すべてのこどもが、こどもたちの中で育つ社会へ
2023/10/10 20:04
目に留めて頂きありがとうございます。
今回は福井県在住のハンデっ子ママグループの坪内さんの話をご紹介させて頂きます。
福井県在住ハンデっ子ママの家族グループ 「てくてく」 坪内さん
私には、13歳になる、寝たきりで、医療的ケアが必要な双子の男の子と、大学生の娘が1人います。
3人を育てていく上で、お姉ちゃんには居場所が地域にもたくさんあって、当たり前の生活が送れていたのですが、
2人の居場所は、全て特別なところにしか無くて、しかも選択肢は殆どありませんでした。
今までの常識が180度リセットされて、双子を育てるスタートラインに立ったのですが、
当時は、殆ど地域の支援体制が無く「お母さん、あなたが創っていって下さい」と言われての退院でした。
前例のない中を、こどもたちの成長と共に、今なお試行錯誤しながら、走り続けています。
そんな中で一番、私に学びを与えてくれるのが娘の意見でした。
『それって、お母さんの意見だよね !』ということをよく言われて、
娘に良かれと思ってしていることが、実は、全然良くなかったり、
本人は、本当はこうしたかったんだっていう事を、弟たちのことも含めて、意見を言える娘から教わりながら日々過ごしています。
私が子育てをする中でモヤモヤしているのは、「すべてのこどもがこどもたちの中で育ち合うことが出来ない社会」になっていることです。
これも、中学生になった頃に娘から
『小学校も中学校も、違う学校に通っているから、友達いないの可哀想やなー、私やったらありえんわー!!』と言われハッとしました。
特に日本は、小学校から、居住地外の特別支援学校に入学すると高校卒業まで、ほぼ大人としか接点が無いのです。
特に、我が子たちのような寝たきりで、医療も必要で色々な問題がある子ほど、
同世代のこどもたちと出会うチャンスは、殆どありません。
18歳になる、特別支援学校の高等部卒業時には、成長過程で障がいが重くなればなるほど、
その存在すら知られることの少ない彼らは、社会の居場所が更に少なくなってしまうのが現状です。
本来、「教育」とは、「一人ひとりの社会的自立」も含めて、取り組んで行くものではないのでしょうか?
自分で自分のことが出来るのも、もちろん「自立」ですが、意思疎通が難しかったり、
寝たきりで、全てが他者依存であったとしても、
1人の人間として、そのような「自立」の選択肢も必要だと思います。
そのようなこどもたちは、何にも出来ないかというとそうではなくて、
あたりまえに何でも出来る私たちには、なかなか感じることの出来ない、周囲を動かす凄い力を持っています。
お互いがエンパワメントし合える仲間としての「出会い」や「育ち合う環境」は、全ての人が幸せに生きる為に必要です。
私は「子どもの権利条約」が制定されている事すら知りませんでしたが、これを機に、1つずつ学びながら、
こどもたちと共に創って行く未来に活かしていきたいと思っています。
← Back to all activity reports