先生方の想い④
2023/8/19 11:43
滋賀朝鮮初級学校は私の母校です。ここでのたくさんの学びや思い出が今を生きる上での大きな支えとなっています。
「自分の名前を一番大きく、きれいに書きなさい。」
小学生の頃の期末テスト中、私がとあるソンセンニム(先生)に言われた言葉です。それを真に受けた当時の私は、テスト問題には目もくれず、用紙に書いた「조숭호」という名前を消しゴムで何度も消しては書き直した記憶があります。自分が納得する字を書けたときには、大きめの練り消しができるほどの消しカスが手元に散らばっていました。笑
自分の名前は、大きく、きれいに。
今でもその言葉を思い出しては自分の名前を書き直すことがあるのですが、ソンセンニムのこの何気ない一言に、子どもたちがウリハッキョ(私たちの学校)に通う意味の全てが詰まってるんじゃないかなーと、この文を書くにあたってふと思いました。
ウリハッキョとは、ウリマル(ハングル)を通して自分の存在を知り、認める場所。この日本社会で本名を堂々と掲げ、朝鮮人として生き抜くための心の土台をつくる場所です。
そんな素敵なウリハッキョが一つ、また一つと存続の危機にさらされている現状にやるせなさを感じます。ウリハッキョがなくなるということは、子どもたちが自分の名前や存在を誇れないまま、この先の長い人生を過ごすことにつながりかねないからです。
いま、私は一年生の担任をしています。ウリマルを習ってまだ半年も経っていない彼らの教室には、形が不揃いで、消し跡で汚れていて、それでいて枠からはみ出るほど大きく書かれたウリマルの名前がこれ見よがしに飾られています。これから立派な朝鮮人になってやるぞー!と土の中で懸命にもがくさなぎのように見えてきます。
子どもたちの豊かで自由な学びを保障するため、滋賀ハッキョへのご支援をよろしくお願いします!
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