【WE21ジャパン25年のあゆみ➂ 】~アジア地域との民際協力~
2023/10/27 18:00
9月6日で25周年を迎えたWE21ジャパンの活動を継続したい!設立記念寄付キャンペーンを実施中です!【~10/31まで】
設立記念寄付キャンペーンに合わせて、WE21ジャパンの25年の歴史を振り返るミニ連載をお届け!本日は第3回です。
四半世紀の節目に、WE21ジャパンが取り組んできた活動を振り返りたいと思います。ぜひお付き合いくださいね。
【WE21ジャパン25年のあゆみ➂ 】~アジア地域との民際協力~
「リサイクルで海外支援を!~アジアの女性たちの自立を支援する~」これがWEショップを始めた頃のキャッチコピーでした。世界の環境問題、貧困問題は、私たちの国の政策や経済活動、市民の暮らし方に関係があると気付いた私たちは、設立当初から「WEショップの収益で海外支援する」こと、特に「アジア地域」への支援を行ってきました。
●アジア地域と「顔の見える」関係づくり
日本の経済発展は、明治以降の近代化の過程でアジア地域を植民地化し、資源や労働力を安く維持することで進められました。また第二次世界大戦ではアジアの国々を侵略し多大な被害を与えました。WE21ジャパンはその反省から、アジア地域に平和を築くために、市民と市民の交流と協力の場を数多くつくり、「顔の見える」信頼関係を築いていくことが大切と考え、活動を行ってきました。
●Women’s Empowerment=WE
世界では人道支援が必要な人の75%以上が女性とこどもであると言われており、世界の貧困層のうち、1日1.25ドルで暮らす70%は女性だといわれています。また、世界の非識字者の60%以上が女性であり、「女性が力を高めること、本来持っている力を引き出すこと=Women’s Empowerment」をWE21ジャパンでは団体名にも掲げて大切にしてきました。最初は、技術を身につけ収入向上を図るなど、女性が目に見える形で力を付けていくことから始めましたが、次第に女性だけに特化した事業ではなく、女性も男性も含めた地域社会全体を視野に入れ、組織決定の場に女性が参加することを大切にするようになっていきました。
●設立当初から続くベンゲット州カパンガン郡のひとびととの友情
25年間のWE21ジャパンの民際協力を象徴する活動として、ベンゲット州カパンガン郡の住民組織ウバパス、ダイヨコン、ランパダの方たちとのパートナーシップがあります。
2000年にWE21ジャパンは初めてのスタディツアーを開催し、フィリピンのベンゲット州カパンガン郡を訪問しました。ここで住民組織ウバパスのメンバーと出会い、ホームステイや交流を行いました。この時のことを、コーディネーターであるNGOシュントック財団のスタッフアイダさんはこう振り返ります。「WE21ジャパンの皆さんはホームステイを通して、住民の方たちと同じものを食べ、同じ場所で寝て、現地が抱える課題をその目で見て、活動を作ってきました。」この交流によって、病院がない活動地の課題を知り、WEショップによる母子保健事業、地域保健事業への支援が始まりました。病院がない集落でも住民たちの健康を守るため、鍼灸、マッサージ、薬草療法等の代替医療が行われています。これらの保健事業では、最初に住民組織ウバパスへの支援が行われた後、支援を受けたウバパスが、近隣の集落へとその学びを伝えたことで、住民組織ダイヨコン、ランパダへと支援の輪は広がっていきました。
(写真:最初に実施したスタディツアー)
(写真:地域保健事業)
WEショップの店舗数拡大に伴い、支援活動も拡大していく中では、WE21ジャパンの支援の柱である「アジア地域で市民同士の交流を進め、連携・連帯を図りながら平和な社会をつくる」ため、「アジア交流市民の家」構想が開始し、2003年からはフィリピンのNGOや住民組織とのネットワークへの支援も行われました。ベンゲット州は、山岳地帯に暮らす先住民族の方たちが厳しい環境の中でも、先住民族の教えに沿った「助け合い」が実践されており、そうした精神が生きている、住民組織のネットワークNGOである「ベンゲット・ネットワーク」を支援することで、住民組織ウバパス、ダイヨコン、ランパダは生活向上と組織としての自立が大きく進みました。結果、それぞれの住民組織は、小さなNGOと呼べるまで成長しました。
住民組織が力を付けたことで、2010年からは支援金を送る支援だけではなく、ジンジャーティ(現在の森育ちのしょうがパウダー)のフェアトレードによる側面支援が開始しました。ジンジャーティは薬草療法の一環で、風邪の予防に飲まれていた「しょうがのパウダー」で、ピリッとしたしょうがの辛さがしょうが好きには堪らない味で好評です。
現在では住民組織は、フェアトレードの売上だけで地域保健活動を行っています。売上は基金として各住民組織が管理し、住民たちが町の病院に行かなければならなくなった時の交通費や診療費の貸出に使われています。この基金は、コロナ禍にロックダウンにより、住民たちが野菜等の産物を村の外に販売する事ができなくなり、収入がゼロになるという危機を迎えた時にも活用され、各組織が義援金の提供や、フードドライブの実施等、住民たち自身が地域の生活困窮者へあたたかい支援を行いました。地域保健という集落が抱える課題を、自ら収入を得て、自分たちの力で解決する彼女たちの姿は、WE21ジャパンが目指してきた民際協力を象徴するものとなっています。
(写真:森育ちのしょうがパウダー)
●これからの25年間も世界各地に問題を解決できる力を育てます!
現在は、地球温暖化、格差による貧困、そして新型コロナウイルス感染症流行と、世界には新たな課題が次々に生まれています。ミャンマーでの国軍のクーデター、ロシアによるウクライナ侵攻、そして現在も進行しつつあるイスラエルによるパレスチナへの攻撃と、平和を脅かす事態も次々に生まれています。
そうした情勢の中では、地域が抱える課題に自ら取り組む力を育てることがとても重要になります。これからの25年間も、世界40か国の人びとと連帯し、課題を解決できる力を育てる民際協力事業を行っていきます。
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次回投稿が最終回です!
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