【エディブル授業レポート】小学4年生~循環を感じよう!(前編)
2021/12/27 19:37
いつも応援ありがとうございます!
今回は、今年度行われたエディブル授業の様子を紹介したいと思います!
「循環」をテーマに総合的な学習の時間で展開される4年生のエディブル授業。
循環マップを作ったり、ガーデン中の落ち葉を集めてコンポストに入れたり、わき水と水の流れのケアをしたり。
子どもたちはたくさんの体験を通して「循環」を感じていきました。
この4回にわたる学びの仕上げとなる最終回。
さて、ここからは私たちの仲間であり、プログラムディレクターの“りさ”こと、風間理紗にバトンを渡します。
********【4年生エディブル授業レポート】\循環を生かして、ガーデンを作ろう!/
黄金色に染まった銀杏の葉がキラキラと舞い散る11月24日、この春から担任の先生方と話し合いを重ね、経験ゆたかな素晴らしいゲストティーチャーの面々をお招きし、ESYJのスタッフ、ボランティアのみなさん、そして子どもたちと一緒に紡いできた4回シリーズの循環授業の最終回が行われました。
この回に至るまで、子どもたちは「循環」をテーマに校内の循環マップを作ったり、分解を匂いを頼りに感じたり、落ち葉を集めてコンポストに入れたり、わき水のケアをしたり、たくさんの体験を通して「循環」を感じてきました。
その仕上げとして今回行うのは、今までの体験とそれらの活動で生み出された全てものを循環させて生かす新しいガーデン作りです。
ガーデンの材料となったのは、校内の「水路の底によどむアク」や「法面(のりめん)をおおうクズのつる」、「木の陰にたまった落ち葉」。どれも、第一回の授業で水や空気の巡りに注目しながら校内を歩いたときに、どこか気持ち悪さを感じたものでした。
そして、子どもたちが不快と感じたそれらは、どれもその場の水や空気の流れを滞らせる存在でした。でも、取り出され、移動され、しかもガーデンの適材適所で工夫して生かされると、あらたな命を育む糧としてよみがえっていきました。それに気づき、成し遂げた子どもたちは、まさに循環の巡りの中に居る心地よさを味わい、「作れちゃった!」という実感に心と体を開放させていました。自然と笑顔がこぼれる瞬間でした。
ザクッ・・・ザザッ・・・ サッサッ・・・サッサッ・・・ コンコンコンコンコンコンコンコンコン・・・・
ガーデンのきわに沿って枝をコンコン打ち込む子。
その枝と枝の間を集めておいたクズの蔦でウネウネと編み込んでいく子。
乾いて土に戻った水路のアクを鍬やシャベルを使って畑の土にすき込む子。
足りない道具は順番に回し合い、周囲に散らばった草や落ち葉を熊手で夢中になって掃き始める子。
落ち葉コンポストの中で時間をかけてしっとりコロコロの堆肥になった土を底の方から掻き出そうとする子。
友だちと息を合わせて堆肥をふるいにかける子。
そのさらさらになった堆肥を一輪車に積んでガーデンへ運ぶ子。
「気持ちいい~」、まるで特別な宝物にでも触るような手つきで堆肥にずっと触れている子。
クラス全員が何かをしたいという思いに突き動かされ夢中で動いている。働いている。それは、何もしていない子が一人もいない見事な光景でした。そこにいる大人も子どももキラキラしている・・・。誰もが幸福感に満たされて体を動かす中、聴こえてくる音は、働いている音。あたかも、巡るいのちを祝福する交響曲のようにガーデン中に響き渡り、その小気味よいリズムに乗せられるように、新しいガーデンはみるみるうちに素敵に出来上がっていきました。
今日のガーデンクラスのしめくくりは、種まきです。できたてほやほやのみんなのガーデンをお祝いするように、みんなで囲んで種をまきました。種をまいたら、そっと目を閉じ、土の上に手を置き、1回目の授業からここまで至る循環といういのちの巡りにみんなで思いをはせました。
植物が色とりどりに葉を色づかせながら最後の命を次のいのちへとこめるこの季節、最後の授業となったこの日はもしかしたら子どもたちには終着点を迎えたかのように思えたかもしれません。でも、クラス全員でいのちを吹き込んだこの場所は新たな循環の出発点であり、希望だということ。私たちエディブルスタッフは心からの感謝の思いを胸にガーデンクラスを締めくくりました。素晴らしい秋の日のガーデンのひとときでした。(この授業の後半は、ガーデンから教室に入ってじっくり今までの活動を振り返る時間。その模様は後編に)
プログラムディレクター りさ(風間理紗)
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私たちは、子どもたちがその子らしく学ぶことができる、食とつながる、生きることにつながる「エディブル授業」をすべての子どもたちに届けたい、すべての公立校で実現したいと活動を続けています。コロナ禍になって、ますます野外で行うエディブル授業は子どもたちの心身を健康に、心地よく保つために不可欠になってきました。実は、不登校児童が学校に行きたいと思う日は、エディブル授業のある日なんだそうです。
ここ数年、とりわけ学校との協働が実現し、先生たちと作り上げる授業内容と運営は、目を見張るものがあると感じます。この成果を多くの学校で採用できるようにするには、
活動を継続し、その成果を広く知らせること
エディブル・エデュケーションを学ぶ仲間を増やしいていくこと
そして今いちばん必要なことは、支援の輪をもっと大きくしていくこと
公教育で継続して行っていくためには、助成金や補助金は欠かせません。しかし、こうした資金だけでは十分な活動は行うことはできません。エディブル授業を安定して届けるために、みなさまのご支援が必要です。それが、私たちの実践の支えとなります。
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