私たちの取り組む課題
〇環境負荷の少ない暮らしの実践:有機農業による野菜栽培、コンポストトイレや太陽光発電を活用したオフグリット生活、段ボールコンポストづくり、馬や羊の放牧による草地管理
〇森林の維持管理:樹木調査、森林の間伐やつる切りなどの作業、広場やフットパスの整備
〇座学と実習によるセミナー開催:タイニーハウス建設、再生エネルギー、手作り浄化槽、家畜の飼い方、天然素材を使った料理教室、グリーンツーリズムなど
〇自然体験プログラム:子どもや修学旅行生の受け入れ、フットパスツアー
〇グループ研修:JICA森林GIS研修、SDGs企業研修、大学の実習(北大、北海道科学大)
〇ボランティア受け入れ:農作業、薪割り、建設・土木作業、地域行事への参加など
なぜこの課題に取り組むか
私は、行政および市民活動の現場を通して、テーマやセクターごとに分断された世界での問題解決は限界だと感じてきました。地球レベルで起きている環境問題、地域レベルで抱えている経済問題、そして一見個人レベルと捉えられる引きこもる若者の問題も、根っこはつながっています。すなわち「無限の成長(消費)」への幻想と依存の心です。課題は、巨大な仕組みの中で様々なものが分断されていることにあり、解決のためには幻想から脱却して小さく自立すること、つまり「自分でできることは自分」でという精神と隣人同士が助け合う仕掛けを創ることにあると考えました。
私は13年勤務した市役所を退職し、2006年から2008年にかけて、イギリスを中心にヨーロッパのエコビレッジを訪問しました。そこでは、住民が協働して人間らしく、かつ環境負荷の少ない暮らしを実践していました。コミュニティは小さなところで10人、大きなところでは500人、1000人という規模で営まれ、子育てや障がい者の自立支援など社会福祉的な役割も果たしています。
縦割り的な行政組織や利潤追求がメインの企業組織とは異なり、エコビレッジでは住民が対話と合意形成を重ね、農業も経済も、環境も福祉も、暮らしに関することは全てつなげて考え行動していました。何より素晴らしいと思ったことは、コミュニティには特別な技術や資格がなくても、子どもでも高齢者でも身体にハンディがあっても誰にでも役割があり、感謝し、感謝されるチャンスがあることです。さらに、日常の労働や暮らしを外部の人たちとも共有し、その機会がまた多くの人びとの学びや気づきのチャンスにもなっていました。
私はエコビレッジの仕組みが日本の人間力、地域力をアップさせ、高齢化する農山村を活性するヒントになると考えました。人びとが自分たちの暮らしを自らの手で作る、それを仲間や地域で分かち合う社会、それが実現すればエネルギーや食料の問題、補助金に依存する地方の経済を解決する糸口にもなると信じています。
寄付金の使い道
「ワインブドウの栽培と醸造」
当団体では、3反のワインブドウを栽培し、地域仲間のワイナリーでワインを作っています。
化学的なものは使わない栽培、電気を使わない醸造で、ナチュラルなワインづくりを心掛け、プロセスには会員をはじめたくさんのボランティア、修学旅行生や体験ツアーの旅行者にも参加してもらっています。
プロ農家の指導を得て丹念に管理をしたのが実を結び、昨年はとても質のよいブドウができました。
初めて赤ワインにも挑戦し、今年は新しい品種も植えようと、ワインへの期待が高まっているところです。
しかしながら、今年はコロナ騒動で、いつも作業を担っている外国人ボランティアが来れないという事態になりました。
今年は雪解けが早く、気温も高いため病気や害虫が心配されていますが、化学的なものを使わない農業にはたくさんの人手が必要なのです。
そこで、国内の大学生や一般に向けて、援農ボランティアを募集しようとしています。
頂戴した寄付金は、ブドウ栽培の経費やボランティアの滞在費に当てさせていただきます。
どうか応援よろしくお願いいたします!