私たちの取り組む課題
移民の子どもたちへの教育支援
メキシコおよび中米地域には、様々な要因で教育や保健の機会に十分に恵まれない人が多くいます。災害、治安、貧困問題ゆえに、中米諸国(ホンジュラス、グアテマラ、エルサルバドルなど)からメキシコを縦断しアメリカを目指す「中米移民」は、人道的にも大きな問題となっています。「中米移民」の人達は、アメリカへの入国(難民申請など)がなかなか認められず、メキシコに滞在し続ける場合が多くあります。なかには18歳未満の子どもが単独で危険な道のりを旅していることもあります。民間の支援施設等で保護されて長期にわたって生活していても、きちんと教育を受けられるのが難しいのが現状です。
また、メキシコの国内移民の子どもたちへの教育支援も重要です。先住民の人達が経済的理由で都市に移住してくることはよくありますが、そういった子どもたちが言語や生活習慣の違いによって学習に困難を伴うこともしばしばです。都市部の先住民コミュニティでは、学習支援を必要とする子どもたちがたくさんいます。
そこで私たちは主に、移民の子ども達への教育支援を対面またはオンラインで実施したり、教育を提供する現地NGOへ寄付を贈ったりしています。
より多くの人に知ってもらうための活動
中米移民やメキシコの先住民問題などをより多くの人に知ってもらうべく、日本国内でセミナーやイベント、中高生向けの出張授業や講演も行なっています。
なぜこの課題に取り組むか
中米移民の子どもたちは、治安状況のよくない祖国で、あるいはアメリカまでの長い行程の中で、十分な教育を享受することができない場合が多くあります。とりわけ、算数や英語などの基礎学力欠如は、彼らの将来の選択肢を狭めるのみならず、彼らの命を危険にさらすことさえあるのです。しかし、基礎教育の重要度に対する認識は低く、移民支援施設でも十分な教育がなされていないのが現状です。
また、先住民コミュニティの子どもたちも、移住先の都市部で学習のための教材や言語面の支援が不足している厳しい状態にあります。先住民出身であることで差別されることもあります。
そこで、私たちに少しでもできることがあるのなら、国境、そして国籍を超えてサポートをするべきであるという使命感から、この活動を実施しています。
また、移民への教育問題は、日本にとって全く無関係の問題ではありません。現時点で、外国籍の子どもの中で、学校に行かない不就学の小中の児童は10万人以上存在すると推定されています。外国人との多文化共生がこれまで以上に求められる日本において、これは放置できる問題ではなありません。
中米移民の子どもたちの現状を日本国内の多くの人に知ってもらうことは、少しでも国内の外国人に関わる問題への意識を高めることにつながると考えます。こうした国際理解教育という面からも、海外で起きていることを共有することは非常に重要であるはずです。
寄付金の使い道
①現地の慈善団体への支援
…AENNAMとかかわりが深い現地の団体への寄付、災害等の緊急時に信用できる現地NGOや市民団体への寄付。中米出身の移民支援施設、先住民への支援を行うNGOなど。(詳しくはホームページをご参照ください。)
②活動資金
…現地活動時の教材作成費、セミナー・イベントの運営費など
※1枚目写真;メキシコシティで活動する、先住民オトミを支援する団体”CIDES Colibrí”より提供。
2枚目写真;ベラクルス州で活動する、列車で移動する中米移民を支援する団体"Vive Migrante"より提供。