ネコを保護する舞台裏(前編)
2022/2/22 09:15
当然ですが、保護依頼はいつも突然やってきます。 「子ネコを見つけた」「弱った子がいる」「飼い主の病気で飼えなくなった」など…。
その都度、何度も電話やメールでやりとりして情報収集やアドバイスをします。 同時にできる限り保護するよう、大至急各方面に相談をかけます。 ネコを保護するにはいろんな条件をクリアしなくてはなりません。まずはネコそのものの条件です。
人のことを強く恐れている子(多くの野良ネコがそうですが)は、時間をかけてもほとんど人に懐きません。 保護することは人から逃れられない暮らしを強いることになり、とても気の毒です。この状態で里親を探すこともほぼ不可能です。 他方、ネコが苦手な子もいます。ネコは単独行動が多い動物で、他のネコと仲良くできるとは限りません。 施設に保護されると、ずっと多頭飼育の環境で暮らさなくてはなりません。苦手なネコと限られた空間でずっと暮らすのは、苦痛以外の何物でもありません。 一度保護して様子を見てみては?そう思う方もおられるかもしれません。
でも、一定期間人のもとに置いた子は元の場所に戻すことが難しいのです。 住んでいた場所を長時間離れた子はテリトリーを無くします。 人との生活で匂いがつくのか他のネコからいじめられることもあり、以前と同じように生活することが難しくなります。 こうなると遺棄とかわらない状況になってしまいます。
そして、施設に保護する場合、他の子に病気を移すリスクのある子は入所させられません。 風邪、胃腸炎、皮膚病など急性の感染症は入所前の隔離期間に治療をしますが、生涯にわたる伝染性疾患のキャリアついては、現状のCWCでは保護ができません。 将来はキャリア別に保護できるスペースを確保したいと願っています。
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