病院でのいわさきちひろピエゾグラフ展、始まりは、長野県立こども病院でした
2022/8/19 14:48
「音楽や文学や美術は心の栄養」
「体の具合がすぐれないときこそ心の栄養が大切」
「こども病院を美術館にしよう」…
当時の院長先生とちひろ美術館との思いが一致し、長野県立こども病院で、初めてちひろのピエゾグラフ展がスタートしたのは、2006年9月のこと。あれから、もう、15年以上が経ちました。
外来待合室や、院内図書館の隣、家族ラウンジ、プレールーム、新生児病棟など、院内の10か所以上に、いわさきちひろのピエゾグラフ作品を、あわせて常時45点ほど飾っています。
季節に合わせて、作品の入れ替えも行っています。どの場所にどんな絵を飾ったらよいか、病院スタッフの方にご希望を伺いながら、院内の子どもたちや来院された方、一般の方々など見てくださる方たちの姿を思い描きながら、作品を選んでいます。飾りつけ作業でうかがうと、お母さんの膝の上でじっと絵を見つめている子どもや、「ちひろさんの絵だ!」「いつも見て癒されています」と微笑みながら通り過ぎていくスタッフの方もいて、とても励みになります。
展覧会のほかに、病院にスタッフを派遣して、入院中のお子さんを対象に絵本の読み聞かせや、ちひろの水彩技法ワークショップを行うこともあります(写真は、2014年12月の様子)。
昨年は、初めて取り組んだアニバーサリー・ギフトでお寄せいただいたご寄付をもとに、病院での展示用ピエゾグラフ作品をあらたに17点制作することができました。先日、そのうちの5作品を、長野県立こども病院の南外来と産科外来へ、飾りつけにいきました。新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、作品の入れ替えができたのは3年ぶり。
掛け替えに気づいた患者さんや、スタッフの方より、「作品が変わるとまた雰囲気が変わりますね」とのお声もいただき、とてもうれしく思っています。作品を見た患者さん、ご家族、スタッフの方々の気持ちが少しでもやわらぎ、楽しんでもらえたらと願っています。
病院でちひろのピエゾグラフ展をご覧になった方からのメッセージ
ちひろ美術館では、地域で活動する様々な施設、団体との交流を積極的に進め、美術館が地域に果たせる役割を一緒に考えていくことが、地域との連携をより深く発展させるために大切なことだと考えています。これからも、みなさまのご支援をよろしくお願いします。
(寄付担当:中平)
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