絵本「ふくちゃんのぼうけん」豆知識 最終回「絵はがき売りの少年」
2022/11/11 12:43
ミャンマーを舞台にしたSOSIAメンバー作画の絵本「ふくちゃんのぼうけん」にちなんだ豆知識をお届けするシリーズの最終回です。
オリジナル多言語絵本 ふくちゃんのぼうけん - SOSIA ~ミャンマーの子どもたちの夢を広げるNGO~ (ngo-sosia.net)
ミャンマーよもやまばなし⑥絵はがき売りの少年
「ふくちゃんのぼうけん」の中で、実は私のいちばん思い入れのある出会いのシーンが、絵はがきを売る少年のシーンです。
ミャンマーでは子どもたちがストリートで物売りをする光景がよく見られます。初めてミャンマーを訪れたときから、このような少年たちにはよく声をかけられました。見た目5〜6歳くらいの(そう見えて栄養不足から発育が遅く実際は10歳くらいだった子もいましたが…)小さな子たちが、生活のために絵はがきを売っています。
彼らは行き交う人々の中から観光客を見極めて話しかけ、相手に合わせて英語や日本語を使いこなします。
人懐っこく屈託のない笑顔で、一緒に写真を撮ってもいいよ〜と言ってくれたりします。写真撮ったんだから買ってよ、と一人前の交渉をしてきます。でも、買えないよというと、あの手この手で粘りはしますが最後は決して怒ったりせずに爽やかにバイバイしてくれるのです。優秀な営業マン!
私は一度だけ絵はがきを買いました。
そういう少年は何人もいるので、全部買っていたらキリがないから買わない、と決めていたけれど、あるとき、今日が滞在最終日だからと気が緩んで買ったのです。
少年は、「日本知ってる、日本語たくさん話せるよ。だからぼくは日本で仕事できるよ。」と嬉しそうに話してくれました。
本当にまぶしい素敵な笑顔だったので思わずカメラに収め、以前開催したSOSIAの写真展でも展示させてもらいました。
それが15年くらい前の出会いです。当時10歳前後だったとして、今はもう立派な青年になっていることでしょう。
あのとき言ったとおり、日本で仕事をしている可能性もゼロじゃないだろうと思っています。ただ、学校へも行かず絵はがき売りで家計を助けていた彼がそういうステップアップをすることはとても難しいことだろうとも思います。健康に成長し、大人になっているかどうかも、わかりません。
大人になったであろう彼のことを考え、ここに少年の写真は載せません。
写真は、そのとき彼から買った絵はがきです。
ふくちゃんが出会う少年のモデルとなったのが彼なので、想像しながら読んでくれたらと思います。
そして、何か興味を持ったり調べたりするきっかけになってくれたらと思います。気になったらぜひ、SOSIAのWEBサイトを見てみてください。
ホーム - SOSIA ~ミャンマーの子どもたちの夢を広げるNGO~ (ngo-sosia.net)
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