがあればいいとは考えていません。また、反学校教育としてフリースクールを運営しているのではなくむしろ「子どもの最善の利益」を共に考え支援する必要があると考えています。
”フリースクールに通うという選択肢が当たり前になればいい”
私たちは、不登校の子どもたちが通うフリースクールの運営とともに、学校に行っている行っていないに関わらず誰もが受け入れられ自立できる社会を創ります。
これまでの活動



1.一人ひとりに合わせた学習支援
「スタディーサポート」の時間には、学校の課題や受験勉強、オンライン教材、読書、プログラミングなど、それぞれの関心や状況に合わせて学んできました。わからなくなったところまで戻って取り組んだり、職員と相談して自分に合う課題を探したり。自分のペースで学び直せる環境をつくっています。
2.ご飯づくりと、子どもたちの話し合い
昼食づくりでは、子どもたちが献立を考え、調理をし、みんなで食卓を囲んできました。年上の子が年下の子を手伝う姿や、kokoで覚えた料理を家族にふるまう姿も見られます。また、子どもミーティングでは日々の困りごとや過ごし方を話し合い、自分の意見を伝え、違う意見を聞きながら考える経験を重ねています。
3.たこ焼き屋台とカフェでの就労体験
地域のイベントでは、子どもたちと職員が協力してたこ焼き屋台を出店してきました。屋台づくりや味の研究から始まり、原価・売上の計算、調理、接客、会計まで担当。地域の工務店にも協力していただきました。
淡路校「ういるも」ではカフェでの就労体験にも取り組みました。希望する生徒が店のコンセプトやメニューを話し合い、営業後の振り返りを次の工夫につなげてきました。大人が安全や衛生面の責任を持ちながら、子どもたちが本気で考え、仕事を経験できる機会をつくっています。
4.キャンプや自然の中での体験
キャンプや海での活動では、いつもと違う環境の中で友達や職員と協力し、初めてのことに挑戦してきました。企業や活動施設の協力を得て、カヌーで無人島に渡り、ごみ拾いを行ったこともあります。普段の生活では気づかなかった得意なことや、仲間の新しい一面に出会う機会になっています。
5.卒業生の経験を聞く進路相談会
卒業生や学生ボランティアを招き、学校選びや進学後の生活について直接聞く会を開いてきました。少し先を歩く人の話を聞き、気になることを質問することで、自分の将来を具体的に考えるきっかけをつくっています。
6.保護者や地域とつながる活動
親の会「おやさんぽ」や、保護者・卒業生・スタッフが集まる交流の場を通して、家庭だけで悩みを抱え込まずに話せる関係を育んできました。不登校を経験した子どもや卒業生が自分の思いを話すシンポジウムも開催。本人たちの声を、保護者や学校、地域の人たちに届けてきました。
事業の必要経費
子どもたちの学びと居場所を支えるために、法人全体で年間約5,328万円の費用がかかりました。
第16期(2024年9月1日〜2025年8月31日)の活動計算書では、NPO法人ここ全体の経常費用は53,279,345円でした。月平均にすると約444万円です。そのうち、事業費は48,532,941円、法人運営を支える管理費は4,746,404円でした。
子どもの話を聞く。一緒に学ぶ。保護者と相談する。学校を訪ねる。活動の準備や振り返りをする。フリースクールの毎日には、子どもたちと過ごす時間を支える、たくさんの仕事があります。
人件費は年間約3,016万円で、費用全体の約56.6%を占めます。子どもたちが頼れる大人との関係を続けていくためには、職員も安心して働き続けられることが大切です。職員の雇用と育成、働く環境を整えることは、日々の支援を続けるために欠かせません。
家賃と水道光熱費は合わせて年間約888万円。子どもたちが安心して集まり、学び、食事をし、落ち着いて過ごせる場所を維持するための費用です。教材や食材、行事・イベントなどにかかる費用も、一人ひとりの学びや経験を支えています。
同じ第16期には、約581万円の寄付と約534万円の助成金をいただきました。月謝などの事業収入と合わせ、多くの方々の支えによって活動を続けています。経済的な理由で通うことや体験への参加をあきらめる子を減らすため、寄付を活用した月謝の減免や活動参加費の補助も行っています。
子どもたちの「やってみたい」を支え、しんどいときには頼れる場所を、これからも続けていく。そのために、皆さまのお力をお貸しください。

