私たちの取り組む課題



◎自生・増殖する遺伝子組み換えナタネ
毎年、日本には200万トン以上のナタネが輸入されますが、その約6割は遺伝子組み換え(GM)ナタネ(除草剤耐性)です。輸入されたナタネは食用油(キャノーラオイル)や飼料として消費されますが、輸入港から製油工場などへの輸送途中でこぼれ落ち、道路脇などに自生しています。
自生したGMナタネは開花して、タネを付け、そのタネが飛び散って発芽し、また育ちます。さらに、アブラナ科の農作物や雑草(野草)との交雑の可能性を確認されています。
当会では過去に。外見上カラシナ、ブロッコリー、ダイコン、キャベツ、ハタザオガラシ、イヌカキネガラシなどと思われる個体から組み換えタンパク質が検出されたのを確認しています。つまり、GMナタネとアブラナ科農作物や雑草が交雑して、組み換えタンパク質が移行したものだと思われます。
当会では毎年、GMナタネ自生調査を実施するとともに、「抜き取り隊」で大量のGMナタネの抜き取り活動を行っています。
遺伝子組み換えナタネ抜き取り隊について↓ https://gm-chubu.sakura.ne.jp/gm-natane.htm
◎遺伝子組み換え食品・ゲノム編集食品の表示制度
日本の遺伝子組み換え食品表示制度には、大きな問題点があります。また、ゲノム編集食品には表示義務がありません。一般市民に向けて遺伝子操作食品の表示問題について普及啓発するとともに、表示制度の改革を目指して行政との交渉などを行っています。
[遺伝子組み換え食品の表示制度]
日本で流通が認められた遺伝子組み換え食品は、9農作物(大豆・トウモロコシ・ばれいしょ・ナタネ・綿実・アルファルファ・てん菜・パパイヤ・カラシナ)です。
これらを使用している食品には、遺伝子組み換えであることを表示しなければなりません。しかし、遺伝子組み換え農作物が、原材料の上位3位以内でかつ全重量の5%を占める場合以外では、表示義務がありません。また、醤油や食用油などは組み換えタンパク質が検出できないため、表示義務がありません。
つまり、私たちは知らないうちに遺伝子組み換え食品を購入して、食べている可能性があります。
◎遺伝子操作食品についての正しい知識の普及啓発
遺伝子組み換え食品やゲノム編集食品のほかにも、遺伝子操作された食品はあります。たとえば、重イオンビームや中性子線を照射することで人為的に突然変異を引き起こした作物もあります。
また、動物の細胞を人工培養したものを原料とする「細胞培養食品」について、国内流通のためのガイドライン作りが進められています。人工的にタンパク質を生成する技術を用いて、「新しい食品」を生み出そうという研究も行われています。
このような遺伝子操作食品にはどのような問題があるのか、広く市民のみなさんにしていただくための活動を行っています。
なぜこの課題に取り組むか



◎遺伝子操作食品による被害拡散を未然に防ぐ
遺伝子組み換え作物(GMO)の商業栽培が米国で始まったのは1996年です。その後、ナタネ・大豆・トウモロコシ・綿実などを中心に、GMOの栽培は世界各地に広がりました。それに伴い、さまざまな問題が顕在化する一方で、その対策は進んでいません。
また、ゲノム編集食品が日本で流通が認められたのは2019年ですが、ゲノム編集食品によって環境や人体にどのような影響があるのか、充分な調査は行われていません。
新しい科学技術は私たちの暮らしによい影響を与えてくれる一方、負の側面を併せ持つことが少なくありません。そして、その負の影響は、場合によっては何十年も経ってから明らかになることがあります。
遺伝子操作食品にどのような問題があるのか、もし、そのような問題が明らかになったときに何ができるのか、私たちは知っておく必要があります。
支援金の使い道



◎遺伝子組み換えタンパク質の検出
調査対象である遺伝子組み換え(GM)ナタネには、組み換え遺伝子(除草剤耐性遺伝子)が組み込まれていますが、それを検出する方法は下記の2つがあります。
・簡易検査キットによる検査
遺伝子組み換え技術によって組み込まれた遺伝子(組み換え遺伝子)によって作り出される特殊なタンパク質を検出する試験紙(簡易検査キット)を用いて、採取した検体(ナタネ)を検査します。
組み換え遺伝子には「グリホサート耐性(除草剤ラウンドアップ耐性)」と「グリホシネート耐性(除草剤バスタ耐性)」の2種類があるため、1つの検体に2本の試験紙が必要です。試験紙はそれぞれ約1,200円なので、1検体を調べるためには2,400円必要です。
・PCRを用いた検査
試験紙よりもさらに高精度に調べる方法が、PCR検査です。PCR検査は、1検体10,000円の料金が必要です。
◎交雑を確認するための検査
アブラナ科植物は、他品種との交雑が起こりやすいことが確認されています。
当会の調査で、外見上アブラナ科雑草(イヌカキネガラシ・ハタザオガラシなど)やアブラナ科農作物(ブロッコリー・ミズナ・ダイコンなど)と思われる個体から、組み換えタンパク質が検出されました。しかし、この検体が本当に交雑したものなのか、あるいはGMナタネの外見が変化しただけなのか、科学的に検証できていません。
GMナタネとアブラナ科雑草やアブラナか農作物との交雑を科学的に証明のためにDNAや染色体の分析をするには、高額の料金が発生します。
◎講演会などの開催
GMナタネの調査結果、遺伝子操作食品の問題点や食品表示のことなどを、広く市民のみなさんに知っていただくために、当会では講演会やドキュメンタリー映画の上映会などを定期的に開催しています。

