TNR活動について 〜後編〜
2022/2/6 14:06
前回の記事はこちら→「TNR活動について 〜前編〜」
TNR活動をスムーズに実施するにあたり、餌やりのマナーを理解が重要であることを前回の記事ではお伝えさせていただきました。 実際にスタッフが、野良ネコに餌をあげている方に遭遇することがあります。 この時はネコがさくら耳(手術済である印として耳の先端をV字に切ること)でなければ、餌をあげている方にTNR活動についてご説明します。
多くの方は、周囲からの苦情を恐れ早朝や夜中にこっそりと餌をあげています。このため捕獲はネコたちが餌をもらいに出てくる時間=早朝や夜中に行います。 野良ネコは警戒心が強く、なれないものが置いてあると寄ってきません。まずは下見に行って捕獲場所を決め、数日前から捕獲器を扉が閉じないように設置してその中で餌をあげて慣らしてもらったり、おなかをすかせておくため前日は餌をあげないようにしたりします。ほかにも餌をあげている人がいるとおなかが満たされていて捕まらないので、その点もあらかじめチェックが必要です。 捕獲後はいったん連れ帰って朝までネコの状態を観察し、病院があいたら受診、手術翌日に再度病院まで引き取りに行って状態観察、落ち着いている子は当日、問題のある子はしばらく手元でお世話をしてから元いた場所にリターンします。
ここで一番大切なのは全頭を手術しないとまたネコが増えてしまうということです。できるだけ一気に捕獲、手術したいところですが、捕獲当日に姿を現さない子、賢くて捕獲器に入らない子、他の子が捕まったのを見て近づかなくなる子、など様々で、全頭TNRするためには何日も現地に通い、何時間もがまん強く待つ必要があります。ネコたちとの知恵比べ、忍耐勝負です。
TNRを依頼してくる方の中には、そこまでやらなくてもとお考えの方も多いですが、1匹の母ネコから数年後には何百匹もの子孫が増えるといわれています。何の罪もないのにTNRされるネコは本当に気の毒だと私たちも思っています。けれど、人の社会が野良ネコを不要なものとして殺処分する社会である限り、殺される不幸なネコを無くすためには現時点ではこれしか方法がありません。
生まれてきては不幸になるネコを減らし、今いるネコたちを一匹でも多く幸せにする、その目標のために私たちは頑張っています。 どうぞみなさまご理解をいただき、私たちの活動をご支援いただければ幸いです。 よろしくお願いいたします。
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