旧日本兵の慰霊を続けるミャンマー中部の村
2022/11/3 15:08
日本とミャンマーは歴史的なつながりが色々ありますが、あまり知られていません。今日は、SOSIAメンバーで写真家でもある亀山仁さんのエピソードをご紹介します。
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2020年3月8日早朝、ミャンマー マンダレー管区のメティラ近郊のウェッレッ村で毎年開催されている慰霊祭に参加しました。
太平洋戦争で19万人が亡くなったミャンマーのかつての激戦地で今でも慰霊祭を続けています。日本軍はインパール作戦などで大敗し防戦一方となっていた1945年3月にウェッレッ村でも日本と英印連合軍と戦闘がありました。
しかし戦力の差は歴然で英印軍は歩兵2000人に重戦車30両、迎え撃つ日本軍第49師団168連隊の第1大隊は歩兵300人と大砲2問と記録されています。しかも敗走を重ね食糧や武器も乏しい日本軍は多くの戦死者を出し敗退、当時の人口150の村は全焼しました。
その戦闘で日本軍の指揮をとっていた中隊長、中村清一さん(2019年99歳で逝去)は帰国し、1975年に遺骨収集団として30年ぶりに村を訪れました。そのときに村の村長さんことエイモンさん(現在90歳)が中村さんに話しかけました。「戦いを木の上から見ていた。私は13歳だった」続けて「あの畑の中を走っていた日本兵もいた」と語り、それは中村さん自身のことでした。
中村さんは定年退職後1990年代半ばから慰霊と遺骨収集に現地に出かけ1998年には村に井戸を寄贈、その後もエイモンさんを日本に招待するなど交流を続けていました。そして2000年に慰霊塔と仏塔を建立し、村人が集まる集会室も建て毎年戦闘のあった3月8日に慰霊祭が行われるようになりました。
私が参加2020年は前年、中村さんが亡くなり、ご遺族の方々が参列するとお聞きし、私も同席させてもらいました。
表紙の写真はその時の慰霊祭の様子です。
昭和から平成にかけての時代はこのような慰霊祭がミャンマーで何ヶ所も行われていたと思います。しかし当事者の高齢化で現地へ行くことができなくなり、中止になっていることは容易に推測できます。そのような中、現在もご遺族の意思と現地とのコーディネートに尽力してくださる中村さんご友人たちが慰霊祭を続け、2021年はコロナと混乱のなか慰霊祭はできませんでしたが、今年(2022年)は人数は以前より少ないものの3月8日に慰霊祭が開催されたのをSNSで拝見しました。
ミャンマーは親日国と言われますが、それは戦後賠償や巨額のODAなどだけではなく、中村さんのような人たちが戦争中に現地に人たちに迷惑をかけたことに対して、さまざまな交流や支援を通して恩返しをつづけたことが「親日国」に貢献していると私は感じました。
こちらの写真は当時エイモンさんが中村さんたちの戦いを見ていたマンゴーの木です。
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戦争という悲しい記憶をもつ日本とミャンマー。その歴史を平和なものに塗り替えていく小さな交流が続いてきました。ミャンマー子どもの学びを支援する本キャンペーンも、次世代への平和の絆のひとつとなりますように。
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