「例年通り」まであと一歩! ラインナップ会見詳細リポート(3)
2022/10/9 10:10
引き続き10/4に行われたラインナップ会見詳細リポート(3)、質疑応答篇をお届けします。
質疑応答では、作品選定や映画祭の運営について様々な質問が寄せられました。主なものをピックアップしてご紹介します。
Q:昨年と一昨年に実施したオンライン配信を今年中止した理由は?
A:2020年と2021年は配信に使える助成金があったので実施しましたが、今年は海外からのゲストの来場も予定していますので、足元の対面上映に重点を置いて準備をしています。オンライン配信は一昨年はニーズがありましたが、昨年はNetflixや Amazon以外にも配信サービスが増え、実を言うと高コスト低収益の芳しくない結果でした。海外の映画祭も、昨年まではオンライン配信が世界的に広まっていましたが、今年に入ってその流れも無くなりつつあり、上映作品の権利元との交渉でも「配信無し」が前提になっています。
Q:同時期開催の東京国際映画祭との差別化を意識して作品選定をしたのでしょうか? 相互で相談などはしていますか?
A:共催企画のツァイ・ミンリャン監督特集はもちろんお互いに相談しつつ進めました。しかし、それ以外は基本的にないですね。お互いどんな風に選考が進んでいるのか、まったく分からない状態です。差別化については、東京国際映画祭の「アジアの未来」部門は基本的にワールド・プレミア(世界初上映)やインターナショナル・プレミア(製作国以外で初上映)の作品を選ぶことになっているので、意識しなくても自然と選ぶ映画が別れるようになっています。ただ、日本映画部門については、ちょっと重なる部分があるかもしれません。
Q:クラウドファンディングに取り組んだ理由は。目標が達成された場合の追加内容を教えてください。
A:キャンペーンサイトにも書きましたが、例年いただいてきた助成金が今年は大幅減額されたことが大きな要因です。他にも通常は採択される助成金が不採択だったり、協賛を得られなかったり。今現在も回答を待っている助成プログラムもあります。クラウドファンディングの目標が達成されたらそちらと合わせる形で会期を1日増やし、例年通りの開催にできればと考えています。具体的な内容について現時点ではまだ申し上げられませんが、目標が達成された場合は、追加発表させていただきます。どうかそれまでお待ちいただきますようお願いします。
(文・深津純子)
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